西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇 ー15- (壮烈第七騎兵隊)

2009年01月18日 | 西部劇映画
壮烈第七騎兵隊 (They Died With Their Boots On ) 監督:ラオール・ウォルシュ 1941年製作 1953(昭和28)年日本公開

今年初めて見た西部劇、すこし前にカスター将軍に関する文庫本「天国への疾走」(文春文庫)を読んだのでカスターの伝記映画の感があるこの映画を見てみたのでした。ビデオ、レーザーディスクと見て今回のDVDで3回目ですが、昭和16年製作だから丁度日本が太平洋戦争に突入した時代で今から68年も前の作品なんですね。でもこの500円DVDは画像もきれいで満足いくものでした。

<内容>ジョージ・アームストロング・カスター(エロール・フリン)がウェストポイント陸軍士官学校に入校するところから始まります。 入校したものの素行、成績とも最低で、教官たちから「あのグラント将軍の在校時よりもひどい奴だ」と開校以来の劣等生といわれるしまつ・・・・・(グラントはアメリカ南北戦争で勇名をはせた北軍の将軍で後に大統領にまでなった人)。学生時代から故郷(ミシガン州モンロー)を同じくする弁護士の娘エリザベス(オリヴィア・デハビランド)と恋仲になっている。
折りからの南北戦争勃発(1861年)の中、集合した全士官学校生、教官に対して校長が”南部連邦に同調するものは出て行っても構わない、残念だが健闘を祈る”と訓辞を下すところがあって 南部出身の学生、教官が軍楽隊の演奏する ”Dixie” のメロディに送られて行進して別れてゆく場面はちょっと泣かせる場面です・・・・・・実際そうしたことがあったのでしょうから。
さて卒業した(成績ビリで卒業)カスターは騎兵隊への配属を希望してミシガン旅団の戦う騎兵隊の仕官として任官し、各地の戦場で身を挺して戦い勇名を馳せたのでした。その戦闘的姿勢を評価されて弱冠23才で准将(最年少の将官)に抜擢され、そして恋人リビー(エリザベス)とも結婚、南北戦争の英雄として栄光を手にしたのでした・・・・・ここまでが前半。

戦争後は閑職を余儀なくされてくさっていたのですが、現場への復帰を志願し 勢力を拡大しつつあるインディアン征討のために第七騎兵隊指揮官としてダコタ州リンカーン砦に赴任することとなったのでした。堕落しきった第七騎兵隊を立て直してインディアン戦に臨んでなるべく穏便な形(彼等と協定を結んで)に収めようとしますが、鉄道利権に絡んでインディアンの土地を収奪しようと企む実業家たち(士官学校時代の同期がいる)の協定破りに遭い、結局はインディアン連合軍との戦いに向かっていくのでした。
1876(明治9)年、ところはモンタナ州リトル・ビッグホーン河近くの平原。追討に向かう中クレイジーホース(アンソニー・クイン)率いるインディアン連合軍の包囲攻撃の中カスター将軍の第七騎兵隊は全滅したのでした。カスターが攻撃前に隊を3つに分けたとか なぜ全滅に到ったかなどの戦術的なことなどは一切表現されていません。 でも出撃の夜、妻との別れの場面で「将軍になっても弾帯を着けるのは貴方くらいのものね」、とか思い出の時計の鎖が切れて死の予感に不安を抱く妻リビーの姿、会話に映画としての良さが出ています。平原でのインディアンに包囲されて全滅する戦闘シーンも実際にそうだったんだろうと思わせる迫力に満ちた展開になっています。

実像としてのカスター将軍の評価は善悪分かれていて今でも論争の対象になるほどなんですが、そんなことどうでもいいよ・・・・・と思わせる140分(モノクロ)で、Raoul Walsh(1887~1980年)監督の 各所にユーモアを散りばめたスピーディな演出のために古さを感じさせない映画のよさいっぱいの作品です(当時の人達はこれを大きな画面で見てさぞ感激しただろうなぁ~)。 500円で2時間楽しめるDVDに感謝
コメント (3)
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