銚子・角巳之・三代目

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黒豚の親子

2007年11月09日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_1990 昨日の子豚の写真、かなりの反響がありました....。本日は親子で。体毛は黒、4本の脚、鼻の頭、尻尾が白のいわゆる六白。家畜の分類上はバークシャー種。原産はイギリス。全国各地に黒豚は存在しますが、鹿児島で、サツマイモなどを食べ、飼育日数その他、厳しい制約をパスしたものだけが“かごしま黒豚”として流通しております。本当に厳しい基準。時にDNA鑑定まで。何故厳しくするかと言うと、それが“地域”のブランドだからであり、ブランドとは単なるモノを指すのではないからであります。生産者やそれらを繋ぐ人、その地域の人々の生き様そのもの。今でこそ鹿児島のブランドとして確固たる地位を築いておりますが、過去には何度も絶滅の危機に瀕したそうです。郷土の誇りを絶滅させてはならないと、地域の方々が幾多の困難にめげず、種を守り抜いてきたからこその今日であります。が、そんな事は殆ど顧みられる事は無く、黒豚=美味しい=人気がある=高く売れる...という連鎖。TVその他で煽られると、食べる方としては是非食べてみたい。という事になり、この販売機会を逃すまいと欲得だけが先立つと魔が差す....。かごしま黒豚の生産者に知人(黒豚生産の先駆者のような方々です)がおりますが、黒豚人気に少々閉口されているようでした。黒豚の価値を認めて頂ける事は本当に嬉しいけれど、黒豚と言うだけで値段が吊り上がって行くことは如何なもんだろうか....。黒豚はバークシャーの純血種。誇り高く、攻撃的。飼うのが難しい。体重が増えるのが遅く、他の豚より1ケ月以上長く飼わねばならない。ロースの芯は小さく、脂の乗りが多い。脂は純白で甘みがあり、くどさは全く無いけれど、一般的に脂身は嫌われる。鹿児島の方々は脂身と言わず、白身と言って、様々な郷土料理に応用されているんですが...。もともと鹿児島には黒豚しかおらず、一般の豚が入ってきたのは昭和30年代以降だと聞いたことがあります。ハイブリッドと呼ばれる一般の豚は雑種強制遺伝(親の能力の50%以上を子供が継承する)、3~5種類の良いとこを掛け合わせ飼いやすくなった。しかし郷土にもともといた種が絶滅の危機に瀕し、長年の苦難の末に、今、全国(世界にも)に冠たる一大ブランドとして地位を築いている。遡れば、もともとそこにいた豚なのに....。食を巡る問題点の特徴が象徴的に出ているような気がします。無論、黒豚は非常に美味しいですし、ブランドを守るための努力にも最大限の敬意を。と思っておりますが。


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