銚子・角巳之・三代目

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練り製品考...。

2019年08月27日 | 日記・エッセイ・コラム
かまぼこ等、練り製品は元来、冷凍・冷蔵流通が発達していなかった時代に、前浜で水揚げ
される魚を無駄なく、美味しく食べるための技法...。北海道から九州まで、それぞれ揚がる
魚は違っている訳ですから、自然と、その練り製品は地域の特産物として発展...。
日本かまぼこ協会(実は私も会員です)の資料によると、その起源は平安時代にまで遡るとか。
非常に長い伝統に裏付けされた日本の練り製品ですが、戦後は全国的にアラスカ等からの
スケソウダラの冷凍すり身を使うのが一般的になった...。十勝産小麦、素朴な疑問同様に、
これまた意味があって外国産すり身を使うことに...。品質、価格ともに安定的な冷凍すり身は、
練り製品工場の経営安定に大きく寄与した。けれど...。現在、冷凍すり身の原料価格は、
前年に比べ2倍弱に...。売価は上げられず、練り製品工場が悲鳴...。そんな声があちらこちら
から聞こえて参ります。資源や世界的な需要、様々な与件を鑑みれば、安定的と思われた原料も
不安定な局面に入り、遠くを見ても解決に至らず、途方に暮れていたら足元に...あった...と。
不安定だ、面倒くさいと敬遠されていた前浜の小魚類。大きく見直されております。よく考えれば
平安時代からの産物...。ここ数十年、冷凍すり身で安定していたとはいえ、原点に戻っただけ
のことかと。写真、板付カマボコ、すでに切れていて、オリーブオイルとワサビが内添されて
おりました。こんな時代なんですね。原料、考え方は原点に戻り、食べ方は自由に、斬新に。
これこそ伝統産業であります。