風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「摂州合邦辻」

2023-06-11 | 神楽・芸能


2019年に花巻で撮影が行われ、
2020年1月、なはんプラザCOMZホール満杯のお客様の中、
上映会が開催された短編映画「マルカン大食堂の贈り物」。
この映画の主人公役だった女優内田慈さんが
主役を演じる舞台で岩手に帰ってくるというので、
北上さくらホールへ。
とにかく切れ目がないと感じるほどいろんなドラマで姿を見るが、
主戦場の舞台もこの通り。
すごいなぁ、とても忙しそうだ。

芝居の方は、浄瑠璃を元にした音楽劇。
スーツやワンピース姿で、セリフのほとんどは浄瑠璃調という不思議さ。
でも逆にそれが現代劇とも思えるから不思議だ。
ストーリーは初だけど、能の「弱法師」もともになったとのことで
どこか既視感のある物語だった。
人が持つ様々な形の「情」が絡み合い、心理描写も細かい。
脚本と演出の面白さ。

そして出演の11人の方々にも圧倒された。
自分の配役の出番以外も歌や踊りでほぼ出ずっぱり。
最後のクライマックスシーンではバイオリンやトランペットまで。
舞台美術は小物以外は数本の柱だけなんだけど
それも出演者たちが演技の中で立てたり倒したり、
あるいは組み合わせたりしてそれなりの場面を想像させる。
全員休む暇なしの大熱演だ。

なかでもお目当てだった慈さんの素晴らしさ。
子どもの頃の思い出シーンでのあどけなさから
女の情熱が燃え上がる演技、子を思う母の愛情・・・
振り幅がめちゃくちゃ大きいさすがの演技に泣いた。
改めてすごい女優さんだなぁ。
これからも注目していこうと思う。
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