風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

不定期連載 風屋の「正しい岩手弁講座」vol.7

2007-02-08 | 風屋日記
今日は若い人達はたぶん知らないディープな岩手弁を紹介。
でも死語じゃないよ。使う人は日常的に使っている。
私は・・・・たまに(笑)

●やばつ 形容動詞
形容詞として使う時には「やばつね(やばつない)」という。
「あこぎ」とか「強欲であくどいさま」「しつこいさま」を言う。
またそこから拡大解釈で「ひどい」「大変」という意味にも使われる。
ちょっと危険な「かまり(匂い)」のする言葉。
仲人もしてもらった私の中学時代の恩師(宮沢賢治さんの親戚)は
我々を担任している時この言葉をよつ使うヒトだった。
「今度のテストやばつねぞー」「あんまりやばつね事ばり言わねぇで」
言葉とはウラハラに、とても暖かい人だ。
ところでこの先生「急げ」と言う代わりに「慌でろ」と表現していた。
「やばつ」も果たして正しい使い方だったのかどうかはギモン。

●まぐど 副詞
「本当に」とか「まことに」という意味。
これを使う人は最近「まぐど」少なくなった。
絶滅危惧語のひとつだと思われる。
かつては普通に使われていたらしいが、少なくとも私の周囲では
90歳を過ぎた母ちゃんのおばあちゃんが使ってるだけだねぇ。
私見だが、恐らく「まこと」の音便形じゃないかな?
私のような若者(笑)には「まぐど」わからないなぁ。
ちなみに「まぐど」「あぐど(かかと)」「やぐど(わざと)」を
「岩手3大ぐど」と言う(ウソ 笑)

●まづら 接尾語
名詞や動詞の連体形にくっついて
「~ごと」あるいは「~も一緒に」という意味。
「まぐど」に輪をかけて使う人が減っている。
もう絶滅寸前、新潟のトキのような存在。
当然ほとんどの中高生などは聞いたことすらない言葉。
だから先生に
「職員室のオレの机の上サ箱に入ったプリントあるがら、
 箱まづら持ってきてけで」
と言われた生徒が
「せんせー、プリントはあったけどまづらはありませんでしたぁ」
と答えたという笑い話が生まれる。
・・・知らないヒトが多いと笑い話にもならないね(^^;

●じぇんご 名詞
以前何度かここでも紹介したけど「在郷=いなか」の意。
「いなかもの」と人を差す時は「じぇんごたろ(れ)」となる。
大概は侮蔑の言葉として使われるわけだが
岩手の田舎の人達が誰かを「じぇんごたろ」と言い放っても
そりゃ目クソ鼻クソの世界だろうと思われるかも知れないが(笑)
まぁインドのカースト制度の中でも
バラモンはクシャトリアを、クシャトリアはヴァイシャを侮蔑するもの。
大きな格差社会の中にも小さな格差社会が存在する。
また「田舎者」→「常識知らず・もの知らず」に拡大解釈されるため、
田舎の人間が都会の人間に対して使ってもおかしくはない。
「失言」の某大臣を「じぇんごたろ」と嘲笑するのもアリだ。

「じぇんご」に関してはこんな面白いサイトがある。
岩手弁の勉強が楽しみながら楽々できる。お勧め(^-^)
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