風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

大名屋敷庭園の意味

2017-10-09 | 文化


一昨日何気なく目にしたテレビ番組に
東京は駒込の六義園が映っていた。
都内にはこんな、かつての大名屋敷の庭が
あちらこちらにいくつもある。
どれも素晴らしく立派で広い庭園ばかりだ。
「藩によっちゃ財政が苦しいだろうに」
「とはいえやっぱりお金持ち」などと思っていたが、
実はこの庭園には意味があるということを
その番組のナレーションで知った。

昔、大名の奥方は人質の意味もあって江戸に住まう。
殿様たちは参勤交代でたまにしか江戸には来ない。
大名の奥方たちは当たり前だが、そう外出もままならず、
普段は江戸屋敷の中にこもる生活だったのだろう。
それを癒すのが庭園だったとのことだ。
確かにそれなら広いのもわかる。
一望できてしまうぐらいの庭園ならすぐ飽きるよね。
中をゆっくり、日によってコースを変えつつ散歩しては
季節を感じ、動植物を愛でて過ごしたのだろう。
六義園を作った柳沢吉保はとても優しい人で、
奥方が飽きることがないように
家来に農民の格好をさせて庭の中を歩かせ、
田舎の風情を演出したり、屋台を呼んで縁日を模したり、
さまざまな演出をしたのだという。

なるほどなぁ。
そういうエピソードを知ると知らないとでは
見方も変わってくるよなぁ。
コメント
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