風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「へうげもの」十一服、十二服

2016-11-28 | 読書

以前から読み続けていた文庫版。
十服までしか持っていなかったので
このたび久しぶりに2冊大人買い( ̄∇ ̄)

この2巻の時代は関ヶ原の合戦〜その後。
大河ドラマ「真田丸」の後半と同じ時代になる。
石田三成一派を蹴散らしたところまでは
諸大名たちも意気揚々だったものの。
いつの間にかじわじわと家康の天下になって行く。
それに気付き始めた福島正則や加藤清正などの
豊臣の血縁や恩顧の大名たち、
そして東軍につきながらまだまだ天下を狙う伊達、
関ヶ原で家康の敵に回った上杉、毛利など。
その辺りの虚々実々の駆け引きや思惑、策略など
大河ドラマでは描ききれなかった部分が
このマンガによってとてもよくわかってくる。

有楽斎の立ち位置、各々有力大名の野心、
大坂方の気持ちや家康の計画など
大河ドラマを見る上でとても参考になっている。
そして主人公の古田織部の切腹の理由も
徐々にわかって来た。
それらは全て、あくまで作者の解釈によるし、
基本的にすべてフィクションだけれど、
でも確かにそう解釈するとすんなり腑に落ちる。

古田織部とともにある意味主人公である
数々の茶道具や茶室、設えの工夫なども面白い。
個人的には、
なるほど、小堀遠州の「きれいさび」は
こうやってできてきたのか・・・
というあたりがすごく面白かった。
織田〜豊臣〜石田〜家康と移っていく時代の中で
それぞれその時力があった者の美意識の変遷が
複雑な桃山文化〜江戸初期の文化を形作っているのだろう。

それにしても、イノベーターであった利休や織部は
現代茶の湯のマニュアル化を草葉の陰からどう見ている?
コメント
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