風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

新幹線車中にて

2008-08-28 | 風屋日記
「自分だけよければ」という昨今の風潮の中、
自分のことより困っている人達を考え、
一身を投げ打って東奔西走。
とはいえ鹿爪らしい顔をするわけでもなく、
明るい笑顔はみんなに愛されていた。
これで農業を教えていたというのだから
まるで宮沢賢治さんじゃないか。

アフガニスタンでの事件はショックだった。
彼の地の人達のために生活を捧げていた人が
その地の人達に殺されるなんてことがあっていいのか。
彼が所属するNGOの人が言った
「犯人については、憎むというより情けない」
という言葉が耳に残っている。

アフガニスタンには私の知っている人も
NGOの活動で行っていた。
最近は話を聞いていないので
今も現地にいるかどうかは不明だが、
そのプロジェクトもペシャワール会に近かったらしいから
相当怖い思いをしたに違いない。

ところでふと疑問に思ったのだが、
4年前にイラクで日本の若者が拉致され殺された時は
「自己責任」の声が巷に溢れ
前年の人質事件からの流れで
被害者を揶揄する世論が圧倒的だった。
翌年フリーの報道カメラマンがイラクで射殺された時も
割に冷ややかだった印象がある。
今回の事件に対する雰囲気と
世論や報道が大きく違うのは何故だろう。
やっていたことが違う…というのは理由にならない。
みんな「自分の意志」で「困っている人達の元」へ
「自分のできること」で助けるために駆け付けたのだ。
(最初な青年は自分ができることを探しに)

人の死は無情。
いかに「生まれた時から死に向かっている」としても
志半ばでの死は悔やまれる。
今日私と入れ替わりに長男が急遽帰ってくる。
海で溺れて亡くなった小学校~高校の同級生の、
今夜のお通夜、明日の葬儀に出るために。
学年1番の成績だったにもかかわらず
難関大には行かず「地元にいたい」と
岩手大に入ったというしっかりした彼。
親御さんの嘆きはいかばかりか。
ご冥福を祈りたい。
コメント (7)
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