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風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「ドライブ・マイ・カー」

2024-01-18 | 映画・芝居・TV

その先にあるもの???
そういう内容?
この映画の先に何かあるのか?
ちょっと違うかなと思って観たんだけど。
でも確かに最後がよくわからなかった。

以前から話題にもなり、興味あった映画を
ようやくNetflixで視聴。
なにせ普通の映画の2倍近い3時間の映画なので
そうそう気軽に観始められない。
たまたま終日何も予定がなかった日曜日に
(仕事はあるんだけど😅現実逃避)
意を決して観ることにしたのだった。

話題になった時から「3時間???」と思っていた。
「広島???」とも思っていた。
原作の短編にそんな場面あったっけ?
もう一度原作を読み返してみようと思うけど
かなり饒舌な内容の映画にしちゃった感があるんだなぁ。
饒舌な割に説明的じゃないから
そこから先のストーリーのベクトルがわからなくなる。
西島さんはじめ、俳優陣は悪くない。
特に韓国人夫婦と三浦透子さんはとても良かった。
三浦さんはこれまでの出演作も存在感が際立っていたけれど
これからちょっと注目してみようかな。
岡田将生がちょっと残念。
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「いちばんすきな花」

2023-12-05 | 映画・芝居・TV

たまたま目にして気になり
途中から観始めたフジテレビの連続ドラマ。
4人の主役の人物造形やセリフ、
そしてドラマ全体の雰囲気が気に入って
FODで初回から遡って見た。

真面目なお人好し、お調子者、
頭(だけ)いい人、顔(だけ)いい人。
子どもの頃からそんな風に他人から思われ続け
傷つき、トラウマになって他人とうまく付き合えない。
誰かと2人だけになるのが苦手だから4人。
誰しもこの4人の誰かに自分を重ねるんじゃないかな。
周りの人たちに嫌われないよう調子を合わせ、
相手の気持ちを推しはかり過ぎて
疲れてしまっている人たち。

これまではできるだけ自分の気持ちを口にするよう
10代のころから意識してきたんだけど、
それって結構力技であるわけで、
やっぱり時々、
フッと相手に合わせてしまっている自分に気づき、
頭を抱えてしまったりする。
60代になっても。
たぶんこんなだからクリエイターとしても
なかなかコレという仕事ができないのかも知れない。

このドラマを観たあとは
どこか寂しい気持ちになるね。
それでもひとりになりたくなるのが不思議。
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「あまちゃん」随想

2023-09-07 | 映画・芝居・TV

NHK BSPにて再々放送中の朝ドラ「あまちゃん」もいよいよ大詰め。
最初の放送は東京に赴任中だったけど、
勤め人なので時々飛ばし飛ばし見た感じ、完全には見ていない。
再放送時はもうフリーだったのでタイムリーで見た。
通して見るのは初めてだったので、もちろん楽しんで見られた。
今回の再々放送は通して見る2度目だったので
前回気づかなかったディテールや、
細かな意図などを拾い上げつつ見たりしている。

それにしても、本当にこれは素晴らしいドラマだと改めて思う。
さすがのクドカンさんの面目躍如。
演出も含めてうまいことできてると感心してしまう。
もちろん名の知れた実力あるキャストの方々の力もあるし
何より主演ののんさんの魅力もたっぷり。
個人的には「カムカムエブリバディ」と並んで
朝ドラ史上1〜2を争う傑作だと思う。
まもなく終わると思うと残念で仕方ないから余計真剣に見る。
美味しかったケーキの最後のひとカケラをチビチビ食べてる気分😁

ところで今回の放送を見ていて感じたことが2つある。
ひとつ目は
「地方の子が都会に憧れて上京するけど、
 結果故郷に幸せがあることに気づき、帰郷する物語」
という、ある意味ステロタイプなストーリーが存在するということ。
「あまちゃん」の場合、
恐らくクドカンさんはちゃーんとそれをわきまえ、利用しつつ
それとはちょっと違う物語に仕上げているのだが
(もしかしたらパロディ的にそういうストーリーにしてる?)
特に東京製作の朝ドラはその傾向が強いと感じていた。
最近だと「ちむどんどん」や「おかえりモネ」「まれ」がそうだね。
以前、とある企画で花巻を舞台にしたストーリーを
東京の会社にお願いしたことがあったけど、やはりそんな話だった。
実はこれを、都会人の上から目線な勘違いと考えている。
「都会が羨ましいでしょ?案外そうでもないんだよ」的な・・・。
クドカンさんはあえて都会出身の主人公にして
それを逆パターンにして見せた(最後は岩手に帰るけど)。

もうひとつ感じたこと・・・というか思い出したこと。
震災直後の東京を中心とした社会や企業に対して
「何なの!」と静かに怒りを心の中に閉じ込めていたなぁと。
当時は三陸を含む地元のニーズを捉え
当時のテリトリーだった東京で、仕事を通じ、
何とか少しでも被災地の役に立ちたいと考えていた。
ところが、あの頃の(東京の)社会や企業のスタンスは
被災地のため、被災地の役に立つと分かっていながら
「売名行為と言われる」「震災で儲けたと言われたくない」と
腰が引けた対応ばかりで、結局何もできなかった。
(「復興の狼煙ポスター」のPR活動ぐらいしかできなかった)
「あまちゃん」の放送中の「太巻」の態度を見て
あの時の忸怩たる思いというか、地団駄踏みたい気持ちというか、
泣きたいほどの悔しかった気持ちが思い出された。
「イザという時に都会の企業は期待できない」
ということを学んだ気がする。
結局、半年後にはとある広告業界最大手の企業が
被災地を利用してボロ儲けしたんだけどね。
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「怪物」

2023-07-06 | 映画・芝居・TV

この作品のタイトルはどうして「怪物」なのだろうか。
坂元さんも、是枝さんも
わかりやすい回答を示してくれるわけじゃない。
ただこの作品を鑑賞した人たちが
肌感覚で「社会の陰に潜む闇」を感じるしかない。
最近のNHKのドキュメンタリーのタイトルにも使われた
「バタフライエフェクト」という言葉を思い出す。
ストーリー全体を俯瞰すると大掛かりだが
そこに至るひとつひとつはごく普通の日常の出来事だ。
少しずつのズレがだんだん大きくなっていく。
そのリアルさに震えた。

「怪物」とは社会そのもの?
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2023-07-03 | 映画・芝居・TV


「いつか大切なものを守るために
 命をかける時が来る」
by 大河ドラマ「どうする家康」瀬名の言葉。
いやいや、あなたの命以上に大切なものは無い。
「命以上に国が大切」という言葉に騙されて、
あの戦争ではたくさんの人たちが命を落とした。
もうそんな言葉に騙されてはいけない。
命よりも大切なものは命しかない。
「私が徳川を守った」by 徳川信康
もちろん家も命をかけて守るものではない。

かつて同じ大河ドラマの
「女城主直虎」での主人公の言葉。
「城とは人を守るためにある。
 城を守るために人が犠牲になるのは本末転倒」
「城」を「国」に置き換えて考えてみるといい。
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「銀河鉄道の父」

2023-05-14 | 映画・芝居・TV

かなり混むだろうと予想して、
1週間ほど様子見をしてみたのだが、
周囲の人たちがもう結構観に行っていると知り、
大丈夫かなと、昨日の朝イチの上映に行ってみた。
混んではいたが、座れないほどじゃない。
騒いでいるのは花巻近辺の人たちだけなのだろうか。

かなり事実と違う内容。
そして賢治さんの人生も結構端折ってある。
明治の父は(内心はどうあれ)
あんなに自分の気持ちを露わにはしないだろう。
それでも、原作者や脚本家、監督が伝えようとしたことは
ちゃーんと伝わってくるから不思議だ。
これは賢治さんを描く映画じゃなく、
政次郎さんと賢治さん、政次郎さんとトシさん、
そして喜助さんと政次郎さんなど、親と子の物語。

菅田将暉さんと森七菜さんには拍手。
本当に賢治さんとトシさんに見えてきたし、
確かにこういう人たちだったんだろうなぁと感じた。
役所広司さんは、前述したように
明治男にしては内面を露わにし過ぎているが、
この作品で言わんとすることを伝えるにはこれが正解か。
ただ、賢治さんの最期のシーンは泣けて泣けて・・・。
ラストシーンも、余韻が良かったな。
総じてオススメできる作品。

ところで、政次郎さんのことを調べてみて驚いた。
ワタシの父方の祖父と同じ明治7年生まれ。
昭和20年8月10日の空襲まではすぐ近所に住んでいて
ウチの祖母とイチさんも茶飲み友達だった由。
家族ぐるみの付き合いだったそうだが、歳まで一緒とは。
タイムマシンがあるなら
祖父と政次郎さんの会話を聞いてみたい。
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BSで朝ドラ

2023-03-16 | 映画・芝居・TV
毎朝、NHK-BSPにて朝ドラを観ている。
7:15からは昔の朝ドラ.7:30からは今の朝ドラだ。
毎朝観るようになったのは(観られるようになったのは)
会社を辞めて、朝早く出勤する必要が無くなってからだから、
「おしん」や「あぐり」「芋たこなんきん」などは
アーカイブで初めてシリーズを通して観ることができた。
これがまぁ、現シリーズよりも面白いかったり。
(現シリーズは現代的すぎてイマイチついていけなかったり😅)

特に今放送中の「本日も晴天なり」は
「舞いあがれ!」よりも見逃すことができないほどハマっている。
昭和元年生まれの主人公は、我々世代にとっては親世代。
舞台は戦前から戦中、戦後のテレビ放送開始時代、
そして東京オリンピックを経て、今は1969年が舞台だ。
インターネットも携帯電話もFAXも無い時代の
出版社の雑誌編集部がとても興味深いし、
昔ながらの江戸っ子が代々営む人形町の染め屋という実家も
べらんめぇの人々の言葉に親近感を持つ。
高度経済成長に取り残されつつある古き良き時代の風俗。
なんか良いんだよなぁ。

主人公の大学生の息子はベトナム反戦デモに行ったり同棲したり。
そのアパートも昔懐かしい木造風呂トイレ無し(と思う)だ。
この息子の世代は私よりも10歳ほど上の設定だが
(デモはともかく)成田闘争は我々の世代でもあったし
アパートの描き方に至ってはまさにドンピシャ。
考えてみれば、このドラマが放送されたのは1981年。
私もまさにこんなアパートに住んでいた頃だ。
放送当時から見れば、ほんの12年ほど前の場面だろうから
よりリアルな描き方になっている。

そして役者さんたち。
かつてはお馴染みの方々ながら、もう鬼籍に入っている人も多数。
その人たちがまた味のある演技なんだなぁ。
特に(もうドラマ内でも亡くなってしまったけど)
主人公のお父さん役の津川雅彦さんが、実に昭和な江戸っ子だった。
小心者なのに見栄ばかり張って口も悪い。
でも心根は優しくてどこかシャイ。
懐かしさ溢れるこのドラマもまもなく終わると思うと寂しいな。

そして、この次は「あまちゃん」❗️今から楽しみ😊
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「流浪の月」

2023-02-02 | 映画・芝居・TV

小説が原作の映画は、賛否評論となることが多い。
私も本屋大賞を取ったこの原作小説は昨年読んでいて
かなり深く心に沁み込んでいたので
ほぼ同じタイミング公開になった映画を見ることは躊躇していた。
今回改めてレンタルでDVDを借りてきて鑑賞。
ほぼ原作を踏襲した内容と演出、光をうまく使った撮影、
そして何よりも松坂桃李さん、広瀬すずさん、横浜流星さんなど
演技派出演者たちによって
期待以上の作品になっていると感じた。

人は誰でもこどもの頃に負った心の傷があり
大人になっても心の奥底に潜んでいて
他の誰にも見られたくはないコンプレックスという形で
外向けに纏ったベールに下に意図的に隠されている。
もちろん私にもあるから
こういう作品で第三者的に見せられると
まるで自分のことのように痛みを感じてしまったりする。
昨今ネットなどで顕著な、他人を腐し、攻撃する風潮などは
自分のそんな弱みを隠すためでもあるだろう。
他人の弱みを見つけた途端にそれは一気に牙を剥く。
この作品で描かれたことばかりじゃない。
国籍も、出自も、宗教も、性も、そして性格も
その攻撃の対象になりがちだ。

欠損した心を原作の凪良ゆうさんや監督の李相日さんは
丁寧に、そして残酷に描いている。
孤独で傷ついた心をかばい合い、補い合い、通わせながら
この2人はこれからどこへ向かうのだろうか。

amazonから原作書籍購入は下記より。

 
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ドラマ

2023-01-12 | 映画・芝居・TV
年末は30日まで仕事をし、
31日は神社で元旦祭奉納神楽の準備と大祓。
あとは実家で母も交えて蕎麦を食べた。
元旦は午前中いっぱい元旦祭と神楽奉納(片付けまで)。
午後は長男一家、次男一家とともに実家へ。

ってな具合で年末年始を過ごした。
ようやく予定が何もない2日。
箱根駅伝でも見ようかと朝テレビをつけたら
たまたまチャンネルがフジテレビ。
昨秋見逃したドラマ「Silent」をやってるじゃないか。


しかも全シリーズを2日かけて一気放送。
2日の朝から3日の15時まで、
ついつい最終回まで連続で見てしまった。
これで正月休みは終わり。

4日から6日まで仕事をすると3連休。
これまた何の予定も無かったので
Netflixで、以前から気になっていたドラマ「カルテット」を。



これまたつい夢中になって、3連休を費やした😅
ということで、年末年始はドラマ三昧。

さて、遅まきながら昨年を振り返る。
自分的に、昨年のドラマBEST3は

・鎌倉殿の13人


・ミステリと言う勿れ


・エルピス


をセレクト。
(「カルテット」を見たのは
 同じプロデューサーの「エルピス」の影響)
「鎌倉殿」を全部見直すとなると
長丁場で生活が成り立たなくなるけど😅
「ミステリ」や「エルピス」は
この正月の2つのドラマみたいにまた見たいな。

ちなみに、一昨年から昨年3月までと
年をまたいだ放送だった「カムカムエブリバディ」は
BEST3には入れなかったけど、特別枠でチョイス。


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「僕のワンダフル・ライフ」

2022-11-10 | 映画・芝居・TV

邦題がダサい💦
主人公が犬だから「『ワン』ダフル」なんだろうけど😅
原題の「A Dog's Purpose」のままの方が
意味深で良いんじゃないかと思うなぁ。
人間が主人公で同じストーリーならベタになりそうな感じだけど
犬目線で、しかも何度も様々な経験を積む物語だから
最後は微笑みながらもウルッときてしまう。
しかし、出てくる犬たちがとてもうまい演技で驚いた。
警官と警察犬のストーリーが沁みたなぁ。
アメリカでベストセラーになったという小説の映画化。
NHK-BSPで鑑賞。
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「本日は晴天なり」

2022-11-09 | 映画・芝居・TV

会社を辞め、長距離通勤がなくなってから
毎日NHKの朝ドラを観ることが習慣になった。
我が家ではBSPで7時台に観る。
7:15からは古い朝ドラ、7:30からは新作。
もちろん新作も面白いのだが、
かつて観るチャンスがなかった古い作品もまたいい。
「タイトルを聞いたことはあるなー」ぐらいの作品を
今改めて観ることができる。
実は「おしん」もこの時間帯で初めて全編観ることができた。

今放送されているのは「本日は晴天なり」。
1981年9月から1982年3月までの放送とのこと。
あぁ、自分の人生で最も暗黒の半年間だ😅
まだ学生時代で、古く狭いアパートで
テレビは点けていても内容が全く頭に入ってこなかったころ。
仮にこのドラマを観られたとしても覚えているわけがない。

で、このドラマがとても興味深い。
40年も前の作品だから、もう亡くなった役者も多いし
東京下町が舞台でチャキチャキの江戸っ子言葉も嬉しくなる。
そして一番印象に残るのは戦争の描き方だ。
1981年といえば終戦からまだ36年。
脚本家やプロデューサー、ディレクターなどのスタッフ、
ベテラン役者さんたちはリアルに戦争を経験している。
もしかしたら従軍経験者もいたのではないか?
だから戦争の描き方が、
現代のドラマのようなステロタイプなものではなく、
実にリアルで、知らなかった事実を知ることができる。
しかも戦中から戦後にかけての市井の人々の生活視線で描かれ
単に「抑圧された生活」「物資不足の困窮」だけではなく、
戦時下にあっても笑顔があり、でも理不尽な死があり、
玉音放送の時の戸惑いがあり、進駐軍への恐れや不安、交流があり、
昔ながらの職人の、変化に対応できない生活力のなさがあり、
それでもしたたかに、柔軟に生き抜こうとする人間の姿があった。
今は終戦直後の昭和20年秋の場面だが
「6人にひとりが失業」という言葉、
エリート将校だった人も力仕事で食べていかざるを得ない状況、
復員を心待ちにしている家族たちの思いなど
これまであまり知らなかった事柄に驚きを禁じ得ない。

リアルなのはもうひとつ。
終戦までは放送局のアナウンサー(女子放送員)だった主人公。
もちろんこの放送局は現代のNHKであり
局の歴史や残っている資料などによる裏話が描かれた。
エビデンスのある、その後継者たちによる場面。
そりゃリアルにもなる。

まもなく開始から半分となる。
後半は主人公の結婚生活と新たな仕事人生が中心となりそう。
それも物書きの仕事らしいから、
私の仕事柄、それはそれでこれからも結構楽しみだったりしている。
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朝ドラ

2022-09-16 | 映画・芝居・TV
2014年までは長距離通勤していたし
東京への単身赴任時代は、満員電車を避けるために
朝7時にはマンションを出ていたから
じっくり毎日続けてNHKの朝ドラを見る機会がなかった。
勤め人を辞め、フリーになってからは
自宅から事務所がある実家まで車で5分の通勤。
始業時間が厳密に決まっているわけじゃないから
だいたい9時ぐらいに家を出る。
と、自然に毎日ちゃんと朝ドラを見るようになった。

欠かさず見てしまうなかなか面白いものもあるし、
そんなに入れ込めないものもある。
それは別にいい。
半年経てば、また新しいものが始まるから、
つまらなくてもそれなりに流して見ていればいい。
ただ、ちょっと気になっていることがある。

ほぼ全ての作品と言っていいほど共通点がある。
それは、全国あちこちが舞台となっているものの、
ほぼもれなく主人公は都会へと出ていく。
もちろん東京や大阪、神戸など
はじめから都会が舞台となっているドラマもあるが
それ以外は
「地方出身者が都会へ出て行って苦労し努力する物語」
になってはいないかい?
もちろん「あまちゃん」や「おかえりモネ」のように
また故郷へ帰る物語もあるけれど、
それにしても一度は都会に出ていくわけだ。

以前、とあるプロジェクトで
花巻を舞台にした物語動画を作る話があった。
東京の制作会社によるプロットやラフ台本を見たのだが
まさにそのパターン。
花巻の高校生が「田舎は嫌だ」と都会へ出ていき
挫折して帰ってくるストーリーだった。
まるで「チャレンジできるのは都会だけ」みたいな感じ。
そして「故郷は傷ついて帰るところ」みたいな。
なんか、高度経済成長時代やバブル時代の価値観を
そのまま引きずっているようなストーリー展開だった。
都会人から見れば、地方はそんな風にしか見えないのかな。

都会で生まれ育った人が地方へ移住、
あるいは地方に残った若者が都会や世界とつながり
自分の故郷をステージにプレーヤーとして活躍する物語を
新しい流れの朝ドラとして見たいと思うのだが、どうだろう。
なんなら
マルカンビル復活の物語を朝ドラにしてくれないかな😁
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10人のお坊さん

2022-08-19 | 映画・芝居・TV

たまたま目にしたこの番組。
どうやら今年1月〜2月に放送されたものの再放送らしい。
様々な宗派の男女のお坊さんによって
その日のテーマに沿った講話を1回あたり3人ずつ放送している。
話だけなので一見単調な番組なのだが
見て見るとなかなか奥が深く、また考え方もいろいろで面白い。
今回の再放送は今日が最後らしいが
もっと続けて欲しいと思った。

一番面白いと思ったのは
天台宗や真言宗など歴史が古い宗派は哲学的な話が中心である一方
一般の民衆救済のために成立した浄土宗や浄土真宗は
私たちひとりひとりにとって身近なわかりやすい話だったこと。
なるほどなぁ。
どちらの話もそれぞれ心に響くんだけどね。
大学時代の講義でも宗教学は面白く受講した思い出があるけれど
もう一度自学してみようかなぁ。

今回の放送で一番心に残ったのは一昨日の放送。
テーマは「生きる意味」だった。
天台宗の方からの
「お釈迦様が生まれた時に言った『天上天下唯我独尊』という言葉は
 『世の中で自分が一番偉い』と誤解されているが
 実は『人間ひとりひとりがそれぞれの使命を持っている
 という意味なのです」
浄土宗のお坊さんからの
「『分別』というと一般にはいい言葉と思われていますが
 それは『人を分けて考える』ということ。
 どんなひとか、自分と同じ・違う人かを分けて考えずに
 『無分別』というのが人として生きる上で大切なことだと思います」
特に「無分別」はすーっと心の中にその言葉が入ってきた。
性別や国籍や人種や文化の違いなど瑣末なこと。
右利きか左利きか、メガネをかけているかかけていないかと同じ。
もちろん性的指向も性自認も。

先日取材した人から
「ダイバーシティ」という言葉に違和感がある」
と言われた。
「多様性」とは前提として「人としての違い」がある。
それを認めようというのが「ダイバーシティ」。
確かにそうだと思って聞いていた。
でもね「無分別」ならすんなり理解できるよね。
深い。

たまたま見始めた時にはなんとなく聞き流していたから
この番組をもう一度始めから見たい。
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「あの胸が岬のように遠かった〜河野裕子と生きた青春」NHK BSP

2022-06-11 | 映画・芝居・TV
先日こんなドラマを見た。
歌人永田和宏さんと河野裕子さんご夫妻の結婚に至る思い出の物語。
夫婦はつがいと言われ、セットで語られることが多いけれど
でも実は他人同士が紡ぐ絆。
それぞれの思い出や想いがあり、その後2人で築く歴史がある。
この人たちだけでなく、どんな夫婦にも。
それなりの年齢で立場ある人の若い頃の思い出を
垣間見せてくれたドラマでも胸が熱くなった。
老人は一日にしてならず。
誰しもその人なりの若い時代があり、青春があり、
そして2人の思い出がある。

この2人については以前↓こんな本も読んでいた。
歌人夫妻の相聞歌をベースに、2人の人生を描いた1冊。
この本を読んだ時も、我が身を重ねて胸が熱くなった。

それなりの年齢で、それなりの立場ある人がによる
夫婦の物語がもう1冊。
硬派の作家&評論家が、
亡くなった奥様との思い出を愛情込めて書いている。
城山三郎を知る人にはこの内容に驚いた読者も多いだろう。
人は表に見える一面だけにあらず。
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朝ドラ

2022-05-23 | 映画・芝居・TV

NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)を見始めたのは
2014年8月に会社を退職してからだから自分的にはまだ8年。
それまでは土曜日にたまに目にするだけで
ストーリーも何もわからなかった。
今は朝BSや夕方総合テレビで古い朝ドラを再放送しているから
新しい朝ドラとともに遡って改めて見ていることになる。

朝ドラは1年の前半が東京で、後半は大阪で作られる。
最近の東京制作では「なつぞら」、
大阪制作では「おちょやん」「カムカムエブリバディ」が傑作だった。
基本的に朝ドラは女性の生涯を描くことが多いけれど
それらはかつての朝ドラのような「苦労して報われた女性」ではなく
それぞれの登場人物の心情まで深く掘り下げていた。
優れたヒューマンドラマになっていたのだ。

朝ドラのストーリーにはいくつかのパターンがある。
初めの導入時に主人公が水に落ちるとか(笑)
子どもの頃はおてんばで周囲を困らせる存在だったとか。
で、その父親は大概優しく見守る存在だ。
今放送中の「ちむどんどん」も、水にこそ落ちないが(笑)
このパターンを踏襲している。
新しいドラマが始まるたびに苦笑しながら続きを見ていくことになる。

もうひとつ、最近気づいたことがある。
特に東京制作ドラマに顕著だが、
主人公の出身は茨城だったり、北海道だったり、宮城だったり、
その後長じて必ず東京に出、主な舞台は東京になる。
(大阪版はそれほど大阪に舞台を移すわけではない。例:マッサン)
どうも
「地方出身の人たちは東京に来て自分の人生を見つける」
バイアスがかかっている気がしてならない。
「ちむどんどん」は沖縄の本土復帰50年に合わせることから
日本(東京)と沖縄の関係性を描きたいのかもしれないが
それにしても「東京なら自己実現できる」的物語のような気がして
どうもイマイチ入れ込めない。

かつて花巻を舞台にした映画を作ることになった。
結果的に「マルカン大食堂の贈り物」になったのだが、
その前に(東京のスタッフから)提示されたストーリーが
「花巻で鬱屈していた女子高生が東京に就職する」
という物語となっていて違和感があった。
結果そのストーリーは却下になったのだが
都会から地方を語ると
どうしてもそうなっちゃうのかなぁとふと感じた次第。
かつての一極集中がトレンドだった時代なら
それでも良かったのかもしれないけれど
現代はそうじゃないと思うんだなぁ。
東京から地方に移住する話でも良いんじゃないかなぁ。
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