*横田修作・演出 下北沢駅前劇場
タテヨコ企画初体験。とはいっても明らかな目的や理由(劇作家に関心がある、この俳優がみたい等)がわからないまま、早割のチケットを申し込んだのだ。ときどきこんなことをしてしまう。理由のあとづけをすれば、風琴工房公演に客演していた好宮温太郎がホームグラウンドでどんな演技をするのかをみたい。あるいは今回は劇団グリングの鈴木歩巳が客演していること。もっと個人的なことになると、タテヨコ企画が何度か地方公演をおこなった山口県の「みどり会館」はわが故郷にあることも。
ある地方の民宿のロビーが舞台である。雨の降りしきる夜更けのできごとだ。民宿の主人誠一(好宮)とその妻(舘智子)は再婚である。先妻は事故で亡くなった。今夜は先妻の兄と妹が民宿に泊まりにきている。妹が彼氏をここで兄に引き合わせるというのである。かと思うと、誠一の妹が夫婦喧嘩をしてころがりこんでいたり、やや複雑な人物配置である。
客席がカギカッコ型に組まれており、舞台正面がフロントで、上手に民宿の入り口があり、下手奥が客室につながる通路で、正面奥が浴場に続く。長雨の影響か、民宿が停電し、湯あたりしたお客がロビーにかつぎこまれたり、妹の亭主が妻を連れ戻しにやってきたり、人々はわさわさと出入りする。
二つのグループが同時に会話をするところは平田オリザ風であるし、一杯道具のセットの中を大勢の人々が動く様子は青木豪のようでもある。先妻の事故死に、誠一は罪悪感を持っており、新しい妻は先妻を忘れきっていない夫にもどかしい思いを抱いている。それを象徴するのが題名の「春のズボンと秋のブラシ」なのである。
開演前と終演後、主宰の横田修が実に誠実で丁寧な挨拶をした。前者は携帯電話の電源を切って欲しいことと、開演を少し遅らせること、後者は来場の御礼やアンケートのお願いであるが、主宰みずからこんなにきちんと観客に向き合って挨拶してもらったのは初めてではないか。こういうことは大切だと思う。劇場というハコの中で芝居をするのは三年ぶりだというタテヨコ企画、今度は違う場所で味わってみたい。
タテヨコ企画初体験。とはいっても明らかな目的や理由(劇作家に関心がある、この俳優がみたい等)がわからないまま、早割のチケットを申し込んだのだ。ときどきこんなことをしてしまう。理由のあとづけをすれば、風琴工房公演に客演していた好宮温太郎がホームグラウンドでどんな演技をするのかをみたい。あるいは今回は劇団グリングの鈴木歩巳が客演していること。もっと個人的なことになると、タテヨコ企画が何度か地方公演をおこなった山口県の「みどり会館」はわが故郷にあることも。
ある地方の民宿のロビーが舞台である。雨の降りしきる夜更けのできごとだ。民宿の主人誠一(好宮)とその妻(舘智子)は再婚である。先妻は事故で亡くなった。今夜は先妻の兄と妹が民宿に泊まりにきている。妹が彼氏をここで兄に引き合わせるというのである。かと思うと、誠一の妹が夫婦喧嘩をしてころがりこんでいたり、やや複雑な人物配置である。
客席がカギカッコ型に組まれており、舞台正面がフロントで、上手に民宿の入り口があり、下手奥が客室につながる通路で、正面奥が浴場に続く。長雨の影響か、民宿が停電し、湯あたりしたお客がロビーにかつぎこまれたり、妹の亭主が妻を連れ戻しにやってきたり、人々はわさわさと出入りする。
二つのグループが同時に会話をするところは平田オリザ風であるし、一杯道具のセットの中を大勢の人々が動く様子は青木豪のようでもある。先妻の事故死に、誠一は罪悪感を持っており、新しい妻は先妻を忘れきっていない夫にもどかしい思いを抱いている。それを象徴するのが題名の「春のズボンと秋のブラシ」なのである。
開演前と終演後、主宰の横田修が実に誠実で丁寧な挨拶をした。前者は携帯電話の電源を切って欲しいことと、開演を少し遅らせること、後者は来場の御礼やアンケートのお願いであるが、主宰みずからこんなにきちんと観客に向き合って挨拶してもらったのは初めてではないか。こういうことは大切だと思う。劇場というハコの中で芝居をするのは三年ぶりだというタテヨコ企画、今度は違う場所で味わってみたい。
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