*加藤一浩作・演出 公式サイトはこちら 下北沢ザ・スズナリ 公演は6日まで
最前列に座って「スズナリの舞台はこんなに広かったのか」と思った。奥行きがあって天井もたかい。床も壁も黒く、年数と日にちと思われる数字があちこちに書かれている。舞台中央に座卓があるくらい。今回初めてみる加藤一浩の作品は舞台からほとんど何も読めないまま始まった。
☆何を書いても危ないような、しかし書いたところで何も伝わらないようでもあり…
一応このあたりからご注意くださいまし☆
登場人物は全員女性である。ひとりふたりと座布団を持って登場し、お互いの動作を真似しながら自分の立ち位置を決めるような決めかねるような。兄夫婦の家に居候している女がいる。兄は「遠いところ」に単身赴任中で、つまり女は義理の姉と一緒に暮らしている。女の同級生が急にやってきたり、義姉の近所の友達が次々とやってきてはお茶を飲み、お菓子を食べる。なぜか義姉役は3人の女優が入れ替わり立ち替わり演じている。意図や意味はわからなかったがおもしろい。義姉に限らず、どの人物も過去や背景が読めない。思わせぶりや意味ありげな作為が感じられず、そこがよかった。
今回の『愛とその他』をみると、加藤一浩の作風は別役実のようでもあり、岩松了のようでもあるが、うっかり「○○と似ている」と括れない空気を持つ。昨年秋の『恐怖・ハト男』や今年春の『コーヒー入門』いずれも見逃したのが悔やまれるが、まずは書店にダッシュして「せりふの時代」掲載の『黙読』を読むことにしよう。易々と「わかった」「理解できた」と安心できず、かといって「何となくおもしろかった」と逃げるにも後ろめたく悩むことになりそうで、とても楽しみである。
最前列に座って「スズナリの舞台はこんなに広かったのか」と思った。奥行きがあって天井もたかい。床も壁も黒く、年数と日にちと思われる数字があちこちに書かれている。舞台中央に座卓があるくらい。今回初めてみる加藤一浩の作品は舞台からほとんど何も読めないまま始まった。
☆何を書いても危ないような、しかし書いたところで何も伝わらないようでもあり…
一応このあたりからご注意くださいまし☆
登場人物は全員女性である。ひとりふたりと座布団を持って登場し、お互いの動作を真似しながら自分の立ち位置を決めるような決めかねるような。兄夫婦の家に居候している女がいる。兄は「遠いところ」に単身赴任中で、つまり女は義理の姉と一緒に暮らしている。女の同級生が急にやってきたり、義姉の近所の友達が次々とやってきてはお茶を飲み、お菓子を食べる。なぜか義姉役は3人の女優が入れ替わり立ち替わり演じている。意図や意味はわからなかったがおもしろい。義姉に限らず、どの人物も過去や背景が読めない。思わせぶりや意味ありげな作為が感じられず、そこがよかった。
今回の『愛とその他』をみると、加藤一浩の作風は別役実のようでもあり、岩松了のようでもあるが、うっかり「○○と似ている」と括れない空気を持つ。昨年秋の『恐怖・ハト男』や今年春の『コーヒー入門』いずれも見逃したのが悔やまれるが、まずは書店にダッシュして「せりふの時代」掲載の『黙読』を読むことにしよう。易々と「わかった」「理解できた」と安心できず、かといって「何となくおもしろかった」と逃げるにも後ろめたく悩むことになりそうで、とても楽しみである。
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