安倍晋三首相が眦を決して戦後レジームに立ち向かうさまは、正当に評価すべきだと思う。そこで私が強調したいのは三島由紀夫の言っていたことだ。石原慎太郎が自民党を貶したことに対して、武士としてあるまじき行為だとして、厳しく批判したのだった。三島と石原の対談『守るべきものの価値・我々は何を選択するか』で、「ぼくは人間が人間を信じられるなんて信じられないな」と語った石原を、三島は軽蔑したのである。そして、「君は、絶対単独行動以外はできないでしょう」と断言した。自民党に入ったのであれば、そこの人間になりきり、意見が一致しなければ、腹を切る覚悟で諌める。それが三島の考え方であった。一度その組織に加わったのであれば、血盟を交わすのが武士であるからだ。今の石原はかつての石原とは違うだろう。あえて取り上げたのは、安倍首相に離反する動きが、自民党内から出ることを恐れるからだ。内閣支持率が高いままであれば、弓を引く者もいないだろうが、情勢は刻々と変わりつつある。ここで危惧されるのは、リベラルとかハト派とか煽てられて、マスコミに利用される人間が出てくることだ。いよいよ参議院選挙が目前に迫ってきた。自民党が一致結束できるかどうかなのである。そのためには自分を捨てるべきだろう。三島が主張していたように。
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