長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督への国民栄誉賞表彰式が今日、東京ドームで行われた。私たちの世代にとって長嶋は、輝けるヒーローであった。存在それ自体が絵になったのである。バットを振り切らず、じっとこらえる姿が今でも目に浮かぶ。ホームランを何本打ったかではなく、ある種の色気があったのである。そして、ここ一番というときには、ホームランをかっ飛ばしたのである。昭和天皇と・皇后両陛下が初めてプロ野球をご覧になられた昭和34年6月25日の後楽園でのホームランは、今でも語り草になっている。昭和天皇がお喜びになられるように、会心のスイングをしたのである。それも突き刺さるようなライナーではなく、ゆっくりと 孤を描いた。政治的な発言もユニークであった。「社会主義になれば野球ができなくなる」と語って、物議をかもしだしたこともあった。しかし、社会主義国家は次々と崩壊し、残ったのは数えるほどで、中共や北朝鮮、キューバ位なものだから、違和感があっても不思議ではなかったのである。後楽園球場で守備についていた長嶋を、この目てみたのは数えるほどしかないが、それでも印象深かった。落ち着きなく動き回り、体をほぐしていたが、そのしぐさを見ているだけで、私は感動してしまった。三塁ゴロをさばくときの妙技も、プロならではのものであった。私たちの世代にはヒーローがいたのであり、長嶋を応援することで、国民の気持ちが一つになったのである。
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