ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

機械が入る前の田植えー「滝野つたえぐさ」より

2018年06月07日 05時28分33秒 | Weblog
 梅雨入りし、田植えの真っ最中ですが、『滝野つたえぐさ』(滝野町老連編、平成5年刊)に「50年前の田植え」と題した一文が寄せられています。今からだと75年前、すなわち大東亜戦争末期の頃の田植えのようすが書かれています。
 夜の明けない間に苗代で苗を取り、苗かご肩にかついで田圃まで運ぶ。田圃には田植縄を張り田植えの準備がされ、長い三角形の木で作った木枠をくれくれと返しながら植えていく。雨が降っても「背みの」という背中だけの蓑をつけて植えた。足には「ひるい」がくっついて、恐ろしくて涙をこぼしたものと当時の思い出を綴っておられました。
 ここに書いてある田植えのようすは、機械化される以前、私が小さい頃に経験したことと同じです。今でも当時の場面、場面を鮮明に憶えています。「ひるい」もいました。特に「かみなりひるい」は吸いついたら雷が鳴るまで離れないと言われて恐かったことを憶えています。苗代で苗を取り、ばしゃばしゃと水で根についた土をとって束にする、その作業のことも思い出します。
 今年も田植えが行われていますが、田圃の中で動いているのは苗箱を積んだ田植機です。人の手のように苗を植えていくようすを見ていると、ふと小さい頃のことが浮かんできます。
コメント (2)
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