泳ぐこと、それは人生を進んで行くチカラにもなる。重い障害があっても、水の中の不思議な浮力の力で、人の可能性を信じながら努力を続ける障がい者スイマーとコーチとの物語。
ある水泳のインストラクターさんが、体験会で入会を希望した一人の重度の障害者を水泳教室へ一度入会を許可した。しかし、スクール側から”なぜ障がいのある子を引き受けたんだ”と、断って来いと言われ、とてもいい顔をして笑顔で水の中で活動した、その男の子をインストラクターさんは放っておくわけにはいかなかった。
市内で別のスクールに問い合わせたが、すべて断られた。悩んだ末、一人で少年を教えることにしたのです。出来るだけ邪魔にならないようにプールの隅っこで指導していたそうです。すると話しを聞き付けて次々と障害のある人たちがやって来た。そのインストラクターさんは障害について殆ど知識はありませんでしたが、水の中で関わる内に、教えることにのめり込んで行ったと言います。
一つずつ、出来た出来たって、ずっと言って上げることが、その子の自信になって、そういう経験を積むと、自分はもっと出来るんだって変わって来る。最初に教えた少年は、今は37歳となり現在もそのインストラクターさんの教室に通っているそうです。