先月の7月9日から9日間、フランスのパリで行われたパラ陸上の世界選手権2023が開催され、来年のパリパラリンピックに繋がる大会でもあり、4位以内に入ると、その国や地域に出場枠が与えられます。まずは、パラ陸上の障害によってのクラス分けを皆さんご存知ですか?
パラ陸上競技は、障害の度合いによってクラスが分けられ、例えば、F57であれば、Fは競技の種類を現わし、5は障がいの種類を、7は障がいの程度(数字が少ないほど障害が重い)を、Tはトラック競技で跳躍競技やマラソンを示し、Fはフィールド競技で投てき競技を現わします。また、10-視覚、20-知的、30-脳性麻痺、40-低身長・切断・運動機能、50-車いす、60‐運動機能、義足など分けられています。(T64だったら、運動機能・義足を使う、もっとも軽いクラスです。)
私が一番注目していたのが、400mユニバーサルリレーで、第1走者が視覚障害の選手で、第2走者は腕の障害や義足など(立位)の選手で、第3走者は脳性麻痺などの選手が、第4走者は、車いすの選手たちの体にタッチしながら走ります。今回は日本チームが、この競技で初めて優勝し、金メダルを獲得されたのです。
第1走者は、澤田優蘭選手(T12)、第2走者は、辻沙絵選手(T47)、第3走者に松本武尊選手(T36)、第4走者は、生馬知季選手(T54)が決勝で走り、日本の素晴らしいタッチワークで勝利を勝ち取った。 皆さん、良く見て下さい、アンカーで車いすの生馬選手は、最後尾から猛ダッシュしてのゴールインだったのです。
★20230717 パリ2023世界パラ陸上選手権大会 ユニバーサルリレー決勝 1位でゴールしたカナダにタッチ違反があり、日本が自動的に1位となりました。
いろんな重い障害から軽い障害を持った選手たちが集まり、それぞれの個性や能力を如何に伸ばし、お互いに助け合いながら共通のゴールを目指すところが、400mユニバーサルリレーの障害者スポーツの分離(バリア)から統合(インテグレーション)、そしてインクルージョン(包摂)へと概念が導入され、まさにユニバーサルデザインなのです。