きょうは、ちょっとお堅い話なので退屈かもしれませんが、辛抱して読んでください。
ある新聞編集委員のパンとサーカスがはびこる「日本の自殺」という記事を読んでいると、今まさに、日本のおかれている状況と重なり、私なりにタイトルを付けるなら、パンとサーカスがはびこる日本の自滅ってとこですね。
ギリシャのユーロ危機を見ていたら30年前に発表された論文で昭和50年2月の文藝春秋に掲載された「日本の自殺」で、グループ1984年という政治、経済、社会学などの学識者集団によって書かれた文明崩壊の原因を分析した論文だったのです。
人類は長い歴史の中でいろんな文明が発生し、成長して、文明が消え去るのは外敵によって滅ぼされたのではなく、内部崩壊によってであると、ローマ帝国の没落に焦点を当てて分析と検証を加えている。
没落の理由を「パンとサーカスで滅びた」と表現する。広大な領土と奴隷によって豊かな暮らしができたローマ市民は、次第に働かなくなり、政治家のところへ行き、「パンをよこせ、食糧をよこせ」と要求する。大衆迎合的な政治家はパンを与えた。
働かなくなったローマ人の人たちは暇をもてあまし、円形競技場でサーカスを見るようになった。アテネでは市民がサーカスを見てやるのだから、「見物料をよこせ」と本末転倒な要求まであったという。
この論文の歴史的教訓として、1、国民が自らのエゴを自制することを忘れたこと。2、自らの力で解決するという自立の精神と気概を失うこと。3、エリート(政治家、学者、産業人、労働運動家など)が大衆迎合主義に走ること。4、年上の世代がいたずらに年下にこびへつらうこと。5、幸福を物や金だけではかること。を挙げた。
この30年前に発表された「日本の自殺」の論文を読み、日本の政治的、経済的、社会的、文化的没落の危機の大きさを痛感され、土光敏夫氏は、日本人が世界の中で冷や飯を食わされない為にも、国鉄民営化などの臨時行政改革の旗振り役に向かわせたとも言われています。
このままでは、日本もギリシャの二の舞だと思いませんか?。この国を動かしているのは、極端に言えば首相や大臣でも、政党でもなく、専門分野に精通したプライドの高い事務次官などの官僚たちなのかもしれませんよ。
政治主導とは程遠い、国会議員を操り増税を推し進める官僚たちこそ、まさにパンとサーカスなのでは...。