1967年に公開されたアメリカの青春映画、ダスティン・ホフマンとキャサリン・ロス主演の「卒業」から、サイモン&ガーファンクルが歌う主題歌、「サウンド・オブ・サイレンス」や「ミセスロビンソン」、「スカボローフェア」が全米で一躍脚光を浴びた。映像の中で、原作小説を書いたチャールズ・ウェッブがこのストーリーの真髄を語っている。
子供の頃は誰もが純粋さを持っている。だが本人の意思とは関係のない出逢いや経験を通じて、その純粋さは失われる。誰にとっても“ロビンソン夫人”がいて、そういう人と出逢って気づくことになる。人は見た目では分からない。そういった経験が誰にでもあると思う。
この映画で重要な役割を果たすロビンソン夫人(アン・バンクロフト)が絡むシーン。父親のビジネスパートナーの妻である彼女はすでに夫を愛しておらず、東部のエリート大学を卒業したばかりの将来有望の青年、ベンジャミンに愛の空虚の穴埋めをさせる。それまで純粋だったベンジャミンは、この情事を通じて汚れの経験と自己嫌悪を繰り返す。
皮肉なことに、ロビソン夫人と出逢って娘のエレインが本当に好きだとベンジャミンは気付く。そして、必死にエレインを探し追い求めるが…。その時にback に流れるのが「スカボロフェア」や「ミセスロビンソン」だったのです。
『卒業』における衝撃的なシーンが、結婚式場から花嫁を奪い返した後のバスの後部座席のベンジャミン(ダスティン・ホフマン)とエレイン(キャサリン・ロス)から笑顔が消え、不安な表情に囚われていくラストシーンが、今でもかなりのインパクトがある。花嫁を奪い返したのは良いが、これからの二人の将来を見据えた厳しい生活が待ちかねているのを印象付けている。
GREAT SCENE - The Graduate (finale)