昨日は車いす駅伝競走2連覇達成への監督さんのお話を聞かせて頂き、指導者としての立場から、いろんな考えを持つ選手達を育てることの難しさを講演の短い時間ではありましたが理解できたような気がします。
監督さんの目から見ると、こちらがこんなにやろうとしているのに、なぜ選手たちがもっと積極的にトライしないのか歯痒い思いを感じざるを得ないのです。そこでいつも私も悩むところですが、個々の生活環境、性格、障害の度合い(途中障害なのか)、運動能力など、いろんな要素を含んでいると思われます。
選手の中には、こちらが言わなくても自分自身でプランを立て、トレーニングを行う者もいれば、ハードな練習が嫌いだと言う選手もいて、楽しくやれればそれで良いと言う考えの選手もいます。
しかし、楽しむスポーツと競うスポーツは根本的に違い、高い目標に向かって自分の能力の限界に挑むには、それなりの厳しいトレーニングをしなければその目標は達成できないからです。今の現状は、選手が少ないため急きょ駆り出され試合に出る場合もあり、選手の個々の考えや能力にバラツキがあると思われ、その選手たちを育てるのは大変なことで監督さんのご苦労がよく分かります。
選手の目から見ると、練習する場所も無く、強化練習や遠征費用などの経済的支援も無く、生活して行くので大変なこんな世の中で、好きなスポーツをやり続けることはとても困難な状況を受け止めなければなりません。
きょうは、京都市障害者スポーツセンターで「全国車いす駅伝競走大会2連覇への道」と題して優勝監督をお招きしての講演会があり、選手の育成強化等の課題やこれまでの苦労話などをお聞きし、障害者スポーツの指導者として今後の活動の参考にされてはみては如何でしょうか。
(受付は午後1時半からで講演会は午後2時からです。※ 駐車場が限られており、障害のある方以外は公共交通機関を利用してご参加ください。)
冬季パラリンピックのクロスカントリーの新田選手やアルペンスキーの大日方選手などがあるTV番組で大会の報告会も兼ねて出演して、練習場所がないことや、強化練習などの経済的な自己負担を国がバックアップして欲しいと強く要望されていたのです。
司会者もオリンピックとバラリンピックの国からの支援が片方は約30億円でパラリンピックが2億6千万円、この違いは何なんだと強調されていました。それとオリンピックは文科省とパラリンピックは厚労省と管轄が違う今の日本の縦割り行政の弊害などもどうにかして欲しいものです。
今一番問題なのは、障害者選手に限らず一般の方も経済的な不安が最も大きな課題で、バブルがはじけ、低成長時代に入り、物が売れない日本経済の中で障害者の雇用は依然として厳しく、この国の経済をまず何とかしないと障害者スポーツへのバックアップどころではなくなって来る恐れもあるのです。
私が尊敬しているテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー選手のBest Point Videoをご紹介したいと思います。彼のフォアハンドの柔らかい手首の使い方からラケットのスイートスポットにボールがあたってからのスイング軌道やシングルバックハンドのトップスピンのかけ方などを何度も繰り返して見ています。
彼のテニスは実に身体に無駄な力が入っていないのが分かります。足のステップも滑らかで必ずレディースポジションへ戻っているのです。それとスピリットステップも基本どおり行っており、そこが彼の凄いところで、皆さんも注意しながらクラシック音楽と共に観て下さい。
経営の神様と各企業のトップが尊敬するピーター・ドラッカー氏は、今の若者たちに人気があり多くの彼の書物が読まれています。その背景を考えてみると現代社会は若い人達の就職難や政治不信と日本の将来ビジョンが全く見えない不安から、ピーター・ドラッカー氏の希望に満ちた提言が自分達の進む道を示して来れているようで、それが人気の要因ではないかと思われます。
その一つにマネージメントとは、いろんな能力を持った社員を如何に指導し、その個人々に合った能力を引き出してあげ、業務を効率的に運用するマネージメントの基本は「人は最大の資産である」とドラッカー氏は説くのです。
人の長所をまず見つけ出し、それを生かすことでお互いの弱点を補うのが組織で、人の短所ばかりに目が向くと意思疎通がうまく行かず、逆にその人の個性を殺してしまうことになるからです。ピーター・ドラッカー氏は、皆が幸せになるにはどうすれば良いかを問い掛け続け、95歳の生涯を終えたのです。
この想いが今の若者や人々に通じ、ピーター・ドラッカー人気に繋がったのではないでしょうか。ドラッカー氏は、いつの世の中も変化を待つのではなく、変革の担い手になることだと私達に助言するのです。このマネージメント力は、チームスポーツの世界でもとても大切なことで、いろんな個性の選手の能力を如何に伸ばしてあげるかに関わって来るのです。