養老孟子先生の著書である「唯脳論」とは、あらゆるヒトの営みは脳から由来する。脳の法則性の観点から現代社会を脳化社会との考察や「ものがわかるということ」の脳と心の関係意識の捉え方について解説した一冊です。
解剖学者・養老先生が考える心とは?
脳を器官として見て、心を機能として見ればいいじゃないかと言う。機能の一番大きな特徴というのは、必ずしも場所が特定できないということです。生物を現わす概念には、場所が確定できるものと、そうでないものがあって、場所が確定できないものが「機能=心」で、確定できるものを「構造=脳」と分けて読んでいる。哺乳類が進化する中で一つ分かったことは、急激な異変に対応するために脳が巨大化したと考えられ、これを脳化と言う。
脳化が進む中で人間はどうやって生きて行くべきか?養老先生は、「やっぱり僕は生物学が背景ですから、生物として生きていくという事を基準に置けばいいんじゃないかと思っている。」「本当に必要なものは何だっていう、どうやって我々が日常を自立的にコントロールできるか、自分以外のものに依存しないで、日本の場合はそれが人類全体じゃなくて、いわゆる安全保障問題として表面に出て来ています。」「台湾海峡の物流を閉鎖された時に、日本の経済はどうなるかって心配でしょ、そんな心配しなきゃいけないくらいに、他所に頼っているわけです。そろそろ修正しないと、日本のこと考えていると、そのまま世界の状況に繋がちゃう、今までの物差しを変えないといけない。バブル崩壊後の失われた30年は日本政府の失政であり、社会の変化にどう向き合うべきか?
AIの脳化ばかり気にしたり、政治資金パーティーや裏金問題に固守し、もっと重要な課題をシュミレーションして置くべきではないでしょうか。
◎【公式】養老孟子・斎藤幸平さんと語る②脳化社会と日本の近未来