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Rossetti, DG, "The Kiss", The House of Life (1870) 4

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
「くちづけ」
『命の宮』(1870) 4

病と死に首絞められ、だんだん感覚が奪われていく、そのときでも、
あるいは運命のいじわるで突然の死に襲われても、
今このからだが手にしている栄誉は手放さない。この魂を
今つつんでいる婚礼の衣装を脱いだりはしない。
ほら、今、愛しいあのひとのくちびるが
ぼくのくちびると戯れ、すてきなメロディを奏でてる。
あの最後の日、エウリュディケが冥界に引きずられていったあの日に、
オルペウスが奏でたかったメロディを。

あのひととふれあったとき、ぼくはこどもだった。胸と胸をあわせ
あのひとと抱きしめあって、ぼくはおとなの男になった。
すべてをあのひとの魂の前にさらけ出し、ぼくも魂になった。
そして神になった、ふたりの命の息が出会い、
命の血を煽り、競いあうかのように愛の熱が流れ出したとき。
炎のなかの炎のように、神の欲望のように。

*****
Dante Gabriel Rossetti
"The Kiss"
The House of Life (1870) 4

What smouldering senses in death's sick delay
Or seizure of malign vicissitude
Can rob this body of honour, or denude
This soul of wedding-raiment worn to-day?
For lo! even now my lady's lips did play
With these my lips such consonant interlude
As laurelled Orpheus longed for when he wooed
The half-drawn hungering face with that last lay.

I was a child beneath her touch,--a man
When breast to breast we clung, even I and she,--
A spirit when her spirit looked through me,--
A god when all our life-breath met to fan
Our life-blood, till love's emulous ardours ran,
Fire within fire, desire in deity.

http://www.rossettiarchive.org/docs/1-1870.1stedn.rad.html

*****
「神の欲望」などということを書くから
ある種の人々を敵にまわすことになる。

しかも頭韻つきで強調的に(desire in deity)。
さらに脚韻で自分たちと結びつけて(she-me-deity)。

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