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Pound (tr.), "Fan-Piece for Her Imperial Lord"

エズラ・パウンド (翻案)
「恋人の皇帝にささげる扇の歌」

ああ、白い絹の扇、
とがった草の葉に降りた霜のように透き通ってる。
おまえも捨てられたのね。

* * *
Ezra Pound (tr.)
Ban Jieyu, "Song of Regret"
("Fan-Piece for Her Imperial Lord")

O fan of white silk,
clear as frost on the grass-blade,
You also are laid aside.

* * *
英語テクストは次のURLのもの。
http://en.wikisource.org/wiki/Fan-Piece_for_Her_Imperial_Lord

* * *
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Cooke (tr.), Hesiod, Work and Days (1: 226-59)

トマス・クック (訳)
ヘシオドス、『仕事と日々』 (1: 226-59)

ああ、もっと早く生まれていればよかったのに、
この罪深い第五の世代がはじまる前に。
あるいは、生まれなければよかったのに、
この不幸な鉄の時代が過ぎ去ってしまうまで。
神々の定めにより、この今の時代においては、
すべての瞬間が飛ぶように去っていき、そして苦痛に満ちている。
罪深きわたしたちは、悲しみのなか労働すべく定められて生きている。
労働から解放してくれるのは死のみ。
もちろん、わたしたちの生を苛む心配ごとのなか、
神々は時おり喜びを与えてくれる。
しかし! なんと人間は堕落していることか!
身分が高い者でも悪徳にまみれている。
知らない人々のなかでは、みな常に警戒していなくてはならない。
いや、血がつながっていても、友人であっても、気を許すことなどできない。
いや、親であっても、こどもを
やさしい目で見たりはしない。
息子も父には従わず、
老年の知恵にも敬意を払わない。
むしろ、ああ! 神々をも恐れず、
老いゆく父をあざけって、その心労を増すのみ。
復讐と略奪がいいこととされ、
神の意に沿う、正しくよいことが足蹴にされている。
悪人がよい者を悲しませ、
正しい者が被害にあう。何の償いもなく。
心正しく、無防備にも人を信じる者はバカを見て、
嘘をつく悪党がその嘘ゆえに成功する。
姿の見えぬ妬みが
恵まれぬ者にとり憑き、そして人の不幸を喜ぶ。
正義もつつしみも、いずれ逃げ去っていく。
白い手足をもがれて天に昇っていく。
この広い大地を去って、天上の世界に行ってしまい、
そして、神々のあいだで生きるのだ。
下界では、哀れな人間が、苦しみのなか、もうなすすべもない。
悲しみに沈み、解放される望みなど、もうないのである。

* * *
Thomas Cooke (tr.)
Hesiod, Works and Days (1: 226-59)

Oh! would I had my Hours of Life began
Before this fifth, this sinful, Race of Man;
Or had I not been call'd to breathe the Day,
Till the rough Iron Age had pass'd away!
For now, the Times are such, the Gods ordain
That ev'ry Moment shall be wing'd with Pain;
Condemn'd to Sorrows, and to Toil, we live;
Rest to our Labour Death alone can give;
And yet amid the Cares our Lives anoy,
The Gods will grant some Intervals of Joy
But how degenerate is the human State!
Virtue no more distinguishes the Great;
No safe Reception shall the Stranger find;
Nor shall the Tys of Blood, or Friendship, bind;
Nor shall the Parent, when his Sons are nigh,
Look with the Fondness of a Parent's Eye;
Nor to the Sire the Son Obedience pay;
Nor look with Rev'rence on the Locks of Grey,
But, oh! regardless of the Pow'rs divine,
With bitter Taunts shall load his Life's Decline.
Revenge and Rapine shall Respect command,
The pious, just, and good, neglected stand
The wicked shall the better Man distress,
The righteous suffer, and without Redress;
Strict Honesty, and naked Truth, shall fail,
The perjur'd Villain, in his Arts prevail.
Hoarse Envy shall, unseen, exert her Voice,
Attend the wretched, and in Ill rejoyce.
Justice and Modesty at length do fly,
Rob'd their fair Limbs in white, and gain the Sky;
From the wide Earth they reach the bless'd Abodes,
And join the grand Assembly of the Gods;
While wretched Men, abandon'd to thier Grief,
Sink in their Sorrows, hopeless of Relief.

* * *
英語テクスト次のものを使用。一部修正。
Hesiod, Works and Days: Book 1 in The Works of
Hesiod, Translated from the Greek by Mr. Cooke
(London, 1728; Facsimile Reprint Edition,
New York, 1976; Online at Animal Rights
History, 2006).
http://www.animalrightshistory.org/
animal-rights-antiquity-bce/hesiod/
works-and-days-1.htm

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