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道端アート/素人(+ 職としての)アート + 自然 (14)

道端アート/素人(+ 職としての)アート + 自然 (14)



水平線(江ノ電の窓越し)



富士山2013



Sh.N., ハンガリー刺繍習作



若手陶芸家の作品(とのこと)

* * *
画像はわたしが撮影したもの。


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Cowley, "The Thief"

エイブラハム・カウリー(1618-1667)
「泥棒」

君は、ぼくの日々から仕事と楽しみを盗む。
ぼくの夜から眠りを盗む。
ねえ、かわいい泥棒さん、次は何をする?
え? ぼくから天国も盗む?
祈りのなかでも、君はぼくにつきまとう。
ありえない偶像崇拝みたいに、ぼくは、
神に祈りつつ、気がつけばいつも君に祈ってる。

愛することは罪? こんなふうに、
まるで罪の意識のように、ぼくたちを拷問にかけるなんて。
何をしていても、どこに行っても、
(罪もないのに、こんなにとり憑かれ、追われるなんてありえない)
いつも、いつも、君の顔が見える気がする。
いつも、君の姿が追いかけてくる。
まるでぼくが君を殺したみたいに。君がぼくを、ではなくて。

本に助けを求めようとしてみる。
でも、すべての文字が君の名前に見えてくる。
何が書かれていようと、そこに君の名が見える、
あちこちに、まるでピリオドやコンマのように。
こんな状態が幸せだなんて、いわれたくない。
昔々のミダース王のように、
すべてを金に変えてしまって、それで死にそうなんだから。

ああ、ぼくは何をしようとしてる? どうしてぼくは
君から逃げようとしてる? ムダなのに。
ぼくは、君をぼくの神にしたから、
君はあらゆる場所にいる。
ぼくの苦しみは地獄の苦しみ--
地獄にも神はいて、
でも、人を幸せにするかわりに、拷問にかけている。

* * *
Abraham Cowley
"The Thief"

1.
Thou rob'st my Days of bus'ness and delights,
Of sleep thou rob'st my Nights;
Ah, lovely Thief what wilt thou do?
What? rob me of Heaven too?
Thou even my prayers dost steal from me.
And I, with wild Idolatrie,
Begin, to God, and end them all, to Thee.

2.
Is it a Sin to Love, that it should thus,
Like an ill Conscience torture us?
What ere I do, where ere I go,
(None Guiltless ere was haunted so)
Still, still, methinks thy face I view,
And still thy shape does me pursue,
As if, not you Me, but I had murthered You.

3.
From books I strive some remedy to take,
But thy Name all the Letters make;
What ere 'tis writ, I find That there,
Like Points and Comma's every where;
Me blest for this let no man hold;
For I, as Midas did of old,
Perish by turning ev'ry thing to Gold.

4.
What do I seek, alas, or why do I
Attempt in vain from thee to fly?
For making thee my Deity,
I gave thee then Ubiquity.
My pains resemble Hell in this;
The Divine presence there too is,
But to torment Men, not to give them bliss.

* * *
訳注
(数字はスタンザ)

2
好きな女の子が頭から離れない状態を、亡霊に
とり憑かれた状態にたとえる。

3
ミダース王については、オウィディウス『変身物語』11巻を参照。
さわるものがなんでも金になるように、という願いをディオニュソス
(バッカス)にかなえてもらい、その結果、ものが食べられなくなって
困った。

4
遍在(あらゆる場所にいる)というのは、キリスト教における
神の属性のひとつ。人間は、ある時間にひとつの場所にしか
いることができない。(そもそも神にとって時間は存在しない。)

* * *
英語テクストは、Poems (1656) (Wing C6683) より。

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