晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

左右社編集部 『〆切本』

2017-08-15 09:52:05 | Weblog

このブログの更新が滞ってしまった。私事が重なったのと「脳みそにコレステロールが溜まっている」ためだと思うが、日記を書くことに義務も〆切もないのでだらだらと半月が経過。ふと気になるのはブックマークしている「愛犬日記」が長らく更新されていないこと。

 

『〆切本』(左右社編集部 左右社 2016年刊) 

社会心理学者の森津太子氏の『計画と先送りの心理学』と題する講演を拝聴した。そもそも計画が間違っている、やるべきことをやらずに先送りにする・・耳の痛い言葉、わかっちゃいるけど♬ できません。これらの心的構造を専門家として理論付けした説明があった。質問!「では、心は身体のどこにあるのですか?」

この講演で、紹介があったのが『〆切本』、早速近くの図書館で借りて読む。余談だが、会社から給与を得ていた頃ならすぐに講演の帰りに書店で買っていただろうが、無業者になった現在、節約生活が続く。(トホホ・・)

久々に読んで楽しい本に出合った。僕の読書は、イデオロギー過多の傾向がある。田山花袋から始まり文豪たちが、原稿の締め切りに追われる様が、それぞれの著作に残されているのだが、左右社という僕は初めて聞いた出版社が、ここぞという文章を切り取って編集した本である。

〆切が来ないと書けないタイプ、〆切を守ると編集者になめられると決めてかかっている作家、俺は几帳面だから絶対締め切り前に入稿すると胸を張る人。それぞれが、独特の切り口と文体でおのれの心情を吐露する。その作家に抱いていたイメージが180度変わってしまうこともあり、つらいよなと同情する場合、バカじゃないのかと笑いが止まらない場合、何せ面白い本になっている。

ただ、「今日中に30枚を仕上げなければならないのに、今は頭の中が真っ白」などと言う言葉を読むと、書きたくて書いていると言うよりも、義務として原稿用紙を埋めなければならない売文業の性が見えてしまう。そんな埋め草を読ませられる僕らもいい迷惑だと感じた。


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