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『テレビに映らない世界を知る方法』 その1

2013-05-28 20:37:01 | Weblog

 テレビはその内在する権力性ゆえ、報道する側、視聴する側にとっては痛快な場面を演出するが、報道される側に立たされた場合、暴力そのものである。これは、私の実感である。

 

 『テレビに映らない世界を知る方法』(太田昌国著 現代書館 2013年刊) その1                     

 同郷の好では無いが、釧路市出身の太田氏の論考にはいつも学ばされる。本書の時代批評からも今まで自分では気付く事の無かった多く事を教えられた。

 普天間基地に関して、鳩山元首相が「最低でも県外」移設を掲げて挫折したが、その原因は「政治力の不足」だけが報道されたが、「辺野古移設を既定路線とする米国側とこの国の外務、防衛両省上層部からの反撃」に見舞われたことにある。(2012.12 P10から要約して引用、以下同じ)

 *私のわずかな経験から言うと、何かを変えるときは、最初の一手が大事であり、そこで妥協すると掛け違えたボタンのようにズルズルと行ってしまう。変える現実的な力が無くても筋を通したことを大衆に明らかにする方が、次の機会に繋がる。これが、私たちが民主党から学んだ革命的敗北主義の意義ではないか。

 被害者である蓮池薫著『拉致と決断』が発刊されたが、拉致問題の本質は、近代国家・日本による近隣諸地域への侵略、戦争、植民地化の過程と、敗戦後の「戦後処理」のあり方に関わっており、それへの総合的な視野なくしては拉致問題などの個別課題を解決する目途も立たないことは自明のこと。(2012.11 P13)

 *先日の飯島内閣官房参与の訪朝に対して、米国が異常な関心を示したことから、この日朝問題に蓋をしているのは米国ではないかと私は疑っている。北朝鮮にはレアメタル資源があることから、日朝関係が改善すると米国がその利権から排除されるというような危惧を持っているからなのだろうか。

 尖閣問題をめぐる日中間の不幸な事態を招いたのは、現東京都知事が去る4月米国で行った「尖閣諸島を東京都が買い取る」とした発言にある。(2012.10 P15)

 *喧嘩を売ったのはどちらの方なの?。しかし、その後買い取った野田首相もアホだと思う。

 オウム真理教による松本サリン事件、地下鉄サリン事件問題の本質は、神奈川県警が坂本弁護士事件の真剣な捜査を怠ったことで、二つのサリン事件での膨大な犠牲者を生み出し、また、宗教的な救済を求めていただけの悩める若い信者たちを許しがたい犯罪に走らせる結果に繋がったことである。

 2012.5.26~27「NHKスペシャル 未解決事件」が明らかにしたことだが、国軍でもない一民間宗教団体がいかにして技術的にサリン製造に至ったのか。米軍の一高官がそれを究明するために、サリン開発に関わった複数の確定死刑囚との面会を東京拘置所で重ねているとのことである。(2012.6 P26)

 *一体全体、この国の権力に正義はあるのか!日共幹部宅盗聴事件で県警を追求していた坂本弁護士の事件は真剣に捜査せず、米国からの要求には簡単に死刑囚の面会制限を緩めるいい加減さに呆れる。SF的に想像すると、皇軍731部隊、ロシア(旧ソ連)とオウムの関係を洗っているのであろうか。

 

 

 

 

 

 

 

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