晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『世界共和国へ』

2008-05-31 16:12:19 | Weblog
 『世界共和国へー資本=ネーション=国家を超えて』(柄谷行人著 岩波新書 2006年刊)をようやく読破?
 読破とは、読み終えて少なくても内容が理解できたことだろうが、2年前と同様、やはり良くわからない。私たちにもうひとつの世界を提示しているのだろうが、こうわかりにくくては、誰もそこまでたどり着けないのでは。



 石原信一作詞 吉田拓郎作曲 「遙かなる」の詞が浮かぶ。おそらく、柄谷氏の心情はこういうことなのだろう。

ここじゃない もっとどこかへ 行ってみたくて
ここじゃない もっと遠くへ 行ってみたくて
ここじゃない もっとどこかを 私は探した
ここじゃない もっと遠くを 私は探した

Another World まだたどり着けない
Another World まだたどり着けない
Another World  Another World



 氏は、これまでの社会主義は、国家社会主義で「統制的」性格が強いので、「自由度」を強めた「リバタリアン社会主義」(アソシエーショニズム)を提唱する。

 それは、マルクスのように「生産」から考えるのではなく「交換」や「消費」から考えるところに、労働者階級の復権のチャンスがあるとする。「市場経済」ではなく、ある種の「共同体」の回復が必要である。などと問いていくのであるが、霧のかなたに行き先がぼんやりとも見えない。

 最後は、人類の直面している緊急課題としては、戦争、環境破壊、経済的格差がある。われわれに可能なのは、各国で軍事的主権を徐々に国際連合に譲渡するように働きかけ、それによって国際連合を強化・再編成すること。これが、アソシエーションの実現ということになる。

 柄谷氏は、前人未到の領域を示している大思想家なのか、ほら吹きペテン師なのか。



 旅は2日目に入り、信州大学を訪れる。早朝のキャンパスは学生も少なく静か。どこでも大体寄ってみる学食はまだ営業していない。こじんまりした敷地に緑が多く、張り紙、立て看も少なかった。



 

 


コメント
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