晴走雨読

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『疑似科学入門』

2008-05-02 19:58:13 | Weblog
 大丸札幌デパート地下1階「くし・くし」イートイン



 『疑似科学入門』(池内了著 岩波新書 2008年刊)

 岩波新書が創刊70周年ということで、4月の新刊が10冊同時刊行、その中から4冊をチョイス、最も題名が地味な『疑似科学入門』から読んだ。

 著者は、世の中に流通している怪しげな科学的装いの言説を批判しているが、それがしっかりと現状の社会批判になっている点を評価したい。

 批判の対象その1:占い系(おみくじ、血液型、占星術、幸運グッズなど)、超能力・超科学系(予知夢、スピリチュアル、テレパシー、透視、霊、オーラ、サイキックなど)、「疑似」宗教などを商売の種にしている。

 批判の対象その2:永久機関、ゲーム脳、水の記憶、マイナスイオン、健康食品、アドレナリン、クラスター水、活性酸素、フリーエネルギー、波動など物質世界のビジネスと結びついている。

 批判の対象その3:「複雑系」であるため科学的に証明しにくい問題、電磁波、狂牛病、遺伝子組み換え作物、地震予知、環境ホルモンなど

 筆者は、上記の問題をその疑似性の根拠、それが流通することの害悪などを丁寧に説明しているが、例えば、流布している学者やタレントの固有名詞を示すなどすれば、もう少し挑戦的で論争の口火を切るような書になったのではないか。

 ジャンルは違うが、1998年に橘木俊詔著「日本の経済格差」を読んだ時に、これは前人未到の分野の本と感じ、その後、程なく「格差」社会批判ブームが訪れたが、その時の感覚に近いものを感じた。

 おそらく今後、類書が出版されるなど「エセ」科学批判ブームが始まるのではないか。江原某、細木某などを徹底批判するときが来た。



 ほとんどのスタンドで昨日からガソリンが再値上げされた。「蔵出し税」だったはずだから、在庫があるうちは価格を維持できるはずだ。従がって、今、石油元売は、暴利を得ているということだ。

 4月の初めに、在庫分を値下げして損をした穴埋めをしているのか。それとこれは別問題。マスコミは、事実を正確に報道してほしい。業界の暴走に加担しているのではないか。



  

 

コメント
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