山ヤのゲンゴロウ

山登りと自転車、ログハウスなど趣味にいつて

山スキービンディング取付け!

2020年02月17日 | 山の道具たち
今日は山スキービンディング取付けの仕事です。

 「源工房」の作業台の様子。この工房もDIYで作りました!大工も建具もなんでもDIY!

本職の仕事はもちろん、休みの日は山に行ったり、ジムで筋トレしたり、ランニングしたりと毎日何かと色々有って、中々山スキーのビンディング取付けが出来なかったけど、今日は本腰入れてやりました。職人気質のこだわりの取り付け作業開始です!!
今回は毎回お馴染みのDYNAFITのビンディング取付けです。
 
 トップシートにテープを貼り中心線を描きビン取り付け位置を描きます   正確にやります。ショップなど専用の治具でビス孔を開けるよりも、全て手仕事で正確にやる!

ここで大事なのは、トップシートに書く中心線(縦軸方向)正確を期すために専用の治具を用い何度も計測し引きます。そして縦軸の中心線に直交する板のセンターを描き、その交点を基準にブーツセンターからの距離を測りトゥーピースとヒールピースのビス穴の中心線を毛書きます。ここも何度も確認し2枚の板が真一緒な位置に来ていることを確認し穴あけ作業に移ります。
穴開けは、先ずセンターポンチで中心を打ち込みます。そして垂直にそして深さを留意する必要があるためボール盤、そしてキリはステッドラー社製(製図でおなじみ)で正確にビス孔の穴開けをやります。
 
 ボール盤で正確に!微妙な調整は職人の技です。    冷間圧造中。

ボール盤で開けた後は60°の面取り用キリでバリ取り面取りしてからビスを規定の深さに打ち込みます(もちろん手締め)。ここで冷間圧造(母材にネジを切ります)しますが、軽量性しか考えられていない板はメタル等の補強はされていませんが、今回の板は前後に入ってました。
カーボンは縦軸状に入ってました。横や捻じれ方向の剛性が気になります。
冷間圧造を終わった後は、鑿や面取りキリを用いトップシートを平滑に削ります。ここがとても大事!どんな板でもビスを打つと、表面が盛り上がるので、板とビンディングが面一(つらいち)でピッタリ付けられるように表面の調整が必要と成ります。こうすることにより、剛性が上がるのはもちろん、取付け強度も増します。ここがきちんとされていない板はビンディングとの間に「隙間ゲージ代わりに」薄い紙が入るくらいの隙間が生じます。
 
 トゥーピースの取付けが一番の核心です。    接着剤は2液混合性のエポキシです。

ここでビン取付けの際に最も重要なのはトゥーピースの取付けです。真っすぐに取り付けられないと、ビンディングにブーツを装着した際、踵の中心がセンターに来ないからです。ビンディング取付けの際のちょっとのブレが、踵が大きく振られてしまうのです。そうならないように、ブーツの踵に中心の印を付け、板の縦軸方向の中心線に来るように各ビスの締め付け順番を変えたり、トルクを変えたりして締めます。(もちろん勘を頼りに熟練の手締め)(正確に開けたとしても、専門的な話になるので、ここでは割愛するけど、ネジの特性上絶対に真っすぐ入らないので)そして、穴に打つ接着剤は2液混合性のエポキシです。YouTubeで取付けの動画が公開されていますが見ていてとてもアバウトな取付けで、神経質なボクとしては、大事な板をこんな風に取り付けるなんてと見ていてイライラします。しかも、接着剤は木工用ボンドを使うなど、ボクとしては許せなくなります。何故、エポキシを使うのかと言うと、普通の接着剤は硬化速度が速いのと、ヤッパシ含まれる揮発性の溶剤のせいで硬化するときに接着剤が痩せる。いわゆる体積が小さくなることにより、隙間が生じ強度が下がるのはもちろん、板の主材料である木(ウッド)の中に水が浸入し腐敗やネジの錆などが生じ強度が下がることはもちろん、ゲレンデとは違いバックカントリーという特殊な環境で命を託す道具に故障やトラブルが有ってはならないからです。しかも接着剤としての高度も強いので…だからエポキシを使っています。
 
 ポジドライブ規格のネジです。普通のプラスネジとは違います      山スキー!

最近のDYNAFITはトルクスネジT20ですが、今回のは旧式ということもありポジドライブPZ3です。ヤッパシボクとしてはポジドライブが安心!ぜんぜんトルクのかけ方が違い、うまく締め付けられるからです。(締めすぎて壊してしまう恐れも有るけど)過去に、ボクが取り付けたトルクスネジのDYNAFITのビン(エポキシ)のネジを緩めようとしたときに、エポキシの強度もさながらT20ではドライバーのヘッドの強度が弱くヘッドが破損したことが何度かあった。翻って、ポジドライブはビス自体の強度があるので、同様にヘッドも強いので絶対外れました。

ヒールピースも前項同様正確に取付け、トップシートのテープを剥がし完了です。自分では使わない仲間の板だけど、何だか愛着がわいてくると同時に羨ましくも感じます。

 仕上がりました!我ながら、今日もイイ仕事したよ!これで3000円って安い!とよく言われますが、趣味でやっているのでイイです。もちろん、今までボクの取付けたビンディングによるトラブルは有りません。ですが、これはあくまでも趣味でやっているので、もし山で外れた!とかいう苦情とか賠償!?とかは受け付けませんので、その辺を理解してもらって取付けていますのでよろしくお願いします。
ビンディング取付け!自分でやってみたいと思う方は、是非やってみては如何!?面白いです。取付けテクニックをお教えします。

このようなDIYビン取付け・・・
山屋さんは一部を除いて貧乏な人が多く(勝手な私見)スキーやビンディングをそれぞれ安い店で買ったり、中古を買ったりするので、新規購入でないためショップで付けられないという事態が有ります。(そうで無い場合は高額な値段を請求されます)また、マニアックな山屋さんになると、ブーツセンターの位置を少しセットバックしてとか細かい注文をしてくる時もあります。
だから、皆・・・ボクの家の地下工房「源工房」を最後の砦!?として持ってきてくれます。
しかも取り付け費用は採算度外視の趣味金額3000円/板2本でやってます。もしくは現品(食べ物とか3000円相当)
そんな事も有り、10年ぐらい前からDIY取付けを始め、技術レベルも向上し、各パーツの特徴や、メーカーの技術に対する理念も何となく理解できるようになりました。大学でその辺に関係するところ専攻してたんで。

ただ、今回のこのトゥーピースは昔ながらのビス5本締めなので、強度が出るので中々好感が持てますが、プラスチックパーツが多いのが少し不安でもあります。
今回も寸分の狂い無く最高の仕上がり(自分よがりですが)で取付けが完了しました。

仕事を依頼してくれた山岳会のS田くん。これでガシガシ頑張ってね!
取り付け費用は現物でお願いします!(MYPROTEINのBCAAを3000円分でよろしくお願いします)
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (S田)
2020-02-19 18:46:54
ビンディング取付ありがとうございました!次回はブーツも一緒に渡した方がよさそうですかね。
ビンディングは結構重量あるかと思いますが持った感じは軽いですか?今年は雪が少ないので出番があるか分かりませんが1度は履いて滑ってみたいです。
BCAAまた注文しておくので届き次第引換交換でお願いします!
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ブーツ持ってきて! (ゲンゴロウ)
2020-02-19 19:00:26
S田くんこんばんは!
今度、取りに来るときにブーツ持ってきてね!ヒールピースを調整します。(規定のクリアランスに)
今年の春スキーはコレが出番になるでしょう!
白山あたりかな!?
BCAAよろしくね!!
返信する
Unknown (オイ!0号)
2021-01-09 12:32:13
初めまして、ショップの取付が酷くて‥ココにたどり着きました
取り敢えず以下をご覧下さい。
https://m.facebook.com/#!/story.php?story_fbid=100575765299746&id=100060419670461
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