馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

牛の立位での帝王切開

2020-08-26 | 牛、ウシ、丑

今週はセリ。

販売は好調のようだ。

コロナ禍でも馬券の売り上げが伸びるとか、1歳馬もよく売れるなんて誰も想像できなかった。

             -

セリ期間診療は暇。

が・・・朝、休養馬が疝痛で、枠場で暴れて怪我もして・・・ということで来院。

全身麻酔して外傷縫合した。

             ー

続いて黒毛和牛の帝王切開の依頼。

分娩予定が10日以上遅れたので分娩誘発して分娩が始まったが過大仔で出ない、とのこと。

もう分娩予定日から13日過ぎている。

もう10産以上している繁殖牛で、立っていられるか心配したが大丈夫だった。

いつも分娩すると人を寄せ付けなくなる母牛なのだそうだ。

気丈さが支えたのかもしれない。

念のために右後肢にロープをかけて、左肩の方へ出している。

どうしても母牛が寝てしまいそうなとき、ロープを引っ張ると左を上にして寝かすことができる。

左が上なら手術を続けることができる。

          ///////////

ツバメはどうやら巣立ったようだ。

そして、楽譜になった♬

 

 

 



10 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2020-08-26 19:31:11
 そうですか、競走馬、よく売れていますか。肉用じゃないですよね。
 おーきい!難産なだけで障害はないのですか?初めて横から出すのを見たとき、え?と思いました。立位だと、にゅるっどすっと落ちるように娩出されるのですか?先生方もすぎうけど、おかぁさん牛、すごいなぁ。
 
 ツバメたち、巣立ってよかったですね(^^♪ 
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>はとぽっけさん (hig)
2020-08-27 04:20:49
庭先で買いに来れなかった、というのもあるかもしれません。
他のことに使えなかったお金が競走馬に回って来ているのかも。
景気衰退のあおりを一番受けやすい産業なんですけどね。

子牛はとても大きくて、立ち上がりそうでした。

ツバメはどうもいつ生んで、いつ孵って、どれくらい子育てして、よくわかりませんでした。
だいぶヨソより遅れたみたいです。
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長期在胎 (COWCOW)
2020-08-27 21:51:13
先生お久しぶりです。
こちらも先日、長期在胎ありました。
なんと298日になってしまったので誘起して産ませましたが、無事安産でした。
和牛は種によってサイズが異なるので誘起のタイミングが難しいように感じます。
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>Cowcowさん (hig)
2020-08-28 04:59:25
一概に在胎日数では判断できないのかもしれませんね。
こちらの母牛は歳のせいもあったのかすごいおなかをしていて、枠場の幅いっぱいで、手術の邪魔になるくらいでした。
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Unknown (zebra)
2020-08-28 07:26:08
そんなに大きい母に見えないですが枠いっぱいですか。
仔牛は大きいですね。
母体年齢考えても胎仔確保が優先されるのでしょう。
過大の帝王切開は意外と繁殖継続できるみたいですけどね。

初産は特に小さくて予定日押さない種つけたいですね。
かつ予定日にE2打ったりします。
前者は胎仔、後者は母体のマネージメントなのですが、そこまでしないと普通のお産経験させられないくらい未熟で過大に傾いてますね。

和牛は飼養形態や体格もありましょうが元来使役なので足腰丈夫です。
それでも帝王切開は術創も大きいので立位の難しさは有りますね。

投票券はオンラインでぎりぎりに大量の買いをいれてオッズ変えることで利益を上げるやり方があるみたいですね。
投機対象として今までと違う側面がでてきているみたいです。
株なんかも個人が相当買ってあげてきていると聞きました。
余暇で使わなくなったお金が投資に回ってるんじゃないですかね。
そんなお金が巡り巡ってセリにも流入しているのでしょう。
問題はこのあとなんですよね。
やるんですかね。五輪。
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Unknown (脱サラの牛飼い)
2020-08-28 17:49:20
我が家では8月上旬に在胎296日目の分娩で、産道内で死亡の超難産の分娩がありました。焼却場の10kg単位の秤で60kgでした。
6産目で、今まで記憶に残るような難産のなかった牛です。
今までは私の腕秤で40kg程度までの子の出産でした。大きい子が出ると言われる雄も付けていました(改めて見るとその時はメスの子)。
授精した雄は、その父が初産からOKと言われるタイプ、母の父が大きいタイプで初産注意ぐらいの牛でした。
我が家では1週間以上遅延したらPG注をしてもらう段取りをします。今回は、予定超過9日目にPG注をしてもらいました。
大きな脚、産道に乗り切っていない頭を確認し超早朝でしたが獣医さんを呼んで2人+4倍滑車で助産、頭を産道に載せてから実質30分近く引っ張っていたのだろうと思います。介助前は元気であることを確認していたので、産道内で死亡ということです。

和牛はだいぶ前から分娩遅延が常態化し教科書の285日ではなく、290日前後が平均在胎日数になっているとおもいます。
そのため、私を含めた畜主は1週間遅れてもまだ通常分娩と思って行動している(共済の扱いも胎児の大型化についていっていない?)。
でも、牛の体は大きくなっても、胎児の大型化についていけていないのだろうと思います。

生まれた子牛は大きすぎるとボーとしていたり、太い臍帯大丈夫、と心配が多いです。個人的には35ー40kgが元気で、体力もありそうで安心します。
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>zebraさん (hig)
2020-08-29 05:45:00
馬でも年々産駒が大きくなって、最後に大難産をやる繁殖雌馬がいます。この母牛も体高は高くないのに横幅はすごかったです。

富裕層も、海外にも行けず、買い物にも行けず、超低金利で、馬でも買うか、なのかもしれません。さてアベノミクス・クロダノミクスが終わるならどうなるか・・・・

オリンピックはワクチン供給次第でしょうか。
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>脱サラの牛飼いさん (hig)
2020-08-29 05:48:08
290日くらいが平均在胎ですか・・・分娩遅延が日常、ということになってしまいますね。

事故がない血統、育種、というのも重要な視点だと思います。
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Unknown (zebra)
2020-08-30 07:44:00
和牛と言われる固有種と違いサラブレッドにはworldwideがありますよね。
そのトレンドに難産が上がってこなければhidaka固有の問題なのではないでしょうか。
ホルスタインは世界的にも難産の育種価が今世紀に確立されて国内でも事故減っていると思います。
和牛はETででかい親借りれますから出せない仔牛に拍車かけるでしょう。
黒和はドナーだけになるかも知れません。

世界には影武者立てる元首もいるしそれくらいしがみついていたはずなんですけどね。

今蔓延している型はどこかで3ヶ月submarineしてたらしいですよ。
言わないですが集団免疫を獲得している段階だと思います。
この時期だったのはラッキーでしょう。
ワクチンは動機付けになるでしょうけれども予防効果はないでしょうね。
混合感染自衛して生き延びるしかないです。
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>zebraさん (hig)
2020-08-30 16:23:50
サラブレッドは競馬成績だけが種馬選択要素ですね。和牛も子牛が大きくならない精液を選んではいるのでしょうけど。

さて、COVID19がどうなるか、誰にも予測つきません。病原性が強くならないように願っていますし、そうなる確率は低いでしょう。宿主を殺す株は広がりにくいですから。
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