皮膚の構造を電子顕微鏡像で解説した記述が成書にあるので、訳しておこうと思う。
皮膚の加齢性変化を気にしているわけでもなく、
皮膚病の症例を抱えているわけでもないが、
術野消毒をする上で、皮膚の微細構造を頭に置いておいたほうが良いと思うからだ。
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剥がれた落屑と、へこみとふくらみが繰り返され表面は波立っている。
角質層は体からの水分の喪失を減らし、有害物質が貫入してくるのを防ぐバリヤーとして働いている。
有棘層(ステッドマン医学英和から;表皮の多角形細胞の層。固定の段階で細胞がちぢみ、また、細胞同士がデスモゾームにより結合するので、とげのある、または、とげだらけの外観をもつ)あるいはMalpighii層は表層へと分化・移行する細胞で構成されている。
それは、ケラチンを合成する細胞(ケラチノサイト)と、メラニン色素を合成する他の細胞(メラノサイト)である。
真皮(D)は表皮と皮下織の間にあり、線維、細胞、基質から成っている。
真皮は、その様々な構成成分の固有の働きにより、体を外的損傷から守っている。
a)線維(コラーゲン、レチクリン、エラスチン)、b)細胞(線維芽細胞、肥満細胞)、そしてc)基質(ムコ多糖類、水、無機物、蛋白)である。
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Atlas of Skin Diseases of the Horse
もう古い本だ。
馬の皮膚病学の新しい本も出ている(右下)。
蔵書しておこう。
皮膚病の本は見ているだけで痒くなるのであまり読みたくないのだけれど・・・・
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午前も午後も手術予定が入っているという状態ではなくなった。
今日は、午前3歳馬の去勢。
午後は競走馬の喉の内視鏡検査と、のど鳴りの手術。と思っていたら、
2歳馬の中足骨内顆骨折の連絡。
仕方がない。今日やりましょう。
発症した日に、寝起きしないうちにスクリュー固定できればそれにこしたことはない。
骨折線は完全に見えなくなった。
麻酔覚醒用のプールもないし、ポータブルCTもないし、高いLCPを使うのは躊躇するけれど、beautifulな処置ができているはずだ。
ポストイットで画像を隠してから読んでいましたので、本が分厚くなったりも。
皮膚症状のなかには他科に関連する疾患が多く存在することを知ってからは、興味深くお勉強することができ、ポストイットをチラリとはぐって見たり。
あの白い汗のことや、おんまさんは全身ほとんど家に被われていることなどから類推して、「術野の消毒」も大変と、以前書いてあったのを思い出たりしています。
馬の骨折の手術は人より精緻さがいるところがあるようにブログを拝見して感じましたがいかがでしょう…?
(見たことがないので一度見てみたいです)
学生時代は寄生虫と皮膚科の本は絶対家に持ち帰りませんでした。
今もですが。
どうしても読みたいときは白黒コピーして痒さ半減して持ち帰ります。
実は眼科も同じ手法です
術野の消毒をしていて、いつも皮膚の電顕写真がイメージにあります。どこで見たのか失念していましたが、この本でした。心なしか、見るのを避けている本です。怖いというか、痒いです。
人の整形外科の写真を見ると、「えっ?これで良いの?」と思うことはありますね。手術後、ベッドで寝ていてくれるならあんまり頑丈に固定しない方が良いのでしょう。
逆に、馬の内固定の写真を人の整形外科医に見せると、「なんてことするんだ」と言われると、Dr.Richardsonもおっしゃっていました。しかし、馬の骨折を治せるのは馬外科医なんですよね。
白黒コピーですか。そうか、コピーをとってから読めば良いんですね;笑。