M先生が那須の研修から帰ってきた。
声は枯れ、お疲れのようだ。
2日間30人以上を相手に声を張ってしゃべれば声も枯れるしヘトヘトにもなる。
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週明け月曜日は午前中1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
午後も飛節関節鏡の予定が入っていたが、その前の体調不良の繁殖雌馬が開腹手術になった。
10日前に疝痛、その後元気食欲不振、血液検査でSAAが著増しているが発熱はない。
3/18分娩予定(女性を診たら妊娠を疑え、はお医者さんの鉄則。繁殖雌馬では分娩予定と妊娠をチェックしろ、は馬産地の獣医師の鉄則)。
軽度の疝痛?があり、ほとんど食べない。
超音波検査すると腹水があり、超音波画像の質感でどうやら血液らしい。
全身状態は良くない。
すでに痩せ始めていて、口粘膜は不潔感、CRT延長、脱水PCV50%、乳酸値1.3mmol/l。
腹腔穿刺したら腹水白血球16万/μl。PCV11%。
RBC,PMN多数。マクロファージ。
freeの細菌はないが、凝集や貪食像はあるかもしれない。
(獣医科学生さんたちPMNって何か知ってるかい?)
こういうのは開腹すると思っていたよりひどいことになっている。
汚い腹水を吸引とサイフォン式で廃液する。
腹膜炎の原因を探るが、腸にも脾臓や肝臓にも子宮にも原因と断定できるものは見つからなかった。
大きな凝血塊やフィブリンがないのが特徴かもしれない。
大網は厚くて汚く、破れていた。
生理食塩液(生理食塩”水”じゃなくて”液”と呼ぶようにしましょう、ということらしい)を5リットルずつ入れて、廃液し、腹腔を洗浄した。
What's is Your diagnosis ?
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さて私も那須へ行く。
のど飴もって;笑
宵空に三日月と金星?
どう診断なさったか、続きはお帰りになってからですね。
回復に向かって、hig先生にも良い報告がありますように。
お月様が金星に「じゃ、また明日ね
ご挨拶もせず那須をあとにして大変申し訳ありませんでした。
物珍しさで参加されていたのが、自分の手で行っていくために参加する先生が増えたとこの数年感じております。
これも、名誉会長の奇抜な発想を見事形に変えたhig先生の作品だと思っております。
お疲れ様でした。
ありがとうございました。
研修はおっしゃるとおりで、「やる」獣医さんが増えましたね。そういう点ではレベルアップしているのでしょうし、内容も多様化しているのでしょう。
菌血症からの血栓症で大網の部分的な壊死や出血が起きたのではないかと想像してしまいます。
この腹膜炎の馬は、結局状態改善することなく安楽殺しました。剖検では、肝臓に散在性に膿瘍があり、それらはそれぞれに膿が溜まった状態で、1cmほどでしたが、数cmの腔を持つものもあったようです。
肝膿瘍からの肝破裂が腹膜炎と腹腔内出血の原因でした。肝膿瘍の原因はわかりません。好気培養ではStrept.が分離されたが、嫌気培養もすべきだったかもしれません。
脾臓や大網との癒着があったようで、それは手術で触れていたのですが、通常の開腹手術創からは観ることはできませんでした。
腹水に胆汁色があれば気づいたのかもしれませんが、シストの破裂であればそういうことが起きないのかもしれませんね。
そして小動物の様にCTに突っ込めるのであれば術前にスクリーニングできるのかもしれませんね。
出血は当然として細菌の徹底的な同定は予後判定に使えるのでしょうか。
開けるか否か、の飼養者への情報開示の一つになろうかと考えますが。
胆管炎から来たのかと思いますが、今となっては確かめようがありません。
胆汁がうっ滞するならもっと腹膜炎症状以外に目が行ったのではないでしょうか。
超音波で何とか、というのもレアケースのために巨体を対象にすべてを精査するというのも容易ではないですよね。
牛の業界は直検をOPUスタイルにしてプローブをセクターにしたら良いんでないかなと思います。
腹腔も胸腔もこれで診てやろうという。。
体腔を体表から観るならコンベックスプローブは使いたいです。セクターは画質が落ちますので、牛の狭い肋間で使いたいときだけかな。
臍静脈膿瘍が肝臓に至っている場合などは、術中プローブとしてリニアを使って、肝膿瘍を把握したいところです。