2歳馬が疝痛で夜に来院した。
ひどい疝痛ではない。
PCV40%、乳酸値も0.8mmol/μl。
超音波では右下腹部に膨満した小腸が見える。
疝痛が始まって、もう9時間。
さてどうするか・・・・・・
胃カテーテルを入れてみる。
胃拡張はなく、逆流もない。
超音波でも十二指腸の拡張や胃拡張がないことは確認した。
小腸閉塞ではあるが、まだ辛抱できる。
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痛みがひどくなるようなら連絡するように指示して入院厩舎で様子を観てもらう。
明け方診にいくと、身をよじるような疝痛を示している。
血液検査でPCV55%。
心拍も66/minと増加した。
もう待たない方が良い。
温存で小腸閉塞が解消されるというわずかな期待はかなわなかった。
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胃カテーテルを入れると胃液の逆流があり10?回収できた。
その割りに腹部の膨満がない。
小腸全域が膨満しているならもっと膨満してもいいはずだ。
空腸上部での閉塞なのか?
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開腹手術してみると空腸の下位1/3で、乾燥した食塊で小腸閉塞が起きていた。
それより吻側は膨満し、膠様浸潤もある。
こんなものくらいで閉塞するかね?
という状態だった。
内容をもみほぐして、盲腸へ推送する。
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しかし、開腹手術しないでも小腸閉塞が解消される可能性があったのではないかという思いが残ったかもしれない。
待てるところまで待って、
やらざるを得ないから、手遅れになる前に開腹手術を選択した。
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しかし、どうしてこれくらいのことで2歳馬が小腸閉塞を起こしたのかわからないし、
今後、癒着などの問題が起こらないかどうか注意深く経過を観る必要がある。
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手前左が使用して汚れた器具とガーゼ。
他は汚さないようにした。
これがプロの仕事ってもんさ;笑。
私が魚をおろすより、ずっときれいに終了してます。感動しました。
・・・意味が違うかもしれませんが、なんだか最近、即戦力が求められすぎて、若人がんばっているなと思うときもあるいっぽう、マニュアルすぎて底が浅く感じるときもありマス。。学生生活も就活とかであわただしそうですしT_Tもうちょっとゆっくり自分でも考える時間が…と思う私は、ぼけぼけしすぎと言われればまさにそのとおーりーですが・・・^^;ーー;hig先生のブログタイトルが”修行”とされているのを、ちょっと自分につごうよく解釈したりして。(スミマセン!?)
実はお腹を切っただけでは死ぬほど出血したりはしません。もちろん真ん中をうまく切ればですけど。ですから侍も切腹しただけではすぐには死ねなかったはずです。
たいへんな開腹手術になることもあるんですけどね。そうなると器具も洗うのがたいへんです;笑。
おっしゃるとおりだと思います。小手先のテクニックではなく、たいせつなのは考え方と元になる知識で、そこから技術につなげていかないとたちまち時代遅れになります。そして続けて行くことで経験になっていきます。
マニュアルを読めばできることは修行とは呼びませんよね。