去勢などの短時間麻酔だけでなく、
最近は吸入麻酔の倒馬にも使っている。
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もともとはケタミンが麻薬扱いになり、使いづらくなって代替の倒馬薬として使われだした。
しかし、われわれは麻酔管理者・麻酔施用者の認定を受けているので、プロポフォールを使わなければならない理由はない。
しかし、ケタミンやその他の倒馬薬を使ったときより覚醒・起立状態が良いことはプロポフォールの利点で、それを期待するところ大だ。
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プロポフォールの問題は、倒れてからのパドリング(遊泳運動)があることで、
それはしっかり鎮静しておくことなどで、起きる率も激しさもコントロールできるようだ。
ただ、倒れる前に飛び出すように暴れた馬が十数頭に1頭くらい?今までに2頭、私は目の前で観た。
倒馬用のスウィングドアを使い、前にロープを張っているので大丈夫だったが、油断していたり、状況が違えば危ないかもしれない。
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血管に白く濁った薬をうつのも観ていて気持ちよいものではない。
マイケル・ジャクソンが事故死することになった薬だとか、
某医大で小児ICUで医療事故が起きている薬だとか聞くと不安になるかもしれない。
しかし、馬の全身麻酔では覚醒・起立状態が良いという利点は捨て難い。
「安全な麻酔薬も安全な麻酔方法もない。安全な麻酔医がいるだけ。」
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今日は、
1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
1歳馬の腰痿のX線撮影。
右側喉頭片麻痺の術後検査。
午後は予定を変更してもらって、2歳馬の中足骨内顆からの螺旋骨折のプレート固定手術。
夜は、装蹄師さん達の勉強会。
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2時間掛かりでスクリュー16本入れる手術は疲れる手術であった。
Equine internal fixation is a exacting and demanding skill.
(馬の内固定は精度が必要で、要求度の高い手技だ)
「気を使う、疲れる手術だ」と意訳してもいいのかもしれない。
呼吸、蠕動、気道分泌、血圧など多角的に検討して選択、容量決定して術中管理するのですから。
覚醒が遅れると心配ですが、跳び出すような覚醒で、ダメージが拡大するのは、ほんとに悲惨で危険。はとぽっけのネコ、可愛そうなことになったことありましたヨ。(T_T)
おんまさんだったらと想像するだけでもおそろしい。
オラ君、きもちよさげですね。
説明すべきなのかもしれませんが、人医療でほどは説明を求められないし、聞いてもらえないし、理解されない。のが現状です。
白く濁った、一見マイシリンにしか見えない液を血管に打とうとしても、「アッ」と言った人も居ないです;笑。
こんな風に、穏やかに眠りについて、穏やかに目が覚める麻酔が理想なんでしょうね。
眠るが如く、というのが理想かもしれませんね。しかし、なかなか難しいことだと思います。
ヒトの麻酔科医が麻酔器から盗んで自分で使っていたという事例が最近ありましたが、獣医師はこの辺の監視管理が甘いですし、大動物は使う量が多くなりますから、妙な事が起きなければいいですけれど。
小児ICUのようにプロポフォールの使用を禁止してしまうのもどうかと思います。上手な使い方というのは試行錯誤の中でしか生まれないかもしれませんし。
徐々に麻薬指定される薬が増えるのかもしれませんね。残念なことですが。
プロポフォールでの去勢などの短時間麻酔は、作用時間はどれくらいですか?20分くらいでしょうか?
費用面ではいかがでしょう?高いイメージがありますが・・・。
実際にプロポフォールを打たれたことがある身としては、一気に落ちて、覚醒もかなり速やかで優れた薬だと感じました(笑)
ただ、プロポフォールの前に打たれた鎮痛薬が飛び上るほど痛く(血管に沿って激痛が走る)静脈投与でも痛いことがあるのか!と反省した思い出があります。
どれだけ痛いことをするかによりますが、20分くらいでしょうね。局所麻酔はしっかり併用したほうが良いと思います。X線撮影などで痛いことをしないときは30分くらい寝ています。
費用はヒト用を使うとケタミンを使うのと変わらないか、少し高い程度でしょうか。
鎮痛剤が痛かったですか!?プロポフォールも投与している最中に飛び上がる子どもや馬がいます。
御回答ありがとうございます。局所麻酔もしっかり勉強して、ケースバイケースで使いこなせるように目指します。
そうなんです。鎮痛剤、が、痛かったです。
まさに投与された場所から中心に向かってくる流れで激痛が・・・。
イタタタター!!!とゆっくり投与してくれてる最中訴え続けるものだから、お医者様が血管内に入ってるかの確認を看護師さんに2度も指示したほどでした。
痛みを知り、普段の自分に反省です。そりゃ、飛び上るよね。馬さんも。
痛い注射はみんなキライ。
ということは誰もが痛いわけではないのですね。それもまた恐ろしい。