最後の一人が帰って行って、この春の実習生は終わり。
春先のいそがしい時季にずいぶん診療を手伝ってくれた。
そして、生産地特有の出産シーズンの症例をたくさん観れたので、良い経験になっただろうと思う。
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最後に居たのは、韓国済州大学からのS君。
もう韓国の獣医師国家試験には合格していて、修士課程の大学院生だ。
どうだった?と尋ねたら、「長くて疲れた」とのこと。
ずいぶん夜中に起こされたので、きつかったらしい;笑
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この春は、韓国、ハンガリーをはじめ、国内では大阪、鳥取など、あちこちの大学からで、バラエティーに富んでいた。
「ハンガリーでは獣医学教育の1/3は馬です」から、
「私、馬に触ったことなかったんです」まで、実にさまざま。
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実習に来て、馬を取り囲んで観ているから私に注意される。
「馬を取り囲んで見るな!馬は人に取り囲まれると怖いんだ。」
指示されないと何もしないから、私に指示される。
「毛を刈れ、洗浄しろ、消毒しろ、etc.」
夜中起こされる。
「うちに実習に来て、留守電にしてたらダメだ!」
「朝は早く来て掃除しろ」
さて、良い経験になっただろうか。
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マニュアルを作ろうとは思わない。
最低限の注意だけしておいて、あとは個別に言葉で説明して指示したいと思っている。
児童、生徒、学生は、言われたことだけ、人と同じようにやるように教育されてきている。
社会に出たら、とくに臨床なんかやるなら、それじゃ駄目なんだ。
人があれやってるなら、自分はこれ。
そして、指示されないでも動けるようにならないと、半人前ですらない。
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高速道路は閉鎖で、国道は除雪が間に合わず、おまけに重い雪で轍になっていた。
あちこちで車が路外逸脱していた。
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実習生さん達の数年後が楽しみですね。
怪我などなく無事に実習を終えられて、安堵しているのはhig先生も同じかな?と。お疲れさまでした。
向き合った命たち、実習生さんや患馬さん、それぞれに、これからますます元気な活躍を、と思わずにはいられない気持ち。
オラ君、珍しく寒そうに見える。でも犬着いらずだよね。
実習した学生さんたち、何かの糧になってくれればと思います。
実習生はずいぶん診療を助けてくれます。一方で、受け入れるには手間もかかりますし、気も使います。
相棒はきのう、連れて行ってもらいたかったのに留守番でした。ショック!
子供の頃から家庭で家の手伝いをさせられてきた学生さんは気が利きますが そうでないとただ年齢ばかり行ってる大きな子供でしかありません。
「そこ!ボサッと突っ立ってないで」「いちいち言われなきゃわかんないの!」と言いたくなりますよね。
もしよろしければお教えください。
馬の獣医師がいない地域のNOSAIや開業の獣医師は馬をほとんど診ていません。わずかに居る馬を診てあげたい、と思ってくれているのでしょうけど、そこへ器材を載せて往診してそれに見合うだけの診療費をもらうのは無理です。
そして、臨床は症例数を診ないと一人前にもなれないし、自分の技術を維持することさえ難しいです。
自分がやりたい診療のスタイルまで決めるのではなく、まずは馬の獣医師として信頼されるに足る知識、技術、経験を身につけることをひたすら目指してください。残念ながら日本の獣医科大学だと卒業すればそうなれる、ということはまったくありません。
「獣医師になったら一生勉強ですから」
と若い獣医さん達に言っていました。
当たり前のことながら、それをあらためて言ってくれる、言える上司は良いなと感心しました。
自分が勉強してなきゃ言えませんからね;笑