最近は、めったにないことなのだが、術創が化膿することがある。
左は数年前、開腹手術創が化膿した症例。膿が垂れ、腹部そのものが腫れあがっている。
私の症例ではなかったので詳細はわからないが、何か原因、要因があったのだろうと思う。
ずっと昔は、術創を毎日ヒビテン液でこすって消毒し、イソジンをかけていた。その頃は皮膚縫合が絹糸だったせいもあるが、抜糸の頃には糸目が化膿していることはよくあった。
めんどくさがりの私はそんなことはしたくなかったのだが、若い私に方針を選ぶ権限はなかった。術創を消毒せずにガーゼを張り替えると、わざわざガーゼを剥がして消毒し直された。
今は、術創を消毒薬で擦ったりすると、糸目と皮膚を傷めて、感染を誘発すると考えている。
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昔は、人の病院でも「ほうこうしゃ;包帯交換車」というカートがあって、看護「婦」さん達が包帯をはずし、消毒し、巻きなおして回っていたようだ。
今は、術後無菌的にパックしたらできるだけ術創は触らない方が感染しないと考えられていたり、ウェットドレッシングが主流になってきているようだ。
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馬の開腹手術の術創についても、管理方法を検討した学術報告があり、腹帯で締め付けるのは良くなかったとされている。
しかし、術後寝る馬だとどうしても傷が汚れる可能性があるので、術後数日はガーゼをあてて腹帯を巻いている。
寝藁の上は、病院のベッドよりは雑菌が多いだろうから。MRSAはいないと思うけど。
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傷が化膿したら、上の写真のようになる前に化膿した部位を抜糸し、膿がほかに広がらないようにした方が良い。
化膿が外へ出れば良いが、腹壁へ感染が及ぶと術創ヘルニアになる可能性がある。
術後1週間近く経って、そろそろ抜糸というころ化膿してくる症例もあるので注意が必要だ。
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夏の学生実習は、受け入れられないほど込み合う時期は、第二希望を書いてきている人には第二希望の実習先へ移ってもらう。2週間ではなく1週間ずつにしてもらう、ようにしたいとこちらの案を伝えておいた。
それで、なんとか来たい人は受け入れられると思うのだが・・・・どうしても「こうしたい」というのがある人は、
今年の日高管区の共済就職希望者も1人枠に15人希望があったとか・・・。
馬をやりたい獣医学生、まだまだいるのですね♪
30名。実習希望者がですね。
就職希望者も、日高の現状と将来を考えてのことなら良いのですが・・・・
しかし、希望してもらえるのは有難いことです。