馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

術創感染を減らす方法 13

2010-11-03 | その他外科

13.手術時間を最小限にする。手術時間が1時間延びるごとに感染率は倍増する。

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手術はレースではない。決して時間を競うようなことはしてはいけない。」

著名な外科医の言葉。

しかし、急がない手術の結果として手術時間が短いことは非常に望ましい。

感染率は減り、外科侵襲は少なく済み、麻酔の負担も少なく済む。

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焦ってはいけない。雑になってもいけない。禍根を残してもいけない。しかし、手術時間は短くしなければいけない。

その積み重ねが手術時間を短くしていく。

しかし、術者のアドレナリンは増え、血圧は上がり、寿命は縮む(笑)。   

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目指す境地があるとすれば、「悠々として急げ」ということだろうか。

開高健が書いて広まった言葉だが、彼のオリジナルではなく、元は古代ギリシャの悲劇作家ソポクレスの名作「アンティゴネー」に出てくる言葉らしい。

ラテン語で festina lente

英語では make haste slowly

日本語の「急がば回れ」と同じ意味なのかもしれないが、手術ではちょっと違うかもしれない。

手術で時間短縮のために大事なことは、余計なことをせず、必要なことだけを的確に行う ことだと思う。

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4 コメント

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hig先生やはりすごいです。 (kinako)
2010-11-03 22:26:24
hig先生やはりすごいです。

でも“血圧は…”のあとはダメです~!!

開高健は「オーパ!」の美女とピラルクーが印象に残っています☆
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>kinakoさん (hig)
2010-11-04 06:15:18
>kinakoさん
 アドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」と言われたりします。穏やかに粛々と無駄のない手術ができれば、アドレナリンを必要とせず、血圧を上げない手術ができるのかと思いますが・・・・まだまだです。

 開口健は大阪を感じさせる作家でしたね。
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悠々として急げ、良いですね。 (MA)
2010-11-04 20:29:50
悠々として急げ、良いですね。
なんだか宮本武蔵の剣の世界の様です。
今度、手術中の外科医の血圧モニターしてみようかと思います。
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>MAさん (hig)
2010-11-05 05:46:55
>MAさん
 ぜひやってみてください。心拍数、血圧、アドレナリン、コルチコステロイド濃度、etc.
 手術中、ややこしい操作のときには呼吸を止め、まばたきの回数も減っています。
 レジデントとプロフェッサーで差があるか、安定させるのは若さか経験か!?
興味あります(笑)。
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