今回も鳥取で2泊、岡山で4泊と居候型の旅だったために、グルメの範囲もかなり狭くなっています。
後半は何を食べようかと頭を悩ませましたし、このあたりは永遠の課題なのでしょう。
史跡が駅近辺から離れたところが多かったのもグルメにとってはマイナスで、食事処がないためにコンビニでの軽食やSOYJOYなどの携帯食料でごまかした昼食も多かったです。
また長期の旅となると空元気を装ってみても徐々に疲れが溜まっていくもので、アルコールを受け付けない、あるいは飲んだら翌朝が怖いという状況になってしまい、意識的にセーブをしているわけではないのですが軽めのビールで済ませるといった今回の旅となりました。
初日の夜は完璧な雨となりましたので、駅前の居酒屋での晩酌です。
いつものとおりに日本酒でのスタートで、鳥取のもの選ぶのは当然のこと、そして鷹勇です。
香りがやや強めで、また舌先にかなり主張をしてくるハッキリとした旨みが感じられました。
そしてとりあえずお腹が減っていたので、飲み屋としては御法度であろういきなりのご飯物、にぎり寿司です。
朝に水揚げをしたもので握っているとのことでしたが、可もなく不可もなしといったところです。
つまみは二品、砂丘ながいもの唐揚げと、大山鶏のポン酢です。
砂丘ながいもは鳥取砂丘で作られているわけでもないようで、説明を見れば鳥取県中部の砂丘という微妙な表現となっていました。
長芋は粘りのある印象がこびりついていたのですが、唐揚げにしたためか粘りは皆無、あまり味もなく物足りなさがあったのが正直なところです。
大山どりは鳥取の地鶏で、「だいせん」と読みます。
地鶏なので固いのではないかと身構えたのですがそうでもなく、ただ細切れだったので味わいはもう一つで、もう少し大きな塊で食べるのがよいのかもしれません。
二日目の昼は砂丘そばです。
鳥取名物と謳いながらも「土佐高知のけずり節」と「日高昆布でとっただし汁」という噴飯ものの説明でした。
飛魚竹輪と細葱がどうやら地元のものらしいのですが、ただのかけそばといった感じです。
夜は郷土料理を食べられる店を探して、そこで世間の狭さを思い知らされました。
6人掛けぐらいのカウンターと2人掛けぐらいのテーブルが2つという小さな店で、店に入ったときには50代ぐらいと20代ぐらいの連れがいただけだったのですが、その2人ともが千葉の人で、年配の方が単身赴任、若い方が出張で来ていたという偶然です。
カウンターに座って店のご主人と話をしていたところで相手がそれに気がつき、語り合ってみれば自分の職場の近くに年配の方の弟さんがパスタ屋をやっているとか、若い方もちょくちょくそのあたりに行ってとんかつ屋でよく食べたなんて話で盛り上がったり、やはり日本100名城を巡っているとのことで自慢話を聞かされたりもして、極めつけは自分が現在に常駐をしているユーザと同じ系列に務めているとのことでしたのでもう笑うしかありません。
ちなみに旅情篇の温泉を聞いたのもここでしたし、日本で鳥取県だけにスターバックスが出店をしていないこと、これは温泉の件があったので本当かどうかを調べてみれば「鳥取県にはスタバはなくてもスナバ(砂場)はある」と県知事自らが口にした言葉のようで、また「おあいそ」も語源からすれば普段はツケで飲んでいる店に対して「もう愛想が尽きたから精算してくれ」という意味なので使わない方がいい、とも教えられました。
そんな楽しい一夜のお供は諏訪泉と日置桜のもちろんこれまた鳥取の地酒で、前者は香りはほとんどなく口あたりが優しいので飲みやすく、後者は辛いのが好きと言ったら奨めてくれたものでかなりな力強さがあり、また両者とも食中酒としてもピッタリです。
突き出しは豆腐ちくわで、鳥取の郷土料理です。
豆腐に魚のすり身を練り込んだものが竹輪となっていて、鳥取藩主の池田光仲が庶民のタンパク質を補うために奨励をしたとのことです。
これといった味はありませんでしたが、どこか優しい感じがしました。
刺身は白いかとあじで、今日に水揚げをされたものとのことでした。
いかは好きなのでぷりぷり感がたまらず、あじは時期としては旬を逃してしまったようですが脂ののりも悪くなく美味しかったです。
ハタハタ寿しは一般的には秋田の郷土料理ですが鳥取にも同じく郷土旅理としてのハタハタ寿しがあり、そして見た目は完全に違ったものとなっています。
ハタハタの中におからが入っており、自分にはちょっと酸味がきつかったですが、お酒のつまみにはピッタリでした。
メインディッシュは鳥取和牛の炭火焼きです。
鳥取県が推しているオレイン55という和牛とのことで、これはマジでお奨めです。
とにかくやわらかいですし、口どけがいいと言いますか、適度な歯ごたえがありつつも口の中で溶けるように消えていくといった不思議な食感が素敵すぎました。
ステーキにしてがっつり食するよりも、このぐらいの厚さでの焼肉がよいのではないかと思います。
三日目の昼はとりそばです。
駅の近くのアーケード街で何かのイベントをやっていたようで、そこで出展をされていた店で食べました。
初日に足を伸ばした鹿野町の名物である鹿野そばとのことで、冷やしそばだったのが誤算と言えば誤算でしたが、自分にはやや味が薄かったもののそばの味は濃かったです。
岡山に向かう特急列車の中で、夜ご飯のかに寿しです。
鳥取の駅弁としては代表的なもののようで、寿司飯の上にかにのほぐし身と足の身がこれでもかと乗っています。
それなりにパワフルなのですがやはり自分にはちょっと味が薄めで、付け合わせの塩昆布がその代替のつもりなのか、できれば酢醤油が欲しかったのが本音です。
ちなみにトップの写真がお供のチューハイで、梨の味はそれなりにしたものの甘すぎてかに寿しとはアンマッチでした。
岡山の最初の晩酌、そして結果的にこの旅の最後の晩酌となったのは日本酒の飲み比べです。
左から炭屋彌兵衛、極聖、きびの吟風で、岡山の銘酒です。
炭屋彌兵衛は辛口といった感じはなかったのですが酸味はほどよく利いていて、極聖はやや甘酸っぱい香りと不思議な風味が、きびの吟風はこの中で一番に辛口で自分好みではあったもののちょっと嫌な感じの後味が舌先に残った、そんな三種の飲み比べでした。
さわらは岡山の名物でいろいろな郷土料理があるとのことですが、オーソドックスに刺身で食しました。
やや固めの身はこれでもかというぐらいに味が濃く、ご飯が欲しくなります。
ご飯と言えば焼きままかりの酢漬けで、まま(ご飯)を借りにいくほど美味しいことから名付けられたらしいのですが、自分としてはご飯よりもお酒が合うように思います。
頭からガッツリと食べるのが岡山流とは店のご主人の言葉でしたが、その笑い顔からして適当に言われている感じがありました。
蒜山焼きそばは岡山のご当地グルメで、B-1グランプリにも出展をされたものです。
鶏肉がごろっと入っているのには驚きましたし、味噌だれっぽいながらもちょっと違う、どういった味付けかがよく分からなかったのですが、ソース焼きそばよりも好みな味わいです。
黄ニラと穴子の玉子とじは黄ニラが岡山の名産で全国の生産量の7割を占めており、これこそままが欲しくなるような美味しさでした。
やわらかいながらもシコシコと歯ごたえはあり、おそらくは地元の鍋物には欠かせない一品ではないかと思います。
五日目は味司野村のドミカツ丼です。
いわゆるソースかつ丼のソースの代わりにドミグラスソースがかかったもので、岡山の名物の一つとされています。
この味司野村の創始者が考案をしたもので、ドミカツ丼と言えばここと教えられて足を運びました。
ただ残念なことにかつ丼はやっぱり卵とじだなぁと再認識をすることになったのは、肝心のドミグラスソースが酸味がきつくて自分には合わなかったのと、大嫌いなグリーンピースが我が物顔に鎮座をしていたという個人的な事情が理由ですので悪しからずご了承ください。
六日目は疲れのピークとホテルに帰り着いたのが遅くなったことで手軽にコンビニで済ませようかと心が揺れたのですが、気を振り絞ってのラーメン道です。
岡山のカツそばはご当地グルメらしく、またこの浅月はやはり元祖で老舗として有名と聞きましたので、駅からちょっとありましたがカーナビを片手にやや迷いながらの夜ご飯です。
ちょっと強めの豚骨な香りが漂う醤油ベースにとんかつがどっぷり浸っているのが特徴で、まるで煮込んだかのように衣のパリパリ感が無くなっていました。
パーコー麺に似ているかなと思いつつボリュームたっぷりで、組み合わせからすれば脂っこいのですが意外にサッパリとした味でお気に入りに仲間入りです。
何という偶然か先月に社食のご当地ラーメンに登場をしましたので、週に二度ほど食させていただきました。
最終日の昼は、津山でそずりうどんです。
津山はホルモンうどんが有名とのことですが、ホルモンは苦手なので同じ味付けでホルモンの代わりにそずりが入っているのがこちらです。
そずりとは骨の周りの肉のことで、本来は捨てるものを削りとって食べていたのが由来らしく、よって近くにが無ければ食べられない新鮮な肉とは店の人の売り口上でした。
写真ではうどんの下に隠れてしまっていますが実際はこれでもかというぐらいに肉がごろごろで、やや筋っぽいものもありましたがやわらかくて美味しかったです。
旅の最後は岡山空港での空弁です。
それっぽいものを探したのですがこれといったものがなく、消極的なセレクトでの烏城巻きは黒塗りの岡山城をイメージしたものです。
ちょっぴり辛い大人の味、とあるように海苔の佃煮に唐辛子がまぶしてある玉子巻で、味としてはまずまず標準、ただ同じものが8個もあるとさすがに飽きました。
違う味もあっての4個ずつ、といった工夫が欲しかったです。
【2013年8月 鳥取、岡山の旅】
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