昨日はナイターだったので気にはしていませんでしたが今日はデーゲームなので冬仕様のダウンジャケットは周りの目がちょっと痛かったのですが、球場に着いてみればさすがに春先のQVCマリンの寒さを知っているファンが同じように厚着をしていましたのでホッと一安心です。
それでもまさか二日連続で延長12回になるとは思いもよらず、昨日よりも長い4時間44分はすっかりナイターモードでした。
そんな試合も連日のサヨナラ勝利で身も心もホクホクとしながらの帰り道でしたが、きっとオリックスファンは頭だけがカッカして身も心も凍る帰路だったことでしょう。
羨ましくなるぐらいのタレントが並んだ強力打線が脅威のオリックスも、この二日の中継ぎ陣を見る限りでは恐るるに足らずといった感じです。
そうは言いながらもロッテも先発陣には頭を悩ませており、開幕二戦目を任された渡辺はしかしその期待をあっさりと裏切ってくれました。
李大浩に弾丸ライナーをスタンドに叩き込まれるなど4回を7安打3失点と先発の責任を果たせず、根元の拙守に泣かされはしましたがピッチング自体もイマイチです。
そこそこ緩急もつけていましたしコントロールがばらばらというほどでもありませんでしたが球に力が無いのか簡単にヒットゾーンに運ばれてしまい、そもそもが被打率が高いながらものらりくらりと打ち取っていくのが身上の渡辺ではありますが、あれだけ強い当たりを連発されると安心をして見てはいられません。
成瀬が登録を抹消されましたので次も先発で起用をされるのでしょうが、その次こそはベテランの味を見せて伊東監督の期待に応えてもらいたいです。
二番手はプロ初登板の西野で、しかしホロ苦なデビュー戦でした。
簡単に二死を取りながらもその後はピンチの連続で、2回2/3で6安打1四球ながらも1失点で済んだことがある意味で今日の試合を作ったとも言えます。
ストレートが130キロ台後半で自慢のフォークも低めに外れてアップアップのピッチングで、よくぞベンチは我慢をしたと拍手を送りたいです。
それだけに同点に追いついた直後の六回に西野がマウンドに登ったのには驚きましたし、その六回に勝ち越し点を奪われての七回にも投げた西野は大きな財産を得たことでしょう。
昨年であれば間違いなく六回から別の投手が投げていたでしょうし、七回の続投などはありえません。
もちろん先発が早い回で降板をしたこと、前日に中継ぎ陣が総動員をして少しでも長いイニングを投げて欲しい第二先発的な役割を期待してのことであったとは想像に難くありませんが、あれだけ塁上を走者が賑わした展開でも西野に託したベンチにはきっと育成の意図ががあったのだと思います。
45球を投げた西野はおそらくは明日に南と入れ替えでベンチを外れるでしょうし、あるいはゴンザレスの代わりに二軍に落とされるのかもしれませんが、プロ初登板の緊張で思うように投げられなかった悔しさとピンチを凌いだ経験は明日の西野にとっては大きな糧となると思います。
今日の西野を見てベンチが総入れ替えとなってよかったと、心の底からそう感じました。
そして今日もフル回転の中継ぎ陣は七回以降を零封して、延長戦でのサヨナラ勝利を呼び込みました。
昨日にプロ初勝利を飾った服部は見る側の意識が変化をしたこともあるのでしょうが、まるで別人のような躍動ぶりです。
投げた後にあんなに大きな動きだったかなと思えるピチピチぶりで、あれだけ打たれまくっていた左打者を簡単に料理するのですからビックリ仰天です。
荻野忠も大きな縦のカーブこそ見られませんでしたがストレートに伸びがあり、今季からY.ITOHとなった伊藤も相変わらずの強気のピッチングを見せてくれました。
まだまだ本来の姿からはほど遠い感じは否めないものの、中盤が厚くなったことは心強いです。
益田はややコントロールに苦しみましたがバットをへし折る球威はさすがで、守護神としての貫禄が出てきました。
そしてさりげなく今季初勝利の中郷はスライダーのキレが抜群で、下位打線ではありましたが簡単に抑えての通算4勝目です。
もう少しストレートに力が欲しいかなとは思いますがそのストレートはあまり投げずに変化球中心で、そのいずれもが思うように制御ができていましたので調子は良いのでしょう。
今の中継ぎ陣では南とともに勝利の方程式の一角である中郷ですから、ステップのシーズンである今季の躍進が楽しみです。
打線はまだまだ湿気た感じではありますが、今日でレギュラー陣の全てにヒットが出ましたのでとりあえずはOKです。
核弾頭の根元は先制タイムリーを含むマルチヒットで、ここから調子を上げていってもらいましょう。
例によって守備は不安定ですが投手への声かけなどチームリーダーを意識した動きを見せてくれていますので、背番号2がしっくりとしています。
WBCの疲れが心配をされた角中はしかし昨年の首位打者らしい力強いバッティングと二番打者としてのバントをきっちりと決めており、バーガーの呪いもどこ吹く風です。
そしてその角中を生かすも殺すも今江次第ですが、強い打球を打てていましたのであまり心配はしていませんでしたが、今日のヒットで乗ってくるでしょう。
そうなると問題はこの人で、今日にヒットは出たもののいつもどおりに体が伸びきったところですくった打球が野手の頭を越えただけで、バッティングはどん底です。
一本出ればまた変わってくるのではと思ったのですがなでるようなスイングに変化は見られず、これはかなり重症かもしれません。
まだ二試合目ではあるのですがオープン戦後半からずっとこんな感じですし、送球が逸れたものではありながらも連日の捕球ミスは今の井口を物語っているようです。
このまま終わる井口ではないでしょうが当たりが戻ってくるのはいつの日か、ホワイトセルも戦線に復帰をしましたので安穏とはしていられません。
一方で地味に元気なのが金澤で、今日も追撃となるツーベースでチームに勢いをもたらしました。
プロ初ホームランかと思った打球は惜しくもスタンドインとはなりませんでしたが、八番でこのバッティングは相手にとってはかなりの脅威でしょう。
打撃が好調であればリードにも余裕が出てきますので、里崎が戻ってくるまでにしっかりと自分の居場所を作る金澤であってもらいたいです。
ただホームランと決めつけたような走塁は見ている側からすると油断と受け取られかねませんので、常に全力プレーをお願いします。
その金澤の代打で登場をしたG.G.佐藤は見事に初打席でヒットを放ち、人気者らしくスタンドを沸かせてくれました。
見た目の体つきとは違ってそれなりに走れるのはビックリで、代走を送らなかったのもそれが理由だったのでしょう。
ただ根元のヒットで突っ込ませたのはさすがにやり過ぎだったのではないかと、タイミング的にはかなり厳しい特攻となってしまいました。
まだ一死でしたので一三塁で角中に期待をするのが1点ビハインドですから王道だと思うのですが、清水コーチがどういった判断でのそれであったのかが知りたいです。
また代走でプロ初出場となった江村の初々しさが眩しく、佐藤コーチも二塁ランナーの今江も江村を気遣って声をかけるなどいい雰囲気でした。
とにかく嬉しそうな江村はあるいはベンチのムードメーカーかもしれず、一日でも早くマスクを被れるよう頑張ってもらいたいです。
連日の総力戦はさすがにベンチ、選手ともに負担でしょうから、福浦がヒーローインタビューで約束をしてくれたように明日は九回で勝ちたいものです。
オリックスのスコアラーも帰り際に吉井や田村、黒滝に「明日は九回でお願いします」と言っていましたので、両チームともに切実な願いなのでしょう。
そんな連日のサヨナラ劇は追い込まれたところからの勝利ですから価値がありますし、8点のうち5点が犠牲フライでの得点というところに野球の変化が感じられます。
派手なヒットやホームランが出るに越したことはありませんが、こういった地味ながらも確実に点を取れなかったのがこれまでの野球ですから、ただの偶然ではなくきっちりとフライを上げるための練習をしてその成果が出てのこの連勝だと考えれば大きな意味が出てきます。
それだけに昨日は平日でしたので仕方がないとしても今日もスタンドに空席が目立っての2万人割れが嘆かわしく、開幕戦の昨日だけだと思っていましたが試合終了後にベンチ、選手が一塁線に並んで挨拶をするシーンを少しでも多くのファンに見て欲しいと思う今日のQVCマリンでした。
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
計 |
安 |
失 |
オリックス
|
0 |
2 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
15 |
2
|
千葉ロッテ
|
0 |
0 |
1 |
0 |
2 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1X |
5 |
10 |
1
|
|
◆3月30日(土) 千葉ロッテ-オリックス2回戦(ロッテ2勝、14時、QVCマリン、19,851人) ▽勝 中郷 1試合1勝 ▽敗 松本 1試合1敗 ▽本塁打 李大浩1号(渡辺)
▽バッテリー 千葉ロッテ 渡辺、西野、服部、荻野忠、伊藤、益田、中郷―金澤、川本 オリックス 西、中山、佐藤達、平野佳、森本、松本、比嘉、古川―伊藤
|