旅の最後の紹介はグルメ篇となります。
グルメと呼ぶほどの珍しいものや、あるいは高級なものを食したわけではありませんが、電車の旅ならではの駅弁や、地元の居酒屋での名物料理など、普段の生活では味わえないものを体験してきました。

まずは白石うーめんです。
トップの写真にあるとおり、どうやら白石では名物となっているようです。
言ってみれば温かいそうめんで、メニューを見るとカレー味などもあるようですから、名古屋のきしめんと同じような存在だと思います。

仙台ではお約束の牛たん弁当です。
弾力性のある歯ごたえと、味噌仕立ての味がマッチしていて美味しかったです。
ただ酒のつまみには合いそうですが、ごはんのおかずにはどうかなとも感じました。
しっかりとオージービーフのマークが包装に印刷してあるのには驚きましたが、そもそも牛たんは庶民の味で、高級ブランドの仙台牛を使うことはほとんどないそうです。
本来は米国産を使うのが一般的らしいのですが、BSE問題で豪州産に乗り換える店と、米国産にこだわっている店に分かれているとのことです。

初日の夜は山形での晩酌です。
山形の名物料理の芋煮、だし豆腐、そして山形牛の串焼きです。
お酒は山形っぽい名前の出羽三山を選びました。
芋煮はすき焼き風のだしに、里芋や長ネギ、人参や山形牛が煮込んであるものです。
東北地方の食べ物は味が濃いと勝手に思っていたのですが、意外なぐらいに薄味で、素材の味がよくわかる味付けとなっていました。
また今回の旅で最大の失敗がだし豆腐で、豆腐の上に野菜のみじん切りのようなものが和えてあるのですが、これが私の嫌いな粘り気を伴っており、私が食材として認めていない納豆か、あるいはオクラでも入っていたように思います。
逆にやっぱり肉はいいなと思えたのが山形牛の串焼きで、5本も追加してお腹いっぱいになりました。

2日目は米沢の牛肉どまん中からスタートです。
米沢の駅弁では一番人気だと店員が言っていましたが、確かに売れ行きは一番でした。
細切れ肉とそぼろが醤油仕立てで煮込まれており、パッケージにもあるとおり言うなれば牛丼です。
冷たくても味がしっかりとついているので美味しく食べることができました。
パッケージに貼ってあったシールの記載を信ずれば米沢牛が使われているらしく、味もボリュームも満足のできるものでした。

新潟では味噌焼きロース釜飯です。
越後もち豚なるブランド豚は知りませんでしたが、越後もち豚バーガーなるご当地バーガーも存在するようです。
パッケージの右の方に糸らしきものがありますが、これを引き抜くと器が温まるというタイプの駅弁です。
肝心の味ですが、薄味過ぎたのと温かくなっても肉が固かったのがマイナスです。

2日目の夜は会津若松での晩酌です。
会津ソースカツ丼、にしんの山椒漬け、棒たらの煮付け、そしてまんじゅうの天ぷらです。
お酒はこれまた会津っぽい名前の会津娘を選びました。
会津ソースカツ丼は何のことはないただのソースカツ丼で、きっと我々が普通に食べているソースカツ丼の起源が会津にあるのだと思うことにしました。
にしんの山椒漬けはピリリと辛味があるのかと思っていたのですが、やや酸味のある醤油味でした。
棒たらの煮付けも薄めの醤油味で、長ネギの細切りとの相性も抜群でしたし、やはり素材の味を引き出すためには薄味なのかなと思えるような一品でした。
首を傾げながら食べたのがまんじゅうの天ぷらで、美味しいですよとの店員の薦めで注文をしたものの、不味くはありませんでしたが、元々の素材が悪かったのか、あるいは揚げたことで旨みが飛んでしまったのかは分かりませんが、残念ながらあんこ好きの私としては納得のいくような味わいはありませんでした。

3日目は長岡の天地人鍋を食しました。
長岡城跡の脇で開かれていた食の祭典みたいな催し物で販売されていたもので、史跡巡りの邪魔だと怒るだけではつまらないので、それっぽいものを食べてみました。
味噌仕立てでラー油のようなものが浮いていましたが、さほど辛味はありませんでした。
中身は白菜や長ネギなどの野菜に肉だんごで美味しかったのですが、横の鍋で煮込んでいる割にはぬるかったのが残念でした。
天地人鍋という名前からして古くからある長岡の名物料理でないことは明らかですが、越後由来の材料を使っていることは確かなようです。
ちなみにかんずりとは唐辛子をすりつぶして麹や塩、ゆずなどを加えて熟成させる、新潟県特産の香辛料とのことです。
私がラー油か何かだと思っていたものも、実はかんずりの成分の1つなのかもしれません。

旅の最後の食を飾るのは、長岡の越後闘牛牛めしです。
越後の闘牛が有名なのかは知りませんが、単にそれを商品名につけただけのようで、決して闘牛の肉が使われているわけではありません。
きんぴらごぼうの上に、甘辛く煮込んだ牛肉がのっているだけの牛めしです。
冷めていたこともあって肉は固く、旅の最後の締めくくりには寂しい駅弁でした。
今回の旅紀行はこれで筆を置くこととします。
写真ばかり並べて内容が薄くて申し訳ありませんが、雰囲気は感じていただけたのではないかと思います。
次は今夏の四国攻め、長宗我部ブームがどんなものかを体感してくる予定ですので、あまり期待をせずにお待ちいただければと思います。
【2009年1月 東北・北陸の旅】
いざ北国へ
いざ北国へ 旅情篇
いざ北国へ 旅程篇
いざ北国へ 史跡巡り篇 白石の巻
いざ北国へ 史跡巡り篇 山形、上山の巻
いざ北国へ 史跡巡り篇 新発田、長岡の巻