39 田中雅彦 捕手 26歳 年俸950万円
【2008年成績】 45試合 66打数 8得点 17安打 打率.258 2二塁打 0三塁打 0本塁打 5打点 2盗塁 5四死球 13三振 得点圏打率.286
印象に残る活躍が目立った今季の田中雅は、飛躍への足がかりを掴んだと言ってよいでしょう。
ここから大きくジャンプするためには来季の踏ん張りが大切ですので、頑張ってもらいたいと思います。
シーズン序盤の田中雅の活躍は、まさに神がかり的なところがありました。
決勝タイムリーに同点タイムリーと、湿りっぱなしの打線の中での奮闘は見事でした。
今年は一気にブレイクをするのではないか、そんな期待感を持たせてくれるようなスタートダッシュを見せた田中雅でしたが、しかし残念ながら怪我によりその飛躍は来季以降にお預けとなってしまいました。
田中雅の最大の持ち味はガッツで、チームには珍しい気迫を前面に押し出してプレーをする選手です。
似たようなタイプには早川がいますが、早川は臨機応変にと言いますか意図的にガッツを表面に出している感じですが、田中雅の場合は常にガッツの垂れ流し状態という感じです。
見ていて肩に力が入りすぎではないかと思えるほど気合いが入っていることが手に取るように分かり、ロッテのアニマル浜口とは言い過ぎかもしれませんが、さすがにPL学園、近大と名門校で主将を任されただけのことはあります。
そのガッツが空回りをして今年の飛躍の足を引っぱってしまったことは皮肉ではありますが、非常に貴重な存在であることは間違いありません。
里崎と橋本が相次いで故障をした際に、自らも一塁へのヘッドスライディングで肋骨を骨折してリタイアをしたことが痛すぎました。
もし怪我をしていなければ本職の捕手として起用された可能性もあり、また違った結果になったかもしれません。
このリタイアによりライバルである金澤の台頭を許したことが、今後の田中雅にどう影響が出るかが注目されます。
そう言う意味で、田中雅自身が捕手というポジションにどの程度のこだわりがあるのかが気になります。
もちろんアマチュア時代から捕手として第一線での活躍をしてきた田中雅ですから、捕手に対する自信も誇りも当然ながら持っているでしょうが、怪我から復帰した後も何度かチャンスがありながらもマスクを被るケースはほとんど無かったことを考えれば、チームは彼に内野手としての活躍を期待しているように思えます。
確かに捕手としてはアマチュア時代からキャッチングとスローイングに難があると言われていましたし、2軍でもその課題を克服できてはいませんでした。
もし試合に出ることを最優先に考えるのであれば、右の内野手が不足していることもありますので、いっそのこと登録も内野手に変更した方がよいのではないかとも思います。
意外にも俊足で代走としての出番もありますし、来季も田中雅の存在は非常に重要だと思います。
さすがにレギュラーを争うところまではなかなか難しいでしょうが、万が一の場合は捕手も出来るというポイントも武器になりますし、出番はいくらでもあるでしょう。
内野手としては前後はともかく横の守備範囲が狭いという課題を克服することが求められますし、単なる便利屋で終わらないアピールポイントを作ることも必要ですが、とにかく大人しい選手が多いロッテの中では異質であり、かつ必要なタイプの選手であることは間違いありません。
この魅力たっぷりの田中雅が来季は1軍に定着できれば内野陣は激戦となりレベルも上がるでしょうから、その活躍を楽しみにしています。
2007年通信簿
【オリオン村査定】 950万円 → 1200万円 (△26%)