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子どもたちは夜と遊ぶ(上) |
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子どもたちは夜と遊ぶ(下) |
辻村深月の二作目です。
実のところはデビュー作よりも先に書いていたものとのことで、しかもそれが高校生のときとはただ驚くしかありません。
前作もそうでしたが独特な心理描写にぐいぐいと引き込まれていきますし、単純な犯人捜しのミステリーになっていないことも同様です。
小さい頃に分かれた双子の兄に会うために、その兄が提案をした殺人ゲームに興じていく浅葱の懊悩、そして取り巻く友人たちの心の動きが描かれています。
ストーリーは浅葱とその友人である孝太、孝太を地元から追いかけてきた月子の視点でほぼ描かれています。
浅葱の兄が誰なのか、という「真相」にかかる仕掛けはミステリーマニアからすればさほどに深いものではないような気がしますし、その背景にしても途中でおぼろげに分かってしまったのが正直なところですが、それでも「やられた!」と思わず口に出してしまうようなどんでん返しは好き嫌いが分かれそうですがさすがとしか言いようがありません。
前回にそれにやられたのでかなり注意をしていたつもりではあったのですが、手のひらの上で踊らされていただけのようです。
かなり残忍な殺人シーンがありますし、それに対する登場人物の反応がやや希薄であること、また余計だったかなとも感じたエピローグなどがどうでもいいことのように思えてきます。
ちょっとしたボタンの掛け違いから始まった転落は果たして転落だったのかと、そう考えさせられた辻村深月でした。
2013年11月16日 読破 ★★★★★(5点)