不本意ながらも羽田空港国際線ターミナルでの一泊には不安があったものの、快適とは言えないまでも思っていたよりも普通でした。
それが当たり前のように早い時間から場所取りをしている人が少なくないようで、日が変わってからの到着でしたので完全に出遅れたのはクッションのあるベンチがどのフロアも満席だったことからして明白で、それでも板敷きのベンチではなく編み込みのそれを確保できただけでもいい方でしょう。
明るかったのと夜通しうろちょろしている人が少なくなかったので何度も目が覚めましたが、警備員の巡回もあり、盗難などの不安はあまり感じませんでした。
リニューアルのときに話題となった江戸小路は外国人観光客にこれが日本と思われるとそれはそれで困るのですが、差別化という点ではよいのではないかと思います。
さすがにこちらは24時間営業ではありませんのでどういったショップが軒先を並べているのかは分かりませんでしたが、どのみち行きに買い物をするつもりはありませんからどうでもよかったりもして、ここから少し離れたところにある喫茶店や吉野家の方が重宝しました。
そして早朝のフライト、以前は前泊で深夜に飛んでいたので景色を楽しむことはできませんでしたが、ここのところは行きは朝に方針を変えたので雲の上、やはり鉄の塊が飛んでいるのにはなかなか慣れることができず、思わず写真を撮ってしまうお上りさん状態です。
ちなみに朝一番の便は那覇空港経由だったのですが滑走路の混雑で離陸がずれ込んでしまい、悲しいかな1時間以上も遅いフライトの石垣空港への直行便とほぼ同じ時刻の到着、それでも初日のキャンプ見学は充分に楽しめましたから30分を焦って無理をしても仕方がないといい経験になりました。
それでも1分1秒を大切に、の気持ちを忘れることなく、当たり前のようにキャンプ休日の竹富島もやはりフェリーは朝一番です。
石垣港離島ターミナルはツアー客を含めて早朝ながらもそれなりの混雑、まさにタイムイズマネーです。
今回は竹富島か黒島か迷ったのですが石垣島から一番に近いのが竹富島、他の島々との位置関係は写真のとおりですが、西表島が大きいのには驚きました。
八重山諸島では最大で沖縄県内では沖縄本島に次ぐ二番目、ながらも大半が亜熱帯の自然林で自然を楽しむツアーが多く組まれているようです。
竹富島へはフェリーで、対馬や種子島、五島列島、厳島にも船に揺られていきましたが、今回はなかなかにジェットコースター気分でした。
風が強かったこともあり横揺れ、波しぶきが半端なく、20分程度の予定が30分弱かかったのはいいとしても、この強風が別の楽しみを奪ったのはまた別の話です。
竹富島だったからよかった、これもまた別の話で、戻ってきてからビックリ、実はぎりぎりのところで生き残ったようです。
セットにすると少しお安かった水牛車&レンタサイクルのコースを予約していたことで、港から島の中心部までは出迎えのバスに乗っての移動です。
水牛は角が丸まっているヨーロッパ水牛に伸びているアジア水牛がいて、気ままな性格なのがヨーロッパ水牛、生真面目なのがアジア水牛とは係の人の説明でした。
まずはその水牛に引かれての30分程の散策、のんびりとした一日のスタートです。
今日に案内をしてくれたのは立派な角の真栄くん、アジア水牛です。
さあ行くぞ、と係の人が声をかけた途端の生理現象にはお客さんも大笑い、ネタをどうもありがとう、お食事中の方には失礼しました。
この水牛はもちろん訓練をしてのことですが道順は覚えていて曲がるところはしっかりと曲がり、内輪と外輪の差を考えてのコース取り、十字路で他の水牛車と出会えば一旦停止、などなかなかに賢いようで、そもそもが農耕用ながらも珊瑚礁でできた農業には向かない土地柄により、ゴミ収集から始まり今の職にありついたとのことです。
スピードは文字どおり牛の歩みで徒歩よりも遅いぐらい、ゆったりと竹富島の町並みを楽しめます。
係の人の竹富島の紹介は興味深く、竹富島に住むには島で働かなければならない、景観保存のために家を建てるときにはいろいろと縛りがある、小中学校は生徒38人に教師が21人、この時期はまだ花が咲いているが台風がくれば全て散ってしまう、平均気温は25度で今日が一番に寒い、などなど、途中で沖縄三線での演奏もあり、これはお薦めです。
アジア水牛は大人しい性格なのか、臆病なのか、途中で犬に遭遇をしたときに動かなくなったのが微笑ましくもありました。
オワッ、という係の人のかけ声が「行け」なのか、しかしそれを繰り返してもなかなか動かず、犬がかなり先まで行ってからようやく動き出した真栄くんです。
ちなみにこの犬、その後に無事に飼い主さんのところに届けられたようで、その後のレンタサイクルでの散策の途中で散歩をしていところに出会いました。

水牛と別れた後はいつものレンタサイクル、しかし鍵がありません。
警察も消防署も、そして泥棒もいないから大丈夫と言われはしましたが島の人はそうでも観光客がそうとは限らないのでは、と思わないでもなく、それでも「無くなったりパンクをしたら連絡をください、すぐに行きます」という大らかさにほっこりしたのも正直なところです。
舗装されている道路もありますが多くは海砂が敷き詰められていて、しかし台風で持っていかれるので定期的に海辺から運んでくるそうです。
また石垣は珊瑚のそれを積んだだけで隙間があるのは台風のときに崩れないよう風の通り道、ただハブがいるときがあるので気をつけて、なんて怖いことは言わないでください。
しかし珊瑚ってこんなでしたっけ、石灰岩のようにも見えて、触ってみればスカスカと言いますか重さのある軽石みたいで、ちょっと不思議な感じがします。
その石垣には見たことのない植物なのか、何なのか、水中であればヒトデの仲間にも思えるようなものがここそこに、これって何だろう、何だろう、気になります。
逞しくも花も咲いていて、この日は寒かったのですがこういう艶やかな色合いの花を見ると南国を実感します。
全体的に赤系統が多いのはたまたまなのか、意識してそういった花を招き入れているのか、植えているのか、体感温度は低くとも気持ちはホカホカしました。
島内巡りはノープランだったので観光マップを頼りに、まずはなごみの塔です。
ここは赤山丘と呼ばれていて、今は丘というほどの地形ではありませんが、平家の落人が要害を築いたと言われている場所に地元の有志が子どもの遊び場として建てたものです。
ただ残念ながら老朽化が進んで立ち入り禁止になっていて、ここのところはどうも引きが強くありません。

そのなごみの塔から撮ったのが、竹富島と言えばこれ、ぐらいにメジャーなカットです。
一番上まで登れればもう少し角度のあるものとなったのですが仕方なし、それでも沖縄のイメージどおりの町並みが一望できました。
ここ竹富島は重要伝統的建造物群保存地区に指定がされていて、この風景を守るためにいろいろな縛りがあるとは先にご説明をしたとおりです。
次に向かったのが西桟橋、国の登録有形文化財に指定がされていて、ここも有名です。
干潮であればもう少し先に行けたのですが、それにしても風が強かった、踏ん張らないと体ごと持っていかれそうなぐらいで、小さなお子様連れの場合はご注意ください。
泊まりがけであれば夕陽が落ちていく様が絶景らしく、また機会があれば訪れてみたいです。
コンドイビーチは一番人気とのこと、その人気が分かる美しすぎる青さが広がっています。
珊瑚からできた砂浜はどこまでも白く、遠浅の海はどこまでも青く、これで快晴だったら言うことはなかったのですが、それでも白と青のコントラストは見事でした。
人混みは嫌いですし海で泳ぐなんてのはもう何年もしていませんが、こんな海であればのんびりとしてみたいです。
夏ともなれば観光客が多く訪れて餌をあげる人もいるのでしょう、かなりの数のネコが我が物顔でした。
ただこの時期は生存競争が激しいのかネコ同士だけではなくカラスとも争奪戦、宮島の鹿と同じく停めてある自転車のかごに飛び乗ってカバンを漁るなどは日常茶飯事なのか堂々としたもので、困り果てたおばさんがお菓子を投げたらこのとおり、ゲットした猫は背後を気にしながらも満足のお食事タイムです。
そのコンドイビーチからそれほど離れてはいないのですが、皆治浜は岩場になっているのと潮の流れが速いことで遊泳禁止となっています。
ここはそれよりも別名が星砂浜、いわゆる星の砂があることが有名らしく、何人かがしゃがみ込んで探していました。
それならばとひとすくい、ふたすくいしてみましたが観光シーズンではないことでばらまかれていないのか、ただの一つも見つけられずにガッカリです。
史跡らしきものは三ヶ所、門外漢なので説明板の受け売りしかできません。
安里屋クヤマは18世紀後半に竹富島の安里家に生まれた絶世の美女で、下級役人の島妻に求められたのを拒んだとは説明板、ただwikipediaにはその上司の島妻になったとありますから、いろいろと事情はあったのでしょうが何とも言いがたいところがあります。
新里村は竹富島の集落として発祥の地とされており、花城井戸を中心に14世紀ごろの石積みが遺されています。
西塘御嶽は竹富島の人々が敬愛する西塘、16世紀ごろの人物とのことですが、その屋敷があったところに祀られて背後が墓所になっているようでした。
写真は左から安里屋クヤマの墓、新里村遺跡、西塘御嶽です。
町並みは沖縄らしい風景が広がっていますが、廃屋になっているところも少なくないように見えました。
一方で近代的なサッシでの新築もされていて、それでもその風景を損なわないような縛りに則っているのは伝統を守っていく上での地元の方々の熱意なのでしょう。
使わなくなった住居は痛みが進みますので、台風が多いところでもありますし、大変なことと思います。
この日は寒いだけではなく風がかなり強く、時間があればと思っていて、その時間があったのですが、しかしグラスボートは全て欠航となっていました。
グラスボートは底がガラス張りになっていて海底の珊瑚などを鑑賞できるようになっているもので、この手のものに珍しくも乗り気になっていただけに残念至極、まあこういうものです。
ついてないなぁ、なんて思ったりもしましたが、まだ恵まれていたことが分かったのは石垣島に戻ってからです。
日本最南端の有人島である波照間島、はQシリーズの凜田莉子の故郷ですが、石垣島から3時間以上もかかるその波照間島行きが欠航となったのはともかくとして、1時間もかからない西表島行きまでもが欠航になっていたのにはビックリと言いますか、これを目玉にしたツアーもあったでしょうからお気の毒でした。
帰りもかなり揺れるフェリーでしたので下手をしたら戻ってこれなかったのかな、なんて思いながら、ちょっちゅね~の具志堅用高とともにバンザイです。

石垣島で目に付いたのはファミリーマートです。
前回に来たときにはそれまで見たことがなかったココストアが勢力を誇っていましたが、一昨年にファミリーマートに買収されて姿を消していました。
寂しい感じもありますがこれも時代の流れなのか、サンクスもぽつぽつファミリーマートに衣替えをしているようですし、三強以外は消えていく運命なのでしょう。
キャンプ地には中国語がここそこに、台湾からラミゴを追っての観戦ツアーご一行様には至れり尽くせりの歓迎ぶりです。
中国語も種類があるようですしあるいは台湾語なのかもしれませんが、いずれにせよVIP対応であることは間違いなく、国際交流試合は全席自由席のはずが三塁側はツアー客以外は入れないエリアが確保されていましたし、試合後のサイン会の整理券も若い番号はやはりツアー客に配布済み、地元にとっては大切なお客様なのでしょう。
その整理券、配布を待ってかなり早い時間から列が出来ていましたが、試合が始まるちょっと前でもまだ余っているという意外な状況でした。
どうやらこの日は旧十六日祭というグソー、はあの世という意味らしいのですが、その正月にあたり沖縄では祖先の供養で朝から墓参、それが終わる午後ぐらいまでは地元の方は動き出さないとは係の人のお話で、また夜にはドンパチ花火が上がって冬に不思議な感じではあります。
今年はたまたま重なったのでそうなりましたが、そうでなければサインをもらうためにはやはり朝早くから並ぶのが正解のようです。
今回のキャンプ見学では50枚以上ものサインをもらって大満足だったのですが、少しでも多くのファンにサインをするためにもチーム名を書かない選手が大半で、それはサイン会でも同じ、それでもお店に飾るものにはしっかりとチーム名が書かれているのを見ると羨ましくもなります。
入り口にずらりと並んだサインはバレンタイン監督のものもありますから年季が入っていて、今年もしっかりと荻野が訪れていました。
ファンからもお店からもサインを求められてこそ華、と選手が思っているかどうかは分かりませんが、次に来たときには新しい名前が飾ってあればと願います。

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