7回を終わったところで6点差がついた試合に勝負あったと思ってしまったことは西村監督としては油断であり、また星野監督にとっては諦めだったのでしょう。
登板間隔が空いたことで伊藤とロサを使ったことは妥当な判断ながらも炎上をしかけたのにはヒヤヒヤとしましたし、結果的に松井稼を引っ込めてくれていたことで大火傷にならなかったと思えば、どっちもどっちの両者痛み分けと言ってよいと思います。
ただロッテからすれば明日に田中を迎え撃たなければならないことを考えれば楽天打線に眠ったままでいてもらいたかったのが正直なところで、ただ渡辺俊が続投をしていれば抑えられたかどうかはまた別問題ですので、とりあえずは勝てたことでよしとすることにします。
その渡辺俊ですが、何とも微妙なピッチングでマーチを続けています。
もちろん7回を無失点ですから先発として充分なぐらいに責任を果たしてくれたことは嬉しい限りなのですが、しかしなぜに抑えられたのかがちょっと疑問だったりもするような投球内容でしたし、里崎が盗塁を刺してくれたり岡田の好守に助けられたところも大きかったのですが、コントロールがばらけなければこれぐらいはできて当然とは思いながらも出来不出来の境界線がどこにあるのかが今ひとつ掴みきれません。
今日はほぼ無風なQVCマリンの何かが作用をしたのか、それとも単なる調子の問題なのか、投げてみなければ見極めがつきにくいのはベンチ泣かせでしょう。
やたらとストレートが多かった今日の渡辺俊は確かにスッとくるような伸びとキレがありましたが、低めに決まっていたわけでもなく浮いたボールを打たれて立ち上がりは不安定でしたので、逆に言えば大きく抜けるようなボールが無いままの無四球ピッチングですから、このあたりを目安にするのが渡辺俊の目盛りなのかなとも思います。
ダメと見たらスパッと諦める、そういった起用に応えるだけの中継ぎ陣の顔ぶれが揃いつつありますので、ここは思案のしどころでしょう。
とにもかくにも勝敗をタイに戻しただけではなく防御率も3点台になった渡辺俊は今後も先発として起用をされるのでしょうから、今日ぐらいの好投とは言わずともメリハリのある分かりやすいピッチングをして欲しいと、サブマリンが幕張沖に浮上をすることを期待します。
昨日に軽くあしらわれた打線が今日は12安打を放ったことも、渡辺俊が焦らずに投げられた理由の一つだと考えます。
先制点は勝手に相手がミスをしてくれたものでしたし、追加点のきっかけも似たようなものでしたが、そこを見逃さずに足を絡めて攻め立てられたことは喜ばしいです。
核弾頭で6安打、クリーンアップで3打点は理想的でもあり、雨の心配をしながら球場に足を運ばれたロッテファンは狂喜乱舞だったことでしょう。
貴重な2点目を叩き出したカスティーヨの、外に逃げていくボールにタイミングを外されながらもセンター前に運んだバッティングは見事であり、あれができれば大きく打率を落とすこともないでしょうし、シーズンを通して4番の責を負ってくれることと思います。
バントを失敗した伊志嶺はそれでも右方向を意識したバッティングをするセンスを持ち合わせていることがよく分かりましたし、そんな制約のある打順でも今日も3安打で井口を抜いてチームトップの打率でリーグ5位まで上げてきましたので、新人王ももはや夢ではありません。
短くバットを持って詰まりながらも内野の頭を越える渋いヒットを打ったかと思えば引っ張っての長打もあるところなどは、どこか高沢にも似ているような気がします。
やや迫力には欠けるもののどことなく横田を思わせる工藤、手術をした左膝の心配を払拭するような走りの早坂、そして荻野貴ほどの衝撃さはないものの堅実な守走の岡田と、この伊志嶺を加えた4選手がきっちりと定着ができれば面白い野球が見られるような期待感があります。
ここにパワーを見せつけた清田が戻ってきましたし、今季中にも荻野貴の復帰がなるようですと今日も冴えないスイングを繰り返した大松の身に変化が訪れる日が、悲しいことではありますが意外にそう遠くはないかもしれません。
明日の小野が登録をされることで抹消をされるであろう有力候補は高口ですが、今日の今江の死球の状態によってはあるいは大松の抹消もありでしょう。
左手小指に投球を受けたとのことですから折れている可能性は充分にありそうで、今はそうではないことを願うばかりです。
少し休ませた方がよいのではと思っている今江ですが長期離脱は困りますし、さらには細谷も恒例の故障か浦和から姿を消しているようですから、ショートだけではなくサードも激戦地帯と言えば聞こえはいいですが、野手の層の薄さを考えれば頭の痛い事態になることは必至です。
ここで田中の抜擢があればベンチを多少は見直すのですが、とにかく明日のスタメン発表をやきもきしながら待つことにします。
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計 |
安 |
失 |
楽天 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
2 |
8 |
1 |
千葉ロッテ |
1 |
0 |
2 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
X |
6 |
12 |
0
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◆7月30日(土) 千葉ロッテ-楽天11回戦(楽天6勝4敗1分、18時、QVCマリン、26,435人) ▽勝 渡辺俊 14試合5勝5敗 ▽敗 ヒメネス 8試合4敗
▽バッテリー 千葉ロッテ 渡辺俊、伊藤、ロサ、藪田―里崎 楽天 ヒメネス、井坂、有銘、小山―嶋、伊志嶺
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