戦力外通告はその出場チームを除けば日本シリーズ終了の翌日まで、という事情もあってか各球団からパタパタと最後の駈け込みのような発表が続いていますが、まさかロッテにもそれがあるとは思ってもいませんでしたし、渡辺のメジャー挑戦、それを受けての自由契約ともなるとなおさらです。
実際問題として8000万からの規定を上回るダウンは避けられなかったでしょうし、今季の起用を見れば来季に渡辺が一軍で投げている姿がなかなかに想像できないとは正直なところではあるのですが、よって球団、本人の利害が一致をしたということであってもやはり想定外な動きとしか言いようがありません。
この挑戦、という言葉は個人的には好きではないのですが、田中などとは違ってまさに渡辺は挑戦としか表現のしようのない立場ですので、今後の戦いぶりが気になります。
まだ球団からの発表は公式サイトに掲載をされず、他紙も追随ができない中でのデイリーのすっぱ抜きには拍手を送るとともに、機関紙にはしっかりとフォローをしてもらいましょう。
ロッテ、渡辺の夢に応え自由契約へ (11/4 デイリースポーツ)
ロッテは4日、渡辺俊介投手(37)と来季契約を更新しないと発表した。
渡辺は同日午後3時から、QVCマリンフィールド内のプレスルームで記者会見を行う。
渡辺は今季、開幕から先発ローテの一角を担ったが、4月20日の楽天戦で打球が右足甲を直撃し途中降板。
8月中旬には1軍復帰したものの状態は上がらず、6試合登板で0勝4敗と、11年ぶりに1軍未勝利に終わっていた。
その後、渡辺は米メジャーリーグに挑戦する決意を固め、球団もこれに応えて自由契約とする方針を決めている。
渡辺はグラウンドに手がつきそうな下手投げで活躍、ロッテでの13年間で通算87勝(82敗)を挙げた。
2006年、2009年のWBCでは「侍ジャパン」の一員として連続世界一に貢献している。
それにしても驚きました。
メジャー志向があったかどうかはさておき、来季に38歳で今季に未勝利な投手がメジャーへの移籍を目指すともなると、そんなに簡単な道のりでないことは明らかです。
下手投げ、それもサブマリンと呼ばれるぐらいに珍しい球筋ではあるものの、余程のことがない限りはメジャー契約ができるとは思えません。
もちろん本人もそんなことは分かっているでしょうし、テストを受けてマイナー契約から這い上がる覚悟での決断なのでしょうが、どうしても心配の方が先に立ちます。
そもそもそのテストすら受けさせてくれる球団があるのかどうか、そのぐらいの下調べ、交渉はしているのだとは思いますが、単なる思い出受験の域を出ていないのではないかとは本人には申し訳ないながらも、一時代を築いた選手が無残な終わり方をするところは見たくありません。
おそらくは藪田のときのように球団が全面的にバックアップをして、場合によっては窓口となってその可能性を探ってくれるのではないかとも思いますので、無念にも「夢」が成就をしなかったときの身の振り方も含めてしっかりとサポートをしてくれることを願いますし、渡辺には悔いの無いよう頑張ってもらいたいです。