オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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サブローのプロテクト枠を考えてみる

2011-11-30 20:01:09 | 千葉ロッテ

 

荻野貴の外野への復帰が決まったことでサブローへのアプローチが微妙になってきたかなとも思っていたのですが、その矢先にあっさりと機関紙が流れを断ち切ってくれました。
まさかの一面に持ってきましたので確たる情報を握っていると見るのが妥当だと思われますので、おそらくはサブローがここからはしごを外されることはないでしょう。
むしろタンパリングを疑われるぐらいに水面下で接触がされていた可能性が高く、その意欲を他の補強にも振り向けて欲しいとは単なる独り言です。
何にせよいろいろな問題をはらんだサブローの獲得は、あまり面白くない形でオフの動きを引き出しそうな予感があります。

サブロー ロッテ出戻り 巨人在籍わずか154日 (11/30 スポーツニッポン)

サブローが帰ってくる。
ロッテは、巨人からフリーエージェント(FA)宣言した大村三郎外野手(35)を獲得することが29日、分かった。
12月1日にも行われる球団首脳会議で、今季途中まで在籍したベテランの再獲得を正式に決める。
古巣復帰後は登録名も「サブロー」に戻す方向。
今年6月30日に交換トレードで移籍してから巨人在籍わずか154日。
最下位からの巻き返しへ、ロッテが精神的支柱を呼び戻す。
林信平球団運営本部長は、FA宣言したサブローの獲得について「今の時点ではコメントできません。コメントできそうになった時にします」と語るにとどまったが、本格的に動きだす日は近づいている。
12月1日、重光昭夫オーナー代行がオーナー会議に出席後に中村家国球団社長、林本部長らと会談。
そこで来季に向けた補強策について話し合い、サブローの獲得を正式に決める。
ロッテ在籍時は「サブロー」の登録名で主軸として活躍。
05年、昨年と2度の日本一に大きく貢献した。
今年6月には若返りを理由に、工藤との交換トレードで巨人に放出された。
しかし、サブロー不在となったロッテは下降線の一途をたどり、13年ぶりの最下位に転落。
生え抜きのベテランであり、選手会長としてまとめ役でもあったサブローの放出は、チームの士気を著しく下げる結果となってしまった。
シーズン終盤の10月2日にフロント陣を一新させた重光オーナー代行は「サブロー選手が出ていった後から成績が悪くなった」として、退団した瀬戸山隆三前球団社長、石川晃球団運営本部長の旧フロント陣を批判。
個人名こそ伏せたが「今年出ていった人を呼び戻したい」とサブローの再獲得を示唆。
巨人で登録名を本名の大村に戻したサブローも出場わずか48試合に終わり、出場機会を求めて11月22日にFAを表明した。

もちろんサブローを全否定するつもりはありませんし、感情論で言えば嬉しい話ではあります。
やはり長い間に渡ってチームを支えてきた選手には骨を埋めて欲しいですし、サブローが再びロッテのユニフォームを着ることに否はありません。
しかし編成部が「外野手以外の全てが補強ポイント」と言っていた中で、その外野手を一番に補強をするのですからガッカリです。
重光ジュニアの気まぐれとしか思えない発言に右往左往している球団が哀れでもあり、また来季のチーム構成を不安に感じているのは私だけではないでしょう。
世間を賑わせている巨人のお家騒動などは、ロッテの迷走に比べれば単なるガキの喧嘩でしかありません。

そもそも外野手を補強した、と考えることが間違っているのかもしれません。
ここ数年のサブローの守備を見れば外野手としては限界にきていることは明らかであり、岡田や伊志嶺が台頭をし、そして荻野貴や清田、角中がいるロッテで外野の定位置を獲れるわけもなく、DHを福浦と競い合うか代打要員となるか、このあたりは出場機会を求めてFA宣言をしたサブローとどう折り合いをつけるのかが難題です。
さらには重光ジュニアの肝いりでチームに復帰をしたサブローを使わないという決断を弱気の西村監督ができるのか、サブローが結果を残してくれれば何の問題もありませんが、不幸にも衰えを隠しきれなかった場合には火薬庫になることを覚悟しなければならないでしょう。
サブローにとっても外様であった方が練習にも身が入って本人のためになると思っていたのですが、居心地のいい古巣に戻ることによる気の緩みが心配になります。
いずれにせよ全力疾走ができる足腰、そして気構えが伴っていないサブローであれば、あまり多くは望めないでしょう。

サブローの獲得に今ひとつ気乗りしなかった理由が緊縮財政にひた走る球団の方針であり、これで補強資金を使い果たすことになるのではないかと懸念をしています。
意外にもサブローは巨人でBランクの年俸ですから1億3000万の60%、もしくは40%の補償金と人的補償が発生をしますので、現状維持であれば来季の年俸を加えて2億800万か、あるいは1億8200万+選手をサブローのために費やすことになります。
この金額は今のロッテにはかなりのものであり、外国人選手も含めて下手をすればこれで補強が終了となることも念頭に入れておく必要があるでしょう。
ここにきてカスティーヨをリリースしたことはサブローの獲得と無関係ではないのかもしれず、あるいは球団としては新外国人選手としてのサブ・ロウを獲ったぐらいのつもりであり、また工藤に25を与えることで背番号の問題も一気に解決をさせようとしているのかもしれません。

投手(15人):荻野忠、大嶺、吉見、大谷、上野、成瀬、唐川、内、古谷、小野、伊藤、渡辺俊、木村、藪田、山本徹
捕手(2人):里崎、小池
内野手(5人):井口、今江、根元、細谷、高濱
外野手(6人):清田、荻野貴、伊志嶺、大松、角中、岡田

そして悩ましいのが28人のプロテクトですが、いったんは上記でリストを作ってみました。
巨人も村田や杉内を獲ろうとしていますので人的補償で意外な選手を持っていかれる可能性があり、あまり現時点での相手の事情を考えても仕方がないかなとは思うのですが、それでも先発投手と二塁手はキープをしておいた方がよいだろうとの考えに基づいています。
中途半端な投手が多いので簡単かと思っていたのですが、実際にやってみるとかなり28人に絞るのが意外に難しかったです。

投手(15人):橋本、服部、山本一、南昌、林、中郷、小林、香月、光原、松本、秋親、植松、藤谷、山室、阿部
捕手(5人):田中、江村、金澤、青松、的場
内野手(8人):今岡、福浦、塀内、高口、渡辺正、翔太、青野、早坂
外野手(3人):工藤、神戸、南竜

そしてリストから外れたのが上記の31人です。
ロッテファンからすれば期待の星でも一軍での実績に欠ける選手は大丈夫だろうとの甘い考えで、植松や阿部、そして翔太を外してみました。
また鶴岡がFA宣言をしたことで捕手はやばいかなと思いつつも、田中や金澤を獲る巨人でもないでしょう。
しかし山本一や中郷、早坂あたりを持っていかれるとかなり厳しくなりそうで、こういった作業はどうにも気が滅入ってきます。
本音で言えば渡辺俊はともかくとしても小野であれば手は出さないだろうとも思うのですが、重光ジュニアの生え抜き重視に端を発したサブローの獲得ですから万が一を怖れるであろうことは想像に難くなく、場合によってはさすがに無いだろうと思える福浦ですらリストに入れるかもしれません。
そうなれば細谷か角中あたりを外さざるをえなくなり、何だかんだ言いながらも結局は全額金銭に落ち着くだろうと八割方は思っているのですが、そうは言いながらも昨年に阪神ファンが味わったような落ち着かない日々を送るオフになることは避けられないでしょう。

こう考えると様々な面で歪みを生みそうなサブローの獲得ですが、ほぼ決まりでしょうから後ろ向きに考えても仕方がありません。
メリットがデメリットを上回るようサブローにはとにかく一生懸命なプレーを見せて欲しいですし、少なくとも周りからちんたらしているように見えるような動きだけは勘弁です。
まだ正式決定ではありませんから万が一のどんでん返しに期待をする、と言ってしまえば怒られそうですが、そんな気持ちを封印して今後の動向を見守っていきます。

 

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2011年通信簿 30 伊藤義弘

2011-11-30 00:41:51 | 千葉ロッテ

30 伊藤義弘 投手 29歳 年俸5000万円

【2011年成績】 50試合 1勝1敗0S 防御率2.29 55回 49被安打 2被本塁打 18与四球 2与死球 48奪三振 被打率.246

今年も勝利の方程式と呼ぶにはあまりに無茶使いをされた伊藤でしたが、故障がありながらも目標としていた50試合登板を達成しての4年連続ですから立派です。
そうは言いながらも投手の肩肘は消耗品であることは言うまでもなく、このまま困ったときの伊藤を連発しているようでは勤続疲労によるリタイアもそう遠くはないでしょう。
本人は投げることに強い意欲を持ってくれてはいますが、しかしベンチがそれに甘えてはなりません。
同じ投げるにしても伊藤にとって価値のある場面に限定をしたいですし、これだけの登板数で僅か15ホールドは悲しすぎます。
来季こそは額面どおりに勝利の方程式の一員である伊藤であって欲しいですし、そして守護神を目指して頑張ってもらいたいです。

折れたバットが左足に刺さって流血をするというショッキングな故障で終盤に戦線離脱をした伊藤ですが、これも疲労が原因の一つであったことは明らかです。
打球を追ってボールから目を離したと報道をされていましたが、ビデオで見れば打球などは見ておらず、完全に自分の役割は終わったとばかりの注意散漫な表情でした。
その試合は4日ぶりではありましたが8月は11試合に登板をしていましたし、連投が2回に3連投が3回ですから相当な疲れがあったものと思われます。
しかも負けている場面での起用もありましたし、仮に僅差であっても伊藤をビハインドのケースで使ってもらいたくはありません。
試合を持ちこたえるためには伊藤、との考えも分からないでもありませんが、しかしそれが結果的に伊藤の負担に繋がって大事な場面で打ち込まれたり、あるいは選手生命を縮める要因となってはチームとしては痛手どころの騒ぎではなく、また若手を育てるための機会を失うことにもなります。

ピッチングとしては150キロに近いストレートを軸に強気に攻めるのが本領の伊藤ですが、ややそのストレートに陰りが見え始めたことは否めません。
そのためか変化球を見極められるケースが増えてきており、もともと球数が少ない方ではありませんが、ピシャリと抑えることが減ってきました。
スピードが出ない割にはストレートの抑えがきかないピッチングもままありましたし、このあたりが伊藤の最大の不安材料です。
ただでさえ登板せずともブルペンでの準備で負担がかかっているのですから、ストライクゾーンを大きく使って効率的に打ち取ることも考えたいところです。
幸いにも強心臓の伊藤ですから内角を果敢に攻めることに躊躇はないと思われますので、シュートの復活とともにピッチングの組み立てを再考するのもよいでしょう。
とにかくベンチも効率よく伊藤を使い、そして伊藤も効率よいピッチングを目指す、そんな来季に期待をします。

2008年通信簿
2009年通信簿
2010年通信簿


【オリオン村査定】 5000万円 → 8000万円 (△60%)

 

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苦し紛れのポニーキャニオン

2011-11-29 23:16:51 | 千葉ロッテ

千葉ロッテマリーンズ オフィシャルDVD 2011

ポニーキャニオン

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今年のオフィシャルDVDのパッケージがようやくに明らかとなりましたが、そこにポニーキャニオンの苦労が見て取れます。
これまでは必ずサブタイトルがついていたのですが、最下位に沈んだ今年はそれがありません。
日本一となった2005年に「夢の翼!千葉ロッテマリーンズ激闘の真実」と華々しくスタートを切ったオフィシャルDVDは、2006年は「LET US DO IT AGAIN!」、2007年は「誇り高き闘い」、2008年は「新時代の幕開け」、2009年は「サンクスボビー!」とチームが低迷をしてもそれなりに格好をつけていたのですが、昨年の日本一で「和の結実」と終止符を打ったかのような名付けをしてしまったことがポニーキャニオンの首を締めた感じがあります。
どう知恵を絞ってもしっくりとくるものが思い浮かばなかった、それであればシンプルにいこう、といったところなのでしょう。

そうなるとどうしても中身が気になるのですが、どうやら唐川と伊志嶺を中心に構成をしているようです。
パッケージでも唐川は堂々と真ん中に鎮座をしていますし、ルーキーながらも伊志嶺は最前列で存在感を出しています。
おそらくは岡田のスーパーキャッチも収録をされているでしょうから、もしかするとDVDを見ただけでは最下位のチームとは思えないものに仕上がっているかもしれません。
それはそれでポニーキャニオンの腕の見せ所ではあるのですが、サブタイトルごときに苦しんだところを見るとどうにも不安が高まります。
やはり怖いもの見たさのDVDなのかもしれませんが、ロッテファンにとっては踏み絵のごとく来季に向けての通過儀礼だと思って正座をして待つことにします。

 

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今さらながらも大歓迎

2011-11-29 00:11:03 | 千葉ロッテ

西村監督が来季の荻野貴の起用についてコメントをしたようで、外野手として2012年を迎えることになりそうです。
私からすれば当初から荻野貴のショートへのコンバートには大反対でしたから当たり前に過ぎる判断ではあるのですが、それでも来季もこのままショートで起用をされる荻野貴ではないかと心配をしていましたので、例えそれが今さらながらであっても大歓迎です。
そもそもが一軍で活躍ができるぐらいの状態まで戻るかどうかが見えない荻野貴ですから守備位置を語るのは早計ではあるものの、グッドニュースであることは間違いありません。

荻野貴 外野に再転向へ…西村監督「遊撃手は膝に負担」 (11/28 スポーツニッポン)

ロッテの西村監督が、今季遊撃を守った荻野貴を外野に再転向させる意向を明かした。
ポスト西岡として期待された荻野貴だったが5月に右膝を故障。
8月に手術を受け、現在はリハビリを行っている。
新人ながら46試合で25盗塁した昨季に続いて、2年連続で右膝を手術したとあって、指揮官は「遊撃手は膝に負担がかかるし、厳しいかもしれない。もう一度外野で勝負した方が本人のためになる」と話した。

そうなれば外野戦争がさらに厳しくなり、今季にブレイクをした岡田もうかうかとはしていられません。
ルーキーとして申し分のない活躍をした伊志嶺も同様ですし、ようやくにきっかけを掴んだ角中などは戦々恐々でしょう。
同期の清田も自らを引き締めなければ落伍者となっても不思議ではありませんし、大松も退路を断って一塁守備に専念をする春季キャンプになりそうです。
もちろん荻野貴もポジションは力で奪い取らなければなりませんから、高いレベルでの競い合いに期待をしたいです。
そしてこの決断が外野手としてのサブローの復帰に微妙な影響と言いますか、波紋を投げかけることになるかもしれません。

またポスト西岡を狙う争いもスタートラインまで戻ることになりますので、高濱や細谷、そしてルーキーの鈴木も意欲満々でしょう。
再来年とは言いませんが将来的にポスト西岡は西岡、なんてオチが待っていないかなとの思いが無いわけでもありませんが、今はとにかく前を見るだけです。
このショートを意識して育てることができるか、多少のことには目をつぶって我慢をする胆力が西村監督にあるのか、これはチームだけではなく西村監督にとっても大きな意味を持つポイントになりそうですし、もし来季もショートのレギュラー、あるいはそれに準ずる存在となる選手が出てこなければいろいろな意味でのリセットが必要になりそうです。
何はともあれ大松の一塁挑戦、荻野貴の外野復帰により玉突きで面白い動きが出てくるのではないかと、そんな期待を持たせる機関紙の報道でした。

 

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2011年通信簿 29 小野晋吾

2011-11-28 00:35:58 | 千葉ロッテ

29 小野晋吾 投手 36歳 年俸1億円

【2011年成績】 19試合 4勝5敗0S 防御率4.46 72回2/3 81被安打 6被本塁打 22与四球 1与死球 32奪三振 被打率.286

福浦とともに36歳からの3年契約と異例の長期身分保障をされた小野でしたが、福浦が昨年に成績を持ち直したの対して小野は低落傾向が顕著だっただけに球団の思惑が読めませんでしたので、だからこそ生え抜きのベテラン投手が見せる今季のピッチングにかなりの注目をしていました。
しかし昨年よりは投球回を増やしたものの球界全体の投高打低の傾向を考えれば大きく成績を落としてしまいましたし、あれやこれやと故障が目立ったのが大きな不安材料です。
巷では人柄がよくチームメイトにも慕われている小野へのコーチ手形とも言われている複数年契約ですが、それも選手としての輝きがあってこそであることは言うまでもありません。
ですから福浦の2000本安打と同様にかなり厳しくはあるのですが、小野にも100勝を目指して頑張ってもらいたいです。

打たせて取る小野にとっては低反発球の導入は追い風になるはずでしたが、その追い風よりも衰えの方が大きかったのかもしれません。
春先から交流戦あたりまでは好投が続いていましたが、夏場から一気に成績を落としたのは球威の無さや加齢による持続力の低下と無縁ではないでしょう。
その点では力投型ではないだけに修正能力を発揮して無難に乗り切ったと言えなくもないですが、かつての小野を知っているだけにどうしても物足りなさを感じてしまいます。
ベテランらしからぬ立ち上がりの失点も多く、あまり若手の見本にはなれなかった今季の小野でした。

そんな小野には福浦とともに秋季キャンプで体を作り直すオフを過ごして欲しかったのですが、ここは自らの判断でトレーニングをしていると思うしかありません。
来季にあまりの醜態を見せれば村田が無理矢理にでもユニフォームを脱がすのではないか、なんて人の繋がりがあればまだマシなのですが、長くチームに貢献をしてくれた選手の衰えを見るのは辛く悲しいですし、それを指摘するのもかなりのエネルギーが必要ですから避けられるものなら避けたいです。
今季の成績を小野がどう考えているのか、昨年よりは上向いたと思っているのであれば来季も多くは期待できないでしょうし、しかしまだまだチームは小野の力を必要としています。
ピッチングだけではなく経験豊富な先輩として若手を引っ張る立場としての小野であって欲しく、先発に中継ぎにと地味ながらも存在感を見せる来季であることを願っています。

2007年通信簿
2008年通信簿
2009年通信簿
2010年通信簿


【オリオン村査定】 1億円 → 1億円 (±0%) ※3年契約 

 

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かなり微妙な組閣

2011-11-27 19:06:23 | 千葉ロッテ

最近は日曜日に仕事をするロッテのようで、今日は来季の組閣が発表となりました。
一部に報道をされた古いファンには懐かしい佐々木バッテリーコーチの誕生は見送られたようで、外部からの招聘は今オフに西武を退団した大迫総合フィジカルコーチのみですので新鮮さはなく、予想どおりに一二軍の配置転換だけでお茶を濁した感があります。
しかしこの組閣に西村監督の意向がどこまで働いているのか、球団の思惑が奈辺にあるかなど、それなりに微妙さを伴った興味深いベンチになったと言ってよいでしょう。
何はともあれ来季に臨む体制がようやくに整ったわけですから、頭と体をしっかりと動かすオフにしてもらいたいものです。

ロッテ来季スタッフ 1、2軍を大幅入れ替え (11/27 スポーツニッポン)

ロッテは27日、来季のコーチ陣を発表した。
高橋慶彦2軍監督がヘッドコーチに就任するなど、1、2軍を大幅に入れ替えた。
今岡誠内野手は選手兼任で1、2軍を含めた総合的な打撃・守備コーチ、川越英隆氏が現役を退いて2軍投手コーチに就任した。
スタッフは次の通り。

【1軍】
▽監督 西村徳文(51)=宮崎・福島高 背番号78
▽ヘッド 高橋慶彦(54)=城西高 87
▽投手 西本聖(55)=松山商高 81
▽バッテリー 山中潔(50)=PL学園高 74
▽ブルペン(投手) 井上祐二(48)=都城高 79
▽ブルペン(捕手) 吉鶴憲治(40)=鹿児島商工高 77
▽打撃 長嶋清幸(50)=自動車工高 86
▽内野守備走塁 佐藤兼伊知(52)=北海高 83
▽外野守備走塁 大塚明(36)=別府羽室台高 80
【2軍】
▽監督 青山道雄(51)=東海大 76
▽投手 成本年秀(43)=京産大 71
▽同 川越英隆(38)=青学大 未定
▽バッテリー 袴田英利(56)=法大 85
▽打撃 金森栄治(54)=早大 75
▽内野守備走塁 上川誠二(51)=箕島高 72
▽外野守備走塁 山森雅文(51)=熊本工高 73
【総合】
▽打撃・守備 今岡誠(37)=東洋大 2
▽フィジカル 大迫幸一(58)=国士舘大 未定

代わり映えのしない人事ではあるものの、やはり注目点は高橋二軍監督のヘッドコーチ就任でしょう。
次期監督候補の一人である高橋コーチを暴走気味の西村監督の脇に配することに球団のどういった意図があるのか、これはかなり気になります。
一言居士である高橋コーチは西村監督には鬱陶しい存在になる可能性があり、これが上手い具合にストッパーになればよいのですが、前政権で打撃コーチだった際には前監督との確執に際して黙りを決め込んだとも言われている高橋コーチだけに、実際のところどうなるのかが来季の大きな鍵になりそうです。
もちろん両者が助け合ってチームの底上げに寄与して欲しいことは言うまでもないのですが、どうにも一筋縄ではいきそうにもありません。
また西村監督とは意見が合わなかったとも言われる西本コーチと、高橋コーチとは広島で同じ釜の飯を食った長嶋コーチの一軍昇格もかなり意味深です。
不幸にも来季もチームが底辺をさまよった場合には契約が切れる西村監督が退任をすることは濃厚でしょうし、そうなれば本来であれば責任の一端のあるヘッドコーチも身を引くのが通例ではあるのですが、西村監督も二軍監督からヘッドコーチという流れで監督に就任をしたことを考えれば高橋監督へのバトンタッチも充分にありえます。
ここから夢を広げれば恩師である高橋監督を助けるため、という大義名分での西岡のロッテ復帰を考えるのも面白いでしょう。

そんな中で気になるのは二軍スタッフが相変わらずに弱いことで、球団は力の入れどころが分かっていないように思えてなりません。
成本コーチを二軍に持っていくのはかなり不安ですし、もし金森コーチが自らの考えに固執をしたことによる二軍転出であればやばいことになるような気がします。
一軍の状況を考えなければ高橋二軍監督や大塚コーチなど体を動かして若い選手に身をもって教えていたと評判のスタッフは二軍で頑張って欲しかったですし、永久就職的な顔ぶれが居座っていると言ってしまうと怒られそうですが、そこに気が滅入っているのは私だけではないでしょう。
そして単に能力的な問題が理由かもしれませんが黒木コーチ、前里コーチの退任は頭数によるもののような気がしますし、願わくば育成コーチなどへの転身であってくれればと、そう言えばシリウスなどでの非常勤コーチである佐藤幸コーチの立ち位置がどうなっているのかが知りたかったりもします。
また自らのブログで現役続行への意欲を見せていた川越の引退はかなり意外でしたし、今岡のコーチ兼任も何とも言えない不可思議さがあります。
チームの過渡期の呉越同舟のような感じがあり、はまれば凄い力を出してくれるかもしれませんが、混乱のままシーズンを終える2012年になりそうな気がしないでもありません。
そうなるかならないかはトップの力量に負うところが大きいと思いますので、西村監督と青山二軍監督の奮闘に期待をします。

 

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ウイルスよりも人害

2011-11-27 03:24:07 | 映画

人類が滅亡をする原因となるのは核兵器ではなく未知のウイルス、そんな話をよく聞きます。
実際問題として最近はあまり話題になりませんがAIDSは効果的な治療法が未だに見つからないまま患者が増えていますし、数年前の新型インフルエンザの騒動や、あるいは今日は米国で豚インフルエンザが人から人に感染をしたなどというニュースが流れてきましたので、かなり確率が高いのではないかと思います。
ただそれよりも怖いのは感染が広がることによるパニックなどの二次災害で、新型インフルエンザの際には当時の舛添厚生労働大臣が一番にパニクりましたので政府などは信用をするに足りませんし、水際対策が失敗をしたらしたで弱毒性なので大丈夫と言い出した役人などは言わずもがなです。
また東日本大震災による放射能漏れについてはブログだかで相当な支持を集める人が出ているようで、社会不安が高まると妙なことになるのは古今東西で変わりはないのでしょう。
そんなこんなで今日に観たのは「コンテイジョン」ですが、ウイルス感染による恐怖といったものではなかったことが肩すかしです。

コンテイジョン

ワーナー・ホーム・ビデオ

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新型ウイルスが全世界に広がっていく中での人間模様、これがこの映画のテーマなのかなと思います。
なにせ題名がコンテイジョン、つまりは感染ですからウイルスが拡散をしていく恐怖を描いたものと思われがちですが、もちろんそれはそれでリアルさや諦めを感じさせるような演出はされているものの、あくまでそれは二次的な要素に過ぎません。
人々のパニック、愛する者への思い、献身的な医療への姿勢、打算にまみれた扇動など、人の美しさと醜さが如実に顕れるのは追い詰められたときだとでも言いたいのでしょう。
確かに人の本性はそういったときにこそ出るものですから間違ってはいないのですが、どうにも白々しさが感じられたのは私がこの手の評価が高い映画には向いていないからなのかもしれませんし、どういう目的を持って何を描きたかったのかが今ひとつ分からなかった未熟さによるものなのだと思います。

何よりしっくりとこなかったのがマット・デイモンで、主役であるわけでも重要人物であるわけでもなく、何とも不思議な立ち位置ではありました。
そしてオヤジ化とデブ化に拍車がかかっているのが悲しくもあり、どんな事情よりもその体型がジェイソン・ボーンへのハードルになることでしょう。
そんなこんなで期待をした割には面白くなかったと言いますか、かなりの不完全燃焼気味です。
難しい、大変だと言いながらもワクチンができるまでのハードルが見えず、そしてハッピーエンドだったのが個人的には最悪な映画でした。


2011年11月26日 鑑賞  ★★★☆☆(3点)

 

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2011年通信簿 28 山本一徳

2011-11-27 02:26:07 | 千葉ロッテ

28 山本一徳 投手 28歳 年俸900万円

【2011年成績】 14試合 1勝0敗0S 防御2.87 15回2/3 14被安打 2被本塁打 5与四球 1与死球 12奪三振 被打率.237

根本との交換トレードでロッテの一員となった山本一ですが、その成績からすれば根本の穴は充分に埋めてくれました。
入団5年目にしてプロ初勝利を手にしましたし、レベルは低いもののキャリアハイの2011年ですから山本一にとっては移籍は大成功だったでしょう。
ただ数字ほどにはベンチから信用はされていないようで、そのあたりはニーズと実態がかみ合っていないことが理由だと思われます。
この山本一も左腕ながらも左打者を苦手とする一人であり、左のワンポイントに固執をする西村監督からすれば不満がいっぱいなのかもしれません。

分母が小さいために参考値でしかないのですが、それにしても右打者を.151と抑えているのに対して左打者には.303と打たれまくっているのですから、西村監督の信奉する左対左神話が今のチームではいかに無謀で無意味なことかがよく分かります。
与えた四球は全て左打者に相対したときのものですから、全くと言っていいほどお話になりません。
もはやこうなると投手だけの問題ではないことが明らかですし、普段からの練習方法や捕手のリード、そして心構えなどを一から洗い直した方がよいでしょう。
そして山本一で一番に気になるのはロッテな投手になりつつあることで、パワーピッチャーとしての期待とは裏腹にストレートのスピードは思ったほどでもなかったですし、打者から見づらいフォームと自慢げに語っていたのが嘘のように「ちょっと変わった程度」の投げ方にしか見えませんでした。
日本ハム時代の山本一をほとんど知らないのでこれが本来の姿なのかもしれませんが、どうにも個人的な印象が悪いのはこの期待外れ感が最大の理由です。
イメージとして残るのはくしゃおじさんのような顔つきだけ、来季はそんなことにはならないよう豪快なピッチングに期待をします。


【オリオン村査定】 900万円 → 1000万円 (△11%) 

 

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次はキャンプだ

2011-11-26 19:27:08 | よつばと!

 

よつばと! 11

アスキー・メディアワークス

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待ちに待ったよつばと!の最新刊、11巻が発売になりました。
休日出勤だったために手にしたのは夕方になってしまいましたが、それでも昨年とは違って発売日に読めるのですから幸せいっぱいです。
まずは興奮を抑えきれずに30分ほどでざっと読んでよつばと!ワールドに浸り、そして二度読みで1時間以上をかけて隅々まで堪能をさせてもらいました。
よつば、とーちゃん、ジャンボ、やんだ、あさぎ、風香、恵那、みうらにしまうーまでのフルキャストメンバーが顔を揃えて、不在だったのは綾瀬家の両親と虎子ぐらいで、ダンボーもいませんでしたが代わりにジュラルミンが大活躍でしたので何の不満もありません。
いつもどおりに元気いっぱいのよつばの自由奔放な姿を見て、無意識のうちに微笑んでいる自分がいます。

おそらくは一週間に満たない期間を描いた11巻ですので、まだまだ秋の日は続くのでしょう。
ピザを食べたり栗を拾ったり、そしてジュラルミンの手術と毎日がめまぐるしく過ぎていくよつばに休息はありません。
そして12巻に向けてキャンプの前振りがありましたので、今からそれが楽しみでうきうきとしています。
次に会えるのはまた1年後ぐらいになってしまうのでしょうが、もう暫くすると来年のカレンダーが届くはずです。
身の回りにいつもよつばがいる、そんな生活に大満足です。

 

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家貧しくて孝子出ず

2011-11-26 02:05:02 | 千葉ロッテ

鴨川キャンプを留守にしてまでトライアウトを視察した西村監督ですが、どうにも歯切れがよくありません。
気になる選手が何人かいた、とは言いながらも出足は遅々としているようで、これでは期待をしない方がよいように思います。
そもそもがトライアウトに参加をしている選手の多くがオファーの可能性が低いわけで、引く手あまたとは言い過ぎですが決まる選手は水面下であっさりと決まります。
ヤクルトは阿部に水田、木下の獲得を発表しましたし、西武も桟原を、そして林と菊地は横浜が濃厚のようですし、高橋信は横浜とオリックスの争奪戦、稲田は楽天、加藤大には阪神と楽天が興味を示していると報じられていますので、既にロッテは一歩も二歩も出遅れていると言ってよいでしょう。
そもそもが支配下選手登録の枠の問題もあって活発に動けないのでしょうから、最初からボタンを掛け違っているとしか言いようがありません。

それなりの選手が市場に出た今季ですが衰えると早いのが昨今の傾向だけに、その名前に踊らされるのは愚の骨頂だとは思います。
実際問題として首尾よく再就職を果たした選手の中から一軍で結果を残せるのはごく一握りであり、また費用対効果の観点が強いながらも能力的に見切られたビッグネームも少なくはないでしょうから、限られた資金を有効利用するために慎重に見極めたいとのスタンスは否定をしません。
とは言いながらも名前がある選手がオフの間にファンに夢を見させてくれることもまた事実ですので、どうにもロッテファンからすればつまらないのが正直なところです。
このままでは家貧しくて孝子出ず、に期待をするしかなく、しかしオートプレイで選手が伸びてくれるほど甘い世界でもないでしょう。
たかが一日かもしれませんがロッテからすれば貴重な一日を費やしたのですから、西村監督の視察が何らかの成果をもたらしてくれることを願うばかりです。

 

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2011年通信簿 27 古谷拓哉

2011-11-25 01:28:14 | 千葉ロッテ

27 古谷拓哉 投手 30歳 年俸1700万円

【2011年成績】 21試合 1勝0敗0S 防御率5.68 19回 25被安打 0被本塁打 9与四球 1与死球 14奪三振 被打率.329

6年目ながらもまともに一軍で投げたのは昨年だけですので実質的には二年目のジンクスに挑む古谷でしたが、しかしずっぽりとはまってしまいました。
故障もあって登板数が減ったことは昨年の使われぶりを考えれば仕方のないところではあるものの、3割を越える被打率は酷すぎます。
昨年に台頭をするきっかけとなった内角を果敢に攻める姿勢も見られなくなり、やや守りに徹した感は否めません。
しかし左の中継ぎとしては古谷に期待するところが大きいことに変わりはありませんので、来季は一から出直しのつもりでスタートをしてくれればと思います。

慣れという観点からすれば全く意味がないわけでもない左対左神話ですが、ロッテの投手ではほぼ無意味とも言える左腕が多すぎます。
古谷もその一人で、.406と打たれまくった右打者に比べれば抑えているものの今季も.273と満足のできる数字ではありません。
昨年は右打者の.194に対して左打者には.259と打たれているのですから、左のワンポイント的な使い方が虚しいことはベンチよりもファンの方が分かっているように思えます。
内角を攻めることにより抑えていた右打者に今季は打たれたのと同じ意味で、左打者にも攻めの気持ちが見て取れませんでした。
9四球のうち7つが左打者で、右打者に相対したのが37打席に対して左打者が54打席ですから数字からもそれが明らかです。
これは捕手のリードも大きく影響をしますので古谷だけの問題ではありませんが、結果が出ないから気持ちで負ける、そして結果が出ないという輪廻に陥ってしまったのでしょう。

とにかく思い切り腕を振れ、それしか言いようがありません。
故障から復帰をした最初の登板で久しぶりに気持ちいいぐらいの腕の振りでピシャリと抑えたピッチングこそが、古谷の持ち味であり活きる道です。
ようやくに手にした一軍で気持ちが前に出なくなったのであれば、昔話になりますが永野が自らの経験を語ってあげればよいでしょう。
まだまだこんなところで終わる、そして終わってもらっては困る古谷ですので、気持ちと体を引き締めて来季に頑張ってくれればと思います。

2007年通信簿
2008年通信簿
2009年通信簿
2010年通信簿


【オリオン村査定】 1700万円 → 1500万円 (▼12%)

 

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元ロッテ戦士たちの明日

2011-11-24 22:47:09 | 千葉ロッテ

鴨川キャンプは休日は大盛況らしいので人混みが嫌いな自分としては振替休日を使っての平日を狙っていたのですが、どうにも雨模様が多かったことでタイミングが合いません。
ようやくに今日は晴天で絶好のキャンプ日和かと思いきや、一昨日に体調を崩した知人の世話があって見送りとなってしまいました。
一番に鍛え直して欲しい小野や福浦、井口らのベテラン勢が不参加だったこと、西村監督のかけ声とは裏腹にグラウンド上では緩んだ空気が漂っているとの話が聞こえてきたこともあり、気持ちが今ひとつ乗らずにズルズルと先送りにしたことが失敗だったようです。
そんなこんなでキャンプ訪問は2月の石垣島までお預けということで、今日はシリーズ化となりつつある元ロッテ戦士たちの明日について書くことにします。


■小林宏之(阪神)
42試合 1勝5敗0S 防御率3.00 39回 43被安打 2被本塁打 19与四球 2与死球 45奪三振 被打率.279

メジャー挑戦が失敗に終わり阪神に移籍をした小林宏は藤川に繋ぐ勝利の方程式と期待をされましたが、昨年よりもかなり成績を落としてシーズンを終えました。
22ホールドとそれなりの数字は残しているものの、阪神ファンからすれば久保田とともに戦犯の一人であることは間違いないでしょう。
どういった設定かは分かりませんが出来高を手にしたとは思えず、しかし1億7000万が基本給ですから阪神は太っ腹だとしか言いようがありません。
セントラルの野球には疎いので想像でしかありませんが8暴投からすればフォークの制球が戻っていないのでしょうし、コントロールが武器であったはずが1試合平均で与四死球が5個を越えるほどに制球を乱し、被打率も昨年から5分も落としましたので低反発球の導入を考えれば打たれすぎです。
来季は先発に復帰をするとのことですが、この劣化の流れを押しとどめることができるかどうかに注目が集まります。

■根本朋久(日本ハム)
2試合 0勝0敗0S 防御率9.00 2回 2被安打 0被本塁打 2与四球 0与死球 1奪三振 被打率.286

オープン戦では好投をしていたために日本ハムで花開くかと思っていたのですが、終わってみればプロ最悪のシーズンとなってしまいました。
ほとんどが鎌ヶ谷で過ごす羽目となり、一軍では夏場にチャンスがありましたが打ち込まれて僅か2試合の登板でジエンドです。
二軍でもほぼワンポイントで起用をされての防御率が4点台ですから、このあたりの選手にはロッテよりもシビアな日本ハムだけに来季の成績によっては戦力外通告もあるでしょう。
そうならないためにも根本には奮起を願いたいですし、ロッテ戦以外での活躍を期待しています。

■斉藤俊雄(オリックス)
35試合 70打数 5得点 17安打 打率.243 1二塁打 0三塁打 0本塁打 2打点 0盗塁 6四死球 30三振 得点圏打率.353

光原とのトレードがどうにも納得がいかなかった斉藤ですが、本人からすればキャリアハイの成績を残した2011年ですので移籍は正解だったのでしょう。
もっともロッテに残っていれば里崎の故障で重用をされたのは田中ではなく斉藤であった可能性が高く、そういう意味では一軍レベルの力量は認められているのだと思います。
ただやはりキャッチングの拙さと言いますか、安易に手だけで捕りにいこうとするところは変わらないようで、序盤は無難にこなしていたようですが徐々に本領を発揮してしまっての7捕逸はいくら何でもやらかしすぎですし、2失策と合わせて投手陣の信頼を失いかねない失態です。
70打数で30三振とは根元や塀内も真っ青な数字ですし、それでもオリックス捕手陣では2番手争いをするだけのポジションにいる斉藤ですから、とにかく堅実さを心がけることで少しでも出場試合を増やしていく来季であることを願っています。

■西岡剛(ツインズ)
68試合 221打数 14得点 50安打 打率.226 5二塁打 0三塁打 0本塁打 19打点 2盗塁 16四死球 43三振

簡単に通用をするとは思っていませんでしたが、ここまでの不成績も予想外でした。
開幕早々に走者との接触で左すねを骨折してのリタイヤが痛かったですし、シーズン終盤にも右脇腹を痛めるなど体力的な不安を露呈したことは誤算だったでしょう。
そんな西岡も一昨年までは似たような状況で、そこから一念発起をしての昨年の大活躍だったのですから、来季は汚名返上とばかりに反攻をしてくれるものと期待をします。
西岡に求められた守備と走塁で12失策と2盗塁ですから1年目にして土俵際に追い詰められたとの意識はあるでしょうし、二遊間を守れるキャロルの加入がありましたので来季も出足をしくじると3Aに落とされたり、あるいはウェーバーにかけられての放出も覚悟をしなければなりません。
ロッテもかなりの痛手を強いられてのポスティングでの移籍でしたので、とにかく西岡には夢破れて帰国をしてロッテ以外のチームに復帰なんてことになってもらっては困ります。
悔いのないプレーで来年は清々しい笑顔で帰国をして欲しい、是非ともそうあってもらいたいものです。

■竹原直隆(オリックス)
29試合 78打数 3得点 16安打 打率.205 0二塁打 0三塁打 1本塁打 7打点 0盗塁 5四死球 16三振 得点圏打率.333

クリーンアップを任されるなどロッテに残ったよりは出番があったと思われる竹原ですので、屈辱的な金銭トレードであっても本人としてはウエルカムだったと思います。
しかし期待をされた打撃で結果を残せたとは言えず、せめてロッテ戦で活躍ができたのが竹原にとっては意地の見せ所だったのでしょう。
DHでの出番しか与えられませんでしたので来季は李大浩らの加入で厳しくなると予想をされますから、とにかく竹原としては長打力を見せつけるしかありません。
まずは代打で実績を積む、あくまで挑戦者の気持ちを忘れずに来季に臨んで欲しいです。

■大村三郎(巨人)
48試合 103打数 10得点 25安打 打率.243 5二塁打 0三塁打 1本塁打 9打点 0盗塁 7四死球 26三振 得点圏打率.276

いきなり移籍後の初打席でホームランを放つなどして目立った大村も、その後は二軍に落とされるなど苦労の一年でした。
そもそもが代走で起用をされるなどサブローがどういった選手になっているかを知らずに獲得をしたのではないかと思えるような原監督でしたので、その人となりを知るには時間がかかったのだと思われ、そういう意味では終盤に一軍に戻ってきてCSでもホームランを打ちましたので、これから巨人の大村が本当の意味で始まると思ったファンも多かったでしょう。
しかし意外なFA宣言で出番を求めての移籍を決断した大村にどういった考えがあるのか、重光ジュニアの発言に触発をされたのか、あるいは既に水面下で接触があったのかもしれませんが、ミリオンダラーズの待遇を捨ててまでの決断ですのでそれなりの勝算があるのだと思います。
大方の予想はロッテ復帰が鉄板とのことですが外野手以外が補強ポイントと言っていた編成部としては困った話ですし、今後の大村の動向から目が離せません。


何だかんだ言いながらも石川前球団運営本部長らの選手を見る目は確かだったのだなと、そう思わざるをえません。
もちろんプロ野球は興行ですから費用対効果などだけでは語れない世界ですが、しかしこれだけロッテから出て行った選手が輝きを失うのを見ると唖然とさせられます。
昨年に移籍をした清水とシコースキーは故障で今季はほとんど使い物にならず、橋本は一軍で出場をすることなく戦力外となり、早川は引退試合だけの出場でチームを去りましたので、結果論的なところはありますが移籍先のチーム、そしてそのファンには申し訳ないとしか言いようがありません。
あまり派手に活躍をされるとそれはそれで複雑な気持ちになりますが、しかしこれだけ雁首を揃えてダメダメでは気が滅入ってきます。
ロッテ戦以外でほどほどの活躍を、とは勝手な願いではありますが、あまりに尻すぼみは悲しすぎますので一層の奮起を期待したいです。

 

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2011年通信簿 25 ホセ・カスティーヨ

2011-11-24 02:45:33 | 千葉ロッテ

25 ホセ・カスティーヨ 内野手 30歳 年俸1200万円

【2011年成績】 86試合 331打数 31得点 89安打 打率.269 13二塁打 1三塁打 5本塁打 34打点 0盗塁 23四死球 45三振 得点圏打率.275

金泰均の代わりとして7月にデビューをしたカスティーヨですが、いきなり4打数4安打1本塁打3打点と見事なスタートを切りました。
これで得点力不足の解消となるかと大喜びでしたし、終わってみれば5本塁打ですから大砲としては期待外れではあったものの4番打者としてはそこそこの活躍ぶりではあります。
印象が今ひとつなのかロッテファンでも評価が低いようですし、来季の残留も決まらないなど不遇な感じがありますが、きっと2012年も打線の軸として頑張ってくれるはずです。
そして30本塁打などは望みませんので、80打点を目標に存在感を出してくれればと思います。

あまりに衝撃的なデビューだっただけに物足りなさがあるのは確かですが、しかし貧打のロッテ打線からすれば手放してよいカスティーヨではありません。
途中加入ですので規定打席には達していませんがレギュラーではチームトップの打率ですし、得点圏打率もまずまずです。
それでも印象が薄いのは外国人打者としての必須アイテムである怖さが感じられないからかもしれず、意外な器用さは一長一短な気がします。
今江と同様に早いカウントから打ちにいくことが多く、そのため三振も四球も少ないことで重厚さが足りていないように思えてなりません。
だからと言って三振を増やせというわけではありませんが、もうちょっと威圧感のあるスイングが欲しいところです。
前後を打つ打者がもう少し調子が上がれば今のスタイルも悪くはありませんが、逆に前後の打者を活かすための豪快さが求められるカスティーヨです。

気になるのは来日当初のハングリー精神と言いますか、積極さがだんだんと見られなくなってきたことです。
ぼてぼてのゴロでも一塁にヘッドスライディングをするようなパフォーマンスには是非があるでしょうが、個人的には嫌いではありません。
足首だかを痛めた影響もあるのでしょうが、どうにもチームの緩んだ空気に馴染んでしまった感もあります。
その故障の原因となった一塁守備も9失策と多すぎですし、捕球技術も高いとは言えませんので来季にどうするかは大きな課題でしょう。
そもそもメジャーでは二塁守備で評価をされていたらしいカスティーヨですし、昨年も16失策とエラーは多かったものの横浜でほぼ二塁手としてそれなりに評価を受ける守備を見せていたのですから、なぜに西村監督が一塁で使い続けたのかが気になってなりません。
あれだけポスト西岡、荻野貴に苦しんだことを考えれば、入団が決まった際にロッテファンの間で囁かれた遊撃での起用が一度もなかったのには違和感すらあります。
どちらかと言えばカスティーヨを積極的に一塁で起用をしたのではなく、福浦の衰えにより他に一塁を任せられる選手がいなかったというところではないかと思っています。
そのため大松の一塁挑戦がどうなるかによってカスティーヨの来季の起用法が大きく変わるでしょうし、玉突き式に面白いことが起きるかもしれません。
いずれにせよメジャーでの実績もあり、まだ若いカスティーヨをしっかりと戦力にしてこその来季だと見ていますので、アチャのボールをへし潰すぐらいの打撃に期待をします。


【オリオン村査定】 1200万円 → 3000万円 (△150%)

 

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2011年通信簿 25 竹原直隆

2011-11-23 02:36:01 | 千葉ロッテ

25 竹原直隆 外野手 31歳 年俸1960万円

【2011年成績】 2試合 4打数 0得点 1安打 打率.250 0二塁打 0三塁打 0本塁打 0打点 0盗塁 0四死球 0三振 得点圏打率.000

待望久しい大砲として期待をされた竹原は花開く前に30代となり、そして荻野貴と清田の入団で一気に存在価値を失ってしまいました。
オフの段階で支配下選手登録の枠を空けるための金銭トレード候補の筆頭として名前を挙げていましたので、開幕早々でのオリックスへの移籍に驚きはありません。
そのオリックスでは4番を任されるなどロッテに残ったよりはチャンスをもらえたわけですから、両者にとってプラスに働いたトレードと言ってよいでしょう。
そしてロッテ戦ではホームランを打つなどして意地を見せた竹原でしたが、しかしシーズンを通してのアーチはその1本で打率も2割そこそこに終わりました。

やはり危惧をしたとおりに金森打法の習得を目指したことが、竹原の劣化に拍車をかけたのでしょう。
振り遅れるだけだからやめておけ、とは数年前からの指摘でしたが、詰まった力のない打球しか飛ばせない竹原では魅力は半減です。
オリックスではやや打撃フォームが変わったようにも見えましたが結果に大差はなく、振り遅れて右方向への打球が多かったことが相変わらずさを物語っています。
意外な俊足ぶりを活かせるでもなく、守備が上達をしたわけでもなく、どうにも特徴を見いだせなくなってしまっています。
そんな竹原の来季に光明はあるのか、DH専門ですから李大浩の入団が濃厚なだけに厳しさは否めませんが、既に他人事ながら幸あれとしか言いようがありません。

2007年通信簿
2008年通信簿
2009年通信簿
2010年通信簿


【オリオン村査定】 1960万円 → 移籍にて査定不能 ※4/29にオリックスに金銭トレード

 

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2011年通信簿 24 小池翔大

2011-11-22 00:53:34 | 千葉ロッテ

24 小池翔大 捕手 23歳 年俸1000万円

【2011年成績】 E 56試合 165打数 16得点 39安打 打率.236 3二塁打 0三塁打 6本塁打 22打点 1盗塁 25四死球 22三振

大学ナンバーワン捕手との呼び声が高かった小池ですのでそれなりの期待感はありましたが、ここまでやってくれるとは思っていませんでした。
空気を吸っただけで終わりましたが一軍ベンチも経験をしましたし、おそらくはロッテファンにとってはポスト里崎としての筆頭候補でしょう。
まだまだ海のものとも山のものともつかぬ小池ではありますが、金澤や田中に足踏み感が顕著なだけに来季こそは正真正銘の一軍を経験をすることで一気に檜舞台を踏んでくれることを願っていますし、大事なところで故障をして絶好のチャンスを逸したことが持って生まれたツキの無さではないことを祈るばかりです。

小池がまず目立ったのは浦和でアーチを連発したことによるもので、さして期待をしていなかった打撃でのアピールは意外でした。
しかし終わってみれば尻すぼみで打率も低調な結果となりましたので、やはりバットで飯を食っていくタイプの捕手ではないのでしょう。
それでもまるで打てないわけでもなく、意外に長打を放つ宝くじ的なところは里崎に似ているかもしれません。
その里崎と違うところは無茶振りをしないことで、地味ながらもコンパクトに振り抜くことを心がけているように見えます。
またこれだけの打数で三振よりも四死球の方が多いのは珍しく、選球眼がいいと言うよりはチームのために自分を殺せる性格の持ち主ではないかと買いかぶっています。
一方の肝心の守備は強肩ではありませんが人並みの肩はありますし、キャッチングにも破綻はありません。
多くを見たわけではありませんのでリードぶりはよく分かりませんが、そのあたりは今後の経験によってどうにでもなりますので今季は評価外です。
とにかく多くの投手のボールを受けることが成長に繋がりますので、故障をするまではかなりの試合でマスクを被ったことからもチームとして期待をされているのでしょう。
こういった選手は贔屓をしてでも使い倒してこそファームの意義が出てきますので、いい傾向だと思います。
その流れで来季は一軍で最低でも30試合程度の出場をさせる、そのぐらいの育成計画に則った小池の起用をしてもらいたいのですが、そういう意味では西村ロッテの来季を占うリトマス試験紙にはちょうどよい立ち位置にいる小池の2012年から目が離せません。


【オリオン村査定】 1000万円 → 1000万円 (±0%)

 

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