日本ハムとの大事な決戦の初戦を、ロッテ野球を展開して苦しみながらも勝利しました。
これで余裕を持って明日のダルビッシュを迎え撃つことが出来ます。
それにしても今季を象徴するような、まさにロッテらしい野球を繰り広げてくれました。
7回まで8安打を放ちながらも3併殺で無得点、残塁の山を築きまくりました。
そして相変わらずのベンチの無策、2度の無死一塁のチャンスに何をすることなくベニーに打たせてチャンスを潰すというバレンタイン野球満開でした。
昨年からベニーであっても下位を打たせるのであればチャンスでバントをさせるべきだと何度も主張してきました。
今年はオーティズに指示するなど多少はバントを使ってくるようになってきたバレンタイン監督ですが、しかしキャンプからそういった野球を目指して外国人選手といえどもバント練習をきっちりとさせてきたのか、こういった大事な試合の大事な場面でサインを出せないところを見ると、おそらくはそういう前提での練習はさせてこなかったのだろうと思われます。
昨年に書いたことを再度書きますが、日本シリーズの最終第7戦、1点ビハインドで迎えた最終回の無死一塁で打者はベニー、総力戦で既に交代させる選手はベンチにはいない状況で、果たしてベニーに強攻のサインを出すのでしょうか。
今日のような下手な野球をやっているから安定してAクラス入りができないわけで、この秋季キャンプからきっちりとしたプレーができる準備をして、来季こそは堅実な野球でシーズンを戦い抜いてくれるロッテを見たいものです。
攻撃面だけではなく、牽制悪送球にワイルドピッチ、5回にして2安打目のヒットで先制点を許すという、これまたロッテらしい失点の仕方でイヤな雰囲気が漂いました。
しかしこちらもロッテらしい、一気果敢の大量得点での逆転劇ですから分からないものと言いますか、まさにロッテ野球が凝縮された展開となりました。
この1年を振り返るのに、これ以上はないだろうと思えるような試合であったと言えます。
その大逆転劇を演出したのは、福浦、サブロー、大塚といったベテラン勢の意地であったと思います。
ここのところ体調不良もあってかベンチを温めることの多かった福浦が、真ん中の甘いストレートを見逃すことなくシャープに振り抜いてのライトフェンス直撃の同点ツーベースは、もう見事としか言いようがありません。
試合に出る機会が少ないとなかなか初球には手を出しづらいものですが、そこはさすがは福浦、むしろ狙っていたかのような迷いのないスイングでした。
そして同じく久々の打席のサブローも、目の前で橋本が敬遠された屈辱を晴らすかのような、しかし冷静に初球を狙った勝ち越しタイムリーを放ち、澱んでいた空気を一変させて流れを一気に引き寄せてくれました。
きっとサブローは札幌でやってくれると信じていましたが、まさに期待に応える4安打の大活躍です。
仕上げは大塚の技ありのタイムリー、内角に食い込まれたボールを押し出すようなバットコントロールで、動転した武田勝がタイミングは完全アウトのホーム返球をカットするミスにも助けられ、決定的な4点目をただき出してくれました。
主軸となるべき3人の外国人選手が今日はバレンタイン野球に染まって足を引っ張りまくっていただけに、このベテラン3人衆の活躍無くして今日の勝利はありませんでした。
やはり頼りになるベテランがいるチームは強い、そう感じられる今日の試合であったと思います。
先発した成瀬も、昨年の涙と決別するかのような、今日は素晴らしいピッチングを披露してくれました。
昨年の成瀬を彷彿させるかのような、ストレートの伸びと精緻なコントロールで日本ハム打線を全く寄せ付けませんでした。
ストレートにキレがあったからこそスライダーなどの変化球にも打者はタイミングを合わせられず、立ち上がりから絶妙なところへボールを配していたこと以上に、空振りをとれていたことで今日の成瀬はいけると思いました。
その思い通りに7回を3安打10奪三振ですから、この大事な試合の先発の任をきっちりと果たしてくれたと言ってよいでしょう。
どうということのない打者に無駄な四球を与えるなど反省点はありますが、今日の8勝目はチームだけではなく成瀬自身をも救った貴重な白星であったと思います。
逆にOKコンビニは不安が残りました。
最近は少し調子を落としている川崎ですが、リリースポイントが一定していないことで制球が安定しません。
腕はまだ振れていますが、疲れからかやや肘が下がっているようにも見え、ちょっと心配です。
また弾丸ライナーをはたき落とすガッツでピンチを防いだ荻野ですが、今日は同様に制球が安定せず、僅少差であれば苦しかったかもしれません。
2人とも60試合前後の登板で当然疲れも溜まっているでしょうが、あと4試合を頑張れば1週間の休養がありますので、何とか踏んばって欲しいところです。
その他にも気になる点がいくつかありました。
福浦のあの当たりで一塁から里崎は返ってこれなかったのか、相手のミスに助けられたものの大塚の当たりで二塁から橋本を突っ込ませたのは正しい判断だったのか、オーティズの体で止めずにグラブ捌きで処理しようとした失策は油断ではなかったのか、数え上げればキリがありません。
里崎の場合は直後に代走がでたことを考えれば背筋痛もあって全力疾走が困難だったからかもしれませんが、こういった小さなミスが積み重なって試合を落とすことはいくらでも経験してきていますので、今一度これらのプレーを見つめ直して欲しいと思います。
今日の勝利で日本ハムを抜き去り、気持ち的な余裕をもって2戦目を迎えることができます。
明日は開幕戦と同じ顔合わせで、小林宏vsダルビッシュの今季3度目の対戦となります。
前の2度の対戦はいずれも日本ハムに軍配が挙がっていますが、小林宏は14回1/3で2失点と打たれての敗戦ではありません。
前回7月には札幌でダルビッシュをKOしていますし、上にいる者の強みで伸び伸びとした野球をやれば勝てない相手ではありません。
今日の成瀬に続き、今季の不振を叩き返すような小林宏の快投で日本ハムを奈落の底に突き落とす、明日は敵地札幌でそんな痛快な野球を見せてもらいましょう。
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計 |
安 |
失 |
千葉ロッテ |
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0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
0 |
4 |
15 |
2 |
日本ハム |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
3 |
1 | |
◆9月28日(日) 日本ハム-千葉ロッテ23回戦(ロッテ12勝11敗、13時、札幌ドーム、42,126人) ▽勝 成瀬 22試合8勝6敗 ▽S 荻野 56試合5勝5敗29S ▽敗 建山 58試合1勝2敗2S
▽バッテリー 千葉ロッテ 成瀬、川崎、荻野―里崎、橋本 日本ハム 藤井、建山、武田勝、武田久、宮西―高橋
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