これだけ野球のない日が続くとスポーツ紙もネタに困ってしまうようで、ロッテでは早々とバレンタイン監督の続投が決まったかのような記事を飛ばしてくれました。
ファンの間ではいろいろな議論がされ、波紋が広がっているようです。
ボビー最下位でも続投、首脳陣方針固める (6/25 日刊スポーツ)
ロッテが今季最下位でもボビー・バレンタイン監督(58)を来季続投させる方針を固めたことが24日、明らかになった。
重光昭夫オーナー代行、瀬戸山社長ら球団フロントが会談を持ち、順位に関係なく来季も指揮を任せる方針で一本化した。
同監督は04年に2度目の監督に就任後、05年に31年ぶり日本一へと導き、アジアシリーズ優勝を達成した。
その手腕を買われて06年から4年契約を結び、今年は3年目のシーズン。
契約は来年まで残っているが、今季は交流戦を終えて最下位と低迷。
借金は一時、ボビー政権下ワーストタイとなる12まで膨らむなど苦戦している。
責任問題にまで発展しかねない状況だが、重光オーナー代行との深い信頼関係や過去の実績を踏まえ、契約が残る来季まで任せることで一致した。
オーナー代行はかねて「ただ単に勝つだけではなく、メジャーのノウハウを持っているので今後もチームに反映させてもらいたい」とボビー効果を強調。
選手の個性を生かした指導法や、メジャー流のきめ細かいファンサービスで、昨年は球団史上最多の154万人の観客動員を達成。
人気、実力両面での手腕を高く評価しており、今後も期待を寄せている。
球団側の意向はすでに監督本人に伝えている。具体的な話し合いは行われていないが、毎年オフになると取りざたされるメジャー監督就任問題がクリアされれば、2期7年目のシーズンに突入することになる。
記事を見れば分かるとおり、得意の「球団関係者」のコメントすらなく、他紙での報道もないことから飛ばし記事であることが濃厚です。
また球団の意向がどうであれ最終決定権はバレンタイン監督自身が握っているだけに、こんな記事に一喜一憂しても仕方がありません。
とは言いながらも、私は今オフでバレンタイン監督は退陣するのではないかと考えています。
マジックのネタが尽きたことによる行き詰まり感が漂っているからです。
この状況を打開してまで監督を続けるモチベーションがあるのか疑問ですし、近頃の投げやりにも見える言動がこの考えを後押ししています。
しかし5億とも6億とも言われている年俸をみすみす捨てるとも思えず、あと1年残っている契約は有効に活用するしたたかさは発揮すると思います。
【シナリオ1】 メジャーから監督のオファーがあり、今オフに退団する。
メジャーで監督就任となれば契約期間を全うせずに退団できるらしいですし、下位低迷の責任を取ってという汚名を負うこともなくなります。
また5億とはいかなくとも300万ドルぐらいの待遇は得られるでしょうから、経済面での損失も最小限で済みます。
バレンタイン監督にとっても、球団やファンにとっても、誰ひとりとして傷がつかないベストシナリオです。
【シナリオ2】 小宮山監督就任、GMとしてバックアップ側に回る。
さすがに小宮山の引退は避けられないでしょうから、将来的に小宮山を監督に据えようと考えている球団としては、バレンタイン監督と近いポジションにいる小宮山を抜擢することで、監督交代の批判を避けることができます。
またバレンタイン監督もGMとして球団に残ることで契約が残った1年分の年俸をそのまま受け取ることができますし、小宮山の後見としての立場を取って「将来のことを考えて後進に道を譲った」と主張することで、下位低迷の責任による退陣ではないと言い逃れができます。
ただしこのシナリオでは、かなりの確率でバレンタインGMは1年で退任すると思います。
【シナリオ3】 バレンタイン監督が留任する。
メジャーからのオファーもなく、小宮山をいきなり監督にすることへの不安から、小宮山を助監督の扱いとしてバレンタイン政権が続くことになります。
立場的にはGMか監督かの違いでシナリオ2に近いですが、この状態が数年続くことになる可能性が高いと思います。
集客面を考えれば、球団としてはシナリオ3が理想でしょう。
しかし私としては今のバレンタイン監督であればジリ貧は避けられないと考えているため、シナリオ3は一番避けたい選択肢です。
エンターテイナーとしてのボビー・バレンタインは評価しているので、やはりコーチ陣を一掃して裸の王様状態を改善することがベストだと考えます。
しかし私がどう考えようと、ファンがどう考えようと、球団がどう考えようと、主導権をバレンタイン監督が握っているわけですから虚しい議論です。
そこには球団の将来も選手の思惑もなく、ただバレンタイン監督がどう考えるかに左右されますので、ここがロッテという球団の抱える一番の不幸なのかもしれません。