やたらと選手の入れ替えが多かったロッテと横浜ですが、選手だけを見れば「清水+橋本+早川←→那須野+斉藤+吉見」となります。
FAの橋本を加えるのであれば杉原も入れるべきとの考えもあるでしょうが、それは置いておくことにします。
当然のことながら金銭が伴い、かつロッテが清水の年俸負担をしなくてよくなった分を考えればどちらが有利かは微妙なところではありますが、今の両チームの成績を見ればあながちロッテが不利とも言えず、そしてこの交流戦でもう一つの条件が加わっていたことに気づかされました。
それは横浜からロッテへの白星4つの献上で、このトレードは「清水+橋本+早川←→那須野+斉藤+吉見+4勝」と見るべきなのでしょう。
その対横浜戦の4連勝を決めた今日の試合は、劇的な里崎のサヨナラアーチで幕を降ろしました。
まさに里崎の宝くじたるところをいかんなく発揮したホームランで、右方向への里崎らしい一発は横浜からすれば信じられないものを見せられた気分でしょう。
ヒーローインタビューでやたらと気にしていた三振も今日は不甲斐ない見逃し2つをやらかしましたから、ほぼ完璧なリードをしていた武山にも油断があったのかもしれません。
これがあるから里崎をなかなか外すことができないのでしょうし、昨年までとは違って8番ですから王様スイングも何とか我慢ができます。
山張りバッターだと思われる里崎の短所と長所が出た試合は、その長所が勝って貴重な勝ち星をもたらしてくれました。
サヨナラ勝ちの立役者は里崎だけではなく、渡辺俊も今日はしっかりと勝利に貢献をしました。
簡単に早いカウントから手を出してくれる貧打の横浜打線が相手であったことを差し引いても、今季ベストピッチングと言ってよいぐらいの好投であったと思います。
驚くぐらいにコントロールが抜群で、低めに丁寧に投げることができたことで9回を4安打の零封ですから100点満点をあげても誰も文句は言わないでしょう。
おそらくは多くのロッテファンの脳裏には「痛恨の一発」があったでしょうし、7回の村田の打球にはヒヤッとさせられましたが、今日は緩急も上手く使えていたことでポイントがずれて大火傷になることはなく、まだこれだけの快投ができるのかとちょっと見直しました。
ただこれが続かないのが渡辺俊だったりもしますので、昨年の轍を踏まないよう次回の登板でも好投をしてくれることを願っています。
その渡辺俊が9回109球ですから10回も投げさせてもよかったとの見方もあるでしょうが、中5日で回すことを考えればギリギリなところだったと思います。
延長は3回しかありませんから勝利の方程式で乗り切るとの判断は間違ってはいませんし、やや意外にも思えた普段とは逆の順番で登板をさせたことも延長戦での戦い方としてはむしろオーソドックスであり、いい投手からつぎ込むのは妥当なやり方です。
小林宏と藪田はともに走者を出して苦しいピッチングとなりましたが、盗塁死やバント失敗などにも助けられて2試合連続完封に貢献をしました。
心配なのは内川の打球を手に受けたようにも見えた藪田で、ベンチに戻ってから治療をしているような雰囲気はなかったのでグラブだったのかもしれませんが、スローでは右手の手のひらあたりに当たっているようにも見えましたので、無事であることを願っています。
藪田よりも心配なのは、左膝を痛めて担架で運ばれていった早坂です。
盗塁の際に左足をベースに引っかけた感じのまま倒れ込み、かなり嫌な感じで膝を捻ったように見えました。
これで荻野貴に続いて足が武器の選手がその足を痛めて長期離脱をするとなると目の前が真っ暗になりますし、2番打者をどうするかにも頭を悩まさなければなりません。
行方不明だった荻野忠も右肘の遊離軟骨除去手術を受けるとの発表がありましたし、冗談抜きでお祓いをした方がよいと思います。
まさに野戦病院化をしてきたチームを西村監督、そしてコーチ陣がどう立て直していくのか、これは逆に言えば控え選手にとってはチャンスでもありますので、何度も書いてきたことではありますが「災い転じ福となす」と前向きに考えていくしかありません。
サブローが本領発揮をし、ついに西岡の連続試合安打が止まるなど久しぶりに新人育成機関の顔を見せかけた打線は、スライダーを武器にする加賀のボールの出所が見づらいフォームと武山の大胆に内角をえぐるリードに翻弄をされた感がありました。
ソフトバンク戦でも山崎にいいようにやられていますし、これは手元まで引き付けて打つという金森打法の弱点と言ってよいかもしれません。
どうしても内角を攻められると窮屈なスイングになりますから、始動が遅いと詰まった打球しか飛ばなくなります。
そろそろ疲れが出てスイングスピードが遅くなることでさらに厳しくなってくるでしょうから、やはり適度な休養を与えることを考える必要があるように思います。
それでも勝ってしまう、これはロッテが強いのか横浜が弱いのか、おそらくは両方なのでしょう。
まるで埋伏の毒と言わんばかりの早川のバント失敗と三振に横浜ファンは激怒をしているでしょうし、9回以降のチャンスをものに出来なかった打線の不甲斐なさと、ロッテ投手陣の粘り強さを痛感しているものと思われます。
清水の舞台から飛び降りるぐらいの覚悟で臨んだであろう横浜の大型補強が空回りをしつつある中で、世間の不況もあってロッテの躍進が経済面で取り上げられることが増えてきたことに球団も自信を深めつつあると思われ、それはある意味で選手とファンの犠牲の上に成り立っているところもありますので、何とも複雑な気分ではあります。
それにしてもハイビジョン放送は素晴らしいの一語に尽きます。
60型のテレビで見るとバックネット裏にいるような臨場感があり、これに慣れてしまうと球場から足が遠のきそうで自制をしなければなりません。
どうにも雨が心配で直前までチケットを買わない習慣がつきつつあるために今週末のような天候ですと出不精になってしまうのですが、結果的に薄日が差すぐらいの空模様になったことを反省して、昨年のようにレインコートを着ての観戦を覚悟することにします。
さすがに平日の雨はスーツですから無理ですが、今後は週末のTtwellVは封印をすることにします。
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千葉ロッテ |
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1X |
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◆5月30日(日) 千葉ロッテ-横浜4回戦(ロッテ4勝、13時、千葉マリン、25,794人) ▽勝 藪田 21試合1勝1敗1S ▽敗 山口 22試合1勝5敗13S ▽本塁打 里崎7号(山口)
▽バッテリー 千葉ロッテ 渡辺俊、小林宏、藪田―里崎 横浜 加賀、牛田、山口―武山
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