今日の強風からして渡辺俊の有効活用ができたのにと、無理に昨日に試合を強行したことが裏目に出てしまったとも思ったのですが、まさか川越でも大谷でも小林でもなく、その渡辺俊が今日も先発をしてくるとは思いもよりませんでした。
自分の記憶では深沢以来の2試合連続先発で、同じアンダースローというのはただの偶然でしかないのですが、21世紀の野球ではなかなかお目にかかれない珍事だと言えます。
一方の巨人の先発は中6日の沢村でも報知が名前を挙げた西村でもなく左腕の高木とこちらも想定外で、4番に福浦を据えた西村監督もしてやられたといったところでしょう。
この両先発がどういったピッチングを見せるのかがこの試合の鍵を握っていた今日の試合でしたが、何とも言えない微妙な試合展開となりました。
渡辺俊はいきなり初球の被弾でせっかくの昨日のノーゲームをチャラにする出足でしたが、その律儀さに巨人打線が胸打たれたのか5回を4安打2失点ですから充分に合格点です。
前日に35球も投げての連投ですから5回71球を投げきっただけでもアップアップで、その5回に四球で乱れてピンチを招いたところを続投させたのは、その好投に報いて白星のチャンスを与えたかったベンチの恩情ではないかとも思われますし、長野にも感謝をしなければなりません。
ピッチングとしては昨日やこれまでと顕著に変わったところはありませんでしたが、やはり強風と慣れないアンダースローに戸惑うセントラルの各打者といったところだと思われ、36歳を目前にしたベテランに無理を強いたベンチにも考えるところがあったのでしょう。
これで勝利ともなればしてやったりのところを勝ちきれないのが今年のロッテだったりもするのですが、聞こえては消え、聞こえては消えを繰り返しているドナドナがとりあえずは遠ざかっていく、そんな今日の渡辺俊のピッチングでした。
その渡辺俊の頑張りに報いるべく、中継ぎ陣も奮起をしてくれました。
数字ほどはピリッとした感じがない伊藤も今日は2回をパーフェクトに抑えましたし、内と藪田も2回を零封ですから文句のつけようがありません。
逆に言えば一軍に登録をされてから数日を経ているのに登板機会がない川越と小林という、ついに投手版の地蔵が登場をしたことが今後の重荷となります。
明日が移動日であればまだしも、今日に内が33球、藪田が32球を投げたことを考えれば試合前からハンディキャップを負ったも同然で、接戦となればどうにも不利は否めません。
この展開で大谷を使わなかったことを考えればいよいよ明日にプロ初先発のチャンスが巡ってくるのではとも思うのですが、もしこれで川越あたりが、あるいは驚愕の光原リターンズとでもなれば不可解な投手リレーとして、今日の試合は後々まで語り継がれることになるでしょう。
打線はとにかく4番、これに尽きます。
福浦も頑張ってはいますが4番はさすがに荷が重いですし、かと言って里崎は論外ですから、もうどうにもならない感じがあります。
井口だけが突出して好調を維持しているだけに、あっさりと敬遠で4番勝負という屈辱的な作戦をとられるのですからお話にもなりません。
これで井口を4番に据えても何ら問題は解決をしませんし、サブローや金泰均が一日でも早く戻ってきてくれることを願うばかりです。
もし金泰均が時間がかかるようであれば新外国人野手、できればNPBを経験した選手の獲得の検討も急がれます。
軸がしっかりとすれば活きてくる選手が多いだけに、もっともこれは主軸となる選手を欠いていることに他ならないので悲しい現実ではあるのですが、それがサブローであれ金泰均であれ新外国人野手であれ、いろいろな意味での不動の4番の登場を心待ちにしています。
その4番にいっそのこと大松を、とも思っていたのですが、今日のバッティングを見てその考えは捨てました。
あれだけコントロールに苦しむ高木に対して、初球を併殺打はないだろうとは正直な思いです。
不調ですから追い込まれる前に何とかしたい、さらには左対左だからという苦手意識もあったのでしょうが、待っていたボールと言うよりは思わず手を出してしまったという中途半端さが見えた、悲しさすら感じられる初回の醜態でした。
あそこで犠牲フライでも打てていれば大きく流れが変わったでしょうから、ほぼ負けに等しい今日の引き分けの戦犯との指摘は免れないでしょう。
しかしここで大松を引っ込めてしまっては今日の悔いを悔いとして残すだけになりますので、大松と心中をするぐらいの気持ちでベンチには歯を食いしばってもらいたいものです。
宝くじは当たらないから宝くじですので、初回にタイムリーが出ただけに里崎の次の打席での併殺は諦めるしかありません。
またことごとく4番勝負で凡退を繰り返した福浦も、相手が嵩に懸かって攻めてくるので受け身になってしまったことも仕方がないところではあります。
しかしその立場を考えれば高口のバント失敗には猛省を求めますし、ああいったところできっちりと決めなければ次の出番は失われてしまうことでしょう。
常に一生懸命さを見せてくれる高口だけにもったいないプレーでしたし、同じ過ちを繰り返さないことを願っています。
それにしても今日の試合でもほぼ9人野球で、逆愛人枠とでも言うべきなのか塀内の受難はどこまでも続きます。
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