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オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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ソロモンの犬

2013-06-30 19:52:21 | 読書録

ソロモンの犬

文藝春秋

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主人公の秋内静は通っている大学の椎崎助教授の一人息子の陽介が飼い犬のオービーに引きずられる形で車道に飛び出してしまい、事故死をするところを目撃します。
なぜオービーは突然に飛び出したのか、その直前に歩道で動かなくなった理由は何なのか、気になった静は現場の近くに居合わせた大学の友人の友江京也、巻坂ひろ子、羽住智佳の不可解な言動に疑問を覚えつつ、オービーを預かった動物生態学に詳しい間宮助教授に相談をします。
そして静を取り巻く人間関係が動き出すとき、物悲しい人間の弱さが浮き彫りになって謎が解き明かされるといった流れとなっています。

この作品をミステリーに分類をするのは、ちょっと違うかもしれません。
陽介の死に違和感を感じて自分なりに調べ始めた静が謎に近づいていくといったところからしてミステリーと言えないこともありませんが、しかし青春ストーリーの方が近いです。
草食系の静が智佳に好意を寄せながらも言い出せず、また京也やひろ子らの言葉に悶々とする中で起きた一つのエピソードとしての陽介の事故、そんなところでしょう。
動物生態学を持ち出したところなどは面白いですし、最後の数頁の展開には驚かされましたが、しかし前半の意味深な伏線を拾いきれていないところに中途半端さが残ります。
喫茶SUNで策を弄しすぎたかなと、それでも他の作品も読んでみたくなった初の道尾秀介でした。


2013年6月30日 読破  ★★★☆☆(3点)

 

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サブローの一振りに今江が抱きつく

2013-06-30 01:12:09 | 千葉ロッテ

 

成瀬が登録を抹消されました。
前日に「調整を任せていたが走っているところを見たことがない」「エースに値しない」と厳しい言葉を発していた伊東監督だけに、さすがに腹に据えかねたのでしょう。
一方の成瀬は「メンタルの問題」と噛み合っていないようで、その噛み合わなさはともかくとしても無理矢理感のある中5日での起用もありましたから多少は成瀬の肩を持ちたくもなりますが、しかしシーズンに入ってからさらに太ったようにも感じられるその体つきを見れば伊東監督に分がありそうです。
この流れからして一軍に帯同をしての調整ではなく浦和に送られるのでしょうが、青山監督や小谷コーチからすればちょっと気が重いかもしれません。

4時間に近い熱戦に終止符を打ったのはサブローの一振りで、最終回に追いつかれて嫌な雰囲気となったところでの値千金のサヨナラヒットでした。
真ん中に甘く入ってきた初球を見逃さずに、そして無理に引っ張らずに広く空いた一二塁間を抜いたあたりなどはさすがにベテランといったところでしょう。
追いつかれる原因を作った、左打者が流したスライス気味の打球ではありながらも正面のそれをグラブからこぼして焦ったのか二塁に悪送球をした今江が抱きついて喜ぶのも当然のことですし、動きが激しくてブレがありISO800で粗くなってしまったのが残念ではあるのですが、なかなかにいいショットが撮れたのではないかと思います。
スタメンともなると力の衰えが隠せないサブローですが名前があるだけに代打の切り札としてはまだまだ大きな存在感がありますので、今後もその一振りに期待をします。

先発の西野は8回を1失点ながらも9安打を浴びる苦しいピッチングで、しかしそれでも崩れなかったことは大きな自信になると思います。
130キロ台後半のストレートがこれまでとは違ってその数字ぐらいにしか見えなかったところからしても疲れが溜まってきていることは想像に難くなく、その中で中盤から立て直して八回まで投げきったことは「お前がエースだ、西野」のコールに応えるものですし、その粘り強さに拍手を送りたいです。
ストレートに伸びを欠けば変化球を見極められてしまいますし、伝家の宝刀であるフォークも研究をされてなかなか振ってくれなくなってきたことで厳しくはなってきましたが、それでもこれだけの結果を残せるのですから西野も日々成長をしているのでしょう。
残念ながらライバルの則本に2差となる8勝目は掌中からこぼれてしまいましたが、しかし防御率で1点のリードはかなりインパクトがあるはずです。
本人も新人王に強い意欲を持っているようですから、その起用法も含めてチームとして盛り立てていってくれることを願います。

西野の白星を消してしまった益田は今江のエラーに足を引っ張られたこともありますが、まだまだ益田劇場の閉宴には日数を要しそうです。
被打率が3割を超えていますから1点差でのリリーフはかなり怖いですし、本人も自信を失いかけているかもしれません。
ストレートが抜けがちなために威力が感じられませんし、緩急の差が小さいだけに同じタイミングで待たれてボールを選ばれてしまうという繰り返しになっています。
150キロに近い唸るようなストレートが戻ってくればまたねじ伏せるピッチングができるでしょうが、何か緩いボールを覚えることも考えたいところです。
何がどうあっても今季のロッテの守護神は益田しかありえないわけですから、とにかく頑張ってくれとしか言いようがありません。

打線は序盤のチャンスを逃したことで昨日に続いて嫌な展開になりかけましたが、西野の粘投に応えた終盤の攻勢で辛くも勝利しました。
もし負けていたらターニングポイントとして挙げるつもりだったのは二回の一死一三塁でノーツーの有利なカウントからファールフライを打ち上げた根元で、もちろん狙い球は絞っていたのでしょうが立ち上がりから制球に苦しんでいたパディーヤを仕留めるのであればせめて強い打球を打って欲しかったです。
今日の荻野貴、根元の並びは個人的には根元を自由に打たせたいだけに今ひとつ賛成をしかねるのですが、その荻野貴が元気に躍動をしている姿を見ると仕方がないのかなと、そしてこのまま足踏みをしているようですとベンチは対抗馬を引っ張り上げるかもしれないという危機感も必要でしょう。
その荻野貴にしても走らないにせよもっと塁上でちょこまか動いて欲しいですし、どうもキレイな野球をしすぎてるいるような気がします。
また八回に江村をそのまま打たせたのは西野が続投であればまだしも、益田に対するキャッチングという点からすれば代打を出して里崎にすべきだったのかなとも思います。
それでも面白いように内野ゴロを内野安打にした岡田の猛打賞や今月に不振を極めた角中の意地のタイムリーが見られましたし、中軸が打てなければ下位がカバーをするという巡り合わせがあるうちはまだいけるかなと、連日の死球で途中退場の井口もベンチにはいましたのできっと大丈夫でしょう。
ブルペンのみの調整で一軍に戻ってくる明日の大嶺を支えるためには強力な打線の援護が必要ですので、一丸となった波状攻撃で帆足を沈めてくれることを期待します。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

 ソフトバンク

0 0 1 0 0 0 0 0 1 2 11

0

 千葉ロッテ

1 0 0 0 0 0 0 1 1X 3 10

1


◆6月29日(土) 千葉ロッテ-ソフトバンク11回戦(ロッテ6勝5敗、14時、QVCマリン、20,737人)
▽勝 益田 38試合2勝3敗21S
▽敗 千賀 30試合1勝2

▽バッテリー
千葉ロッテ 西野、益田―江村
ソフトバンク パディーヤ、五十嵐、ファルケンボーグ、千賀―山崎、細川

 

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里崎の孤独

2013-06-29 02:41:44 | 千葉ロッテ

 

なかなかにヘビーな試合でした。
相手のミスにつけ込んでの序盤に攝津から5点を奪ってソフトバンクキラーの成瀬ですから負けるはずがないと、そう思ったのはファンだけではなくベンチもだったようです。
終わってみればその攝津に完投負けを喫するという不快指数100%になってしまい、スタンドからの怒号が耳に痛いです。
さすがにこの黒星はいろいろな意味で凹みをもたらしますし、またしても西野に流れを変えてくれるよう願わなければならず、かなり重かった帰り道のペダルでした。

そもそも最初からボタンを掛け違えていたように思います。
どのみち日曜日に阿部なりゴンザレスなりを浦和から引っ張り上げなければなりませんから、調子が良いのであればまだしも明らかに下降線な成瀬を無理に中5日で起用する必要はなかったはずですし、それでも使うのであれば今日のような展開で五回で引っ込めるのは中途半端で最低でも六回までは投げさせるべきでした。
また昨日の藤岡にしても今日の伊藤にしてもここまでのピッチングを見れば勝っている展開で投げさせるのは疑問でしたし、見切るタイミングも遅かったのはあるいはベンチが勝敗よりも選手の見極めをするために腹を据えてのことであればいいのですが、どうにも迷走気味な気がしないでもありません。
あまりに独り相撲な失点が多いために野手との信頼関係も心配になりますし、痛すぎる逆転負けでした。

そんな中で気になるのは里崎のリードです。
ストライクとボールがハッキリとしすぎていた今日の成瀬ですから誰であれどうにもならなかった感はありますが、しかし今の投手陣で里崎のリードについてこれる投手がいったいどれだけいるのか、そもそもが投手の持ち味を引き出すよりも俺のリードについてこいといったタイプな里崎だけに、かなりハードルが高いように思えます。
かつての清水、渡辺、小林宏、小林雅が全盛だった頃は投手陣を支える存在としての里崎はまさにチームの大黒柱でしたが、成瀬や唐川ですらあんな感じともなれば里崎のリードに応えられないだけではなく裏目に出ているのではないかと、若手や実績のない投手にとっての里崎のプレッシャーは相当なものがあるはずです。
コーナーギリギリを要求されてもそこに投げられない投手はどうにもならず、そのことで萎縮をしてさらに力を出し切れないなんてことにもなりかねません。
もちろん里崎が悪いというわけではなく、今のロッテの投手陣の状況、状態からして里崎がマッチをするかどうかという問題です。
そういう意味では明日の西野に里崎を組ませて次の扉を開けるための鍵を手に入れられるかどうかを見てみたい気もしますが、何にせよこの里崎の孤独をベンチがどう考えるのかに注目をするとともに、一日でも早く里崎を使い倒すような投手がどんどんと出てくることを願います。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

 ソフトバンク

0 0 0 0 3 6 0 0 1 10 14

2

 千葉ロッテ

0 5 0 0 0 0 0 0 0 5 7

0


◆6月28日(金) 千葉ロッテ-ソフトバンク10回戦(5勝5敗、18時16分、QVCマリン、12,464人)
▽勝 攝津 12試合8勝3敗
▽敗 伊藤 11試合1勝1
▽本塁打 本多2
号(成瀬)、江川3号(藤岡)

▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、伊藤、服部、中郷、藤岡―里崎、江村
ソフトバンク 攝津―細川、山崎

 

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すベてがFになる

2013-06-29 00:26:42 | 読書録

すベてがFになる

講談社

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孤島にある研究所に過去の事件から軟禁状態とされていた天才プログラマが、衆人環視の中で見るも無惨な姿で発見をされたところから話が始まります。
その天才プログラマと接触をすることを目的に島にあるキャンプ場を訪れた准教授の犀川創平と創平の恩師の娘である西之園萌絵が事件に遭遇をして謎を解くことで直面をする驚愕の事実、かなり乱暴にまとめてしまえばそういったストーリーです。
主人公である創平と萌絵のイニシャルからとったS&Mシリーズの第一弾であり、また作者の森博嗣にとってはデビュー作となるこの作品は講談社が新人作家を発掘するために設けたような感じのあるメフィスト賞の第一回受賞作ですので商業的な色合いの濃いものではありますが、この一歩があったからこその後の数十冊の著作があるわけですから読み手とすれば喜ばしいことで、今後とも魅力のある作品をどんどんと生み出していってもらいましょう。

20年弱も前の作品ですから今となってはややチープとなった技術的な描写もありますが、なかなか上手く構成をされていると思います。
当初からシリーズものの一作目として書き起こされたものですので主要な登場人物の紹介をしつつ、次に繋がる思わせぶりな流れや人間関係がバランスよく配置をされています。
肝心の謎解きはやや露骨な伏線がありますのでかなり早い段階で犯人の目星がついてしまいますからこのあたりは評価が分かれそうですが、それでも根本は最後まで謎のままでなるほどと唸らされましたので、むしろ意図的にそういったカードのめくり方をしているのかもしれません。
ある程度のコンピュータの知識がないとピンとこないところもあるでしょうし、やたらと繰り返される喫煙シーンにどういった意味があるのかが不明なままにやや冗長な感じもありましたので好き嫌いがハッキリと出るような作りとなっているようにも思えるのですが、かなりのペースで読み進めましたので自分には合っているのでしょう。
他にもVシリーズやGシリーズなど錚々たるラインアップを誇るようですから、楽しみになってきました。


2013年6月28日 読破  ★★★★☆(4点)

 

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古谷が作った流れを精密機械が引き継ぐ!

2013-06-28 01:13:13 | 千葉ロッテ

 

嬉しいことに機関紙だけではなく、日刊スポーツまでもが古谷を一面に持ってきてくれました。
他にネタが無い日であればまだしも巨人が快勝をするなど一面を飾ってもおかしくはないニュースはありましたから、デスクの判断に拍手を贈りたいです。
本人はもちろんのこと家族、親戚一同が数部でも買っていることと思いますし、しかしこれを思い出として仕舞い込むのではなく次への活力にしてもらいましょう。
一発屋で終わってもらっては困りますので、斉藤コーチが鼻高々になるような活躍を期待します。

そんな昨日を受けて意気軒昂に公式サイトがぶち上げた内容のとおりに、グライシンガーがようやくの今季初勝利です。
開始早々に背中を痛めてベンチに引っ込んでしまったところで終わった感が漂いましたが、どうやら伊東監督から最後通告をされていたようで、それもあっての続投だったのでしょう。
二年契約ですから無理をしないとの判断をする選手もいますのである意味でグライシンガーの真面目さが見て取れますし、先発が五回で降板をするようでは困るのですがボールが抜けがちでコントロールに苦しみながらもそれなりにまとめるところなどはさすがと言いますか、何だかんだ言いながらもまだまだ力はあるのだと思います。
もっとも本人の意気込みとは裏腹に次回の登板までにはそれなりの間隔が必要でしょうから、今後も起用をするのにいろいろと手間がかかりそうな感じはあります。
そのあたりとどう折り合いをつけていくのか、気持ちのコントロールも含めてベンチの腕の見せどころです。

そのグライシンガーを継いだ藤岡には長いイニングを期待しての起用だったはずですが、1イニングも持たずのKOですからやはり一軍に帯同をしての調整は無理があるのではないかと、余裕の感じられないその張り詰めた表情を見るにつけ気の毒にすらなります。
昨日の古谷に今日に2ヶ月弱ぶりに1イニングを任されて僅か7球で片付けた服部との対比が痛々しく、それだけ浦和が機能をしていると考えれば次に打つ手は見えているはずです。
このままであればたまの好投はあっても長い目で見てプラスになるとは思えず、また浦和組のモチベーション低下にも繋がりかねません。
走り込んでぷりぷりの尻を取り戻すことと自信の復活こそが藤岡に求められるものと考えますので、ベンチの決断を願います。

打線は散りかけた桜が何とか踏みとどまったのか春井口の一発を含む12安打8得点と昨年にしてやられた八木を攻略しての大量得点ですので、一つのきっかけにしたいところです。
クリーンアップで2発5安打5打点ですから理想的な点の取り方で、また野球が変わったこと痛感する試合展開でした。
このペースでいけば日本人野手では落合以来の30発が見られるかもしれず、そうなれば井口としても2001年以来の快挙となります。
これでブラゼルが額面どおりに打ってくれれば面白いことになりそうですが大松も負けてはいないでしょうし、ミサイル打線の復活なんて夢を追える今後に期待です。

そんな中で角中の扱いが思案のしどころとは昨日に書いたばかりですので今日のスタメン落ちは驚くほどのこともありませんでしたが、まさかサブローを守らせるとは想定外です。
それだけ清田の調子が悪いのかベンチの不興を買っているかのどちらかでしょうし、代わりに二番に入った荻野貴が水を得た魚のように3安打猛打賞に盗塁と大活躍だったのは大喜びなのですが、一方でチャンスをもらった細谷が3タコですのでもったいないなと嘆きたくもなります。
これで左腕であっても大松を使えなんて声が高まることは必至で、細谷からすれば痛すぎる逸機でした。

明日は攝津が相手ですから左打者を並べての打線に組み替えるのでしょうが、地元に戻ってくるのですから一二軍の入れ替えをするのもありでしょう。
またグライシンガーへの不安と藤岡への失望があることからして先発の頭数が足りないのですから、明日にゴンザレスではなく中5日で成瀬を持ってくるのも一線級が相手であれば無双状態とは今は昔ですから得策とも思えず、投打ともに小さくなりつつある輪を広げるような風が吹くことを願います。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

千葉ロッテ

2 0 3 0 1 0 0 2 0 8 12

0

 オリックス

0 0 1 1 0 1 0 1 0 4 10

1


◆6月27日(木) オリックス-千葉ロッテ9回戦(ロッテ7勝2敗、18時1分、京セラドーム、11,788人)
▽勝 グライシンガー 2試合1勝
▽敗 八木 1試合1
▽本塁打 今江7
号(八木)、井口15号(八木)、李大浩13号(グライシンガー)、14号(ロサ)

▽バッテリー
千葉ロッテ グライシンガー、藤岡、中郷、服部、ロサ、益田―里崎
オリックス 八木、森本、前田、比嘉、岸田、小松―伏見、伊藤

 

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ちょっと頑張ろうと思いました

2013-06-27 00:25:06 | 千葉ロッテ

9回二死でノーヒットノーランを逃した試合は仁科の二度のそれをリアルに体験をしていますし、二度目の平野にヒットを打たれたところなどはラジオ中継の絶叫を今でも覚えているのですが、やはり映像での目撃ともなると衝撃度が違いますし球場にいた方からすれば悲劇以外の何ものでもなかったでしょう。
チームとしては八木沢の完全試合以来の快挙にあと一歩だっただけに悔しく、しかしそれでも先発としてのプロ初勝利をプロ初完投、プロ初完封、プロ初二桁奪三振と盆と正月にクリスマスまでもが一緒に来たような記録的な一夜でしたので、先発はおろか一軍昇格すら疑問視をしていたことを寝る前の西に向かっての土下座で詫びることにします。

低反発球になって乱造気味だったノーヒットノーランも飛ぶボールに戻っての今日ですので、100満点のピッチングだったと思います。
ストレートは130キロ台後半と古谷からすればかなりスピードが戻ってきてはいましたが目を見張るものでもなく、緩いカーブにスライダー、チェンジアップを内外角に投げ分けた組み立てでオリックス打線を翻弄したところなどは夢を見ているかのようで、しかしコーナーへのコントロールが絶妙だったことが良かったのでしょう。
緩急も上手く使えていましたから振り遅れている打者が目立ちましたし、糸井の三打席連続の空振り三振が今日の古谷の数字以上のスピード、キレを物語っていました。
このプロ初登板、初先発以来の2度目の先発のチャンスをしっかりとものにしたことは古谷にとっては大きいですし、上野あたりであれば悔しさを爆発させたであろうヒーローインタビューも「あ~、う~」と言葉に詰まるなどもちろん悔しさはあったでしょうが全体的には淡々と答えており、そんな酸いも甘いも噛み分けた今季32歳の崖っぷちを感じさせながらも好感の持てる受け答えには次回のピッチングが楽しみになります。
正直ベースで言えばコントロールを除けばホームビデオで撮った浦和での2試合とさして変わらないピッチングに見えた今日の古谷でしたのでまだまだ不安は払拭できていませんが、是非にもまた来週に自分に土下座をさせるような白星を手にして両目を開けてくれることを願い、そして期待をします。

打線は7点と久しぶりに大量得点でしたが里崎のフィーバーを除けば僅かに3安打ですから、長期低落傾向に変わりはないようです。
それでも脊髄反射でホームに投げたバルディリスのミスに乗じた一気呵成の攻撃は見事でしたし、一つのきっかけになってくれればと思います。
左腕に強い根元の初回初球ホームランで先制をしたもののその初回は僅か6球で終わるなど前回に抑えられた松葉を捉えきれず、三回の無死二塁でも里崎の鈍足を慮ってか強攻でチャンスを潰しただけに、五回にやはり送らなかったことで前日のデジャブかと思ったところでの大量得点はしかし僥倖でしかありません。
その数字どおりに左腕に全くと言っていいほどにタイミングが合っていない角中をどこまで我慢をするのか、明日がまた左腕の八木ですので思案のしどころです。
もっとも代えるべき候補で左腕に強い清田も今日のスイングを見る限りでは調子は今ひとつのようですし、右へのそれであってもヒットが出たサブローがまた五番に座るのでしょう。
今月中にも来日と言われていたブラゼルも今日に大松に出番がなかったことからして左腕に対するウエポンにはなり得ませんし、故障をしているのでなければ3000万と値頃感のあるDeNAの小池とかをトレードで獲ってくれないかなと、そんなことを思いつつ明日の試合を待つことにします。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

千葉ロッテ

1 0 0 0 6 0 0 0 0 7 7

0

 オリックス

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1

1


◆6月26日(水) オリックス-千葉ロッテ8回戦(ロッテ6勝2敗、18時1分、京セラドーム、12,154人)
▽勝 古谷 1試合1勝
▽敗 松葉 8試合3勝3
▽本塁打 根元5号(松葉)

▽バッテリー
千葉ロッテ 古谷―里崎
オリックス 松葉、平井、森本、小松、前田―伊藤、伏見

 

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予定調和な逆転負け

2013-06-26 04:35:59 | 千葉ロッテ

途中経過を見てみれば唐川が4回までノーヒットに抑えていて、しかし打線は得点圏に走者を進めながらも併殺でチャンスを潰す拙攻の嵐という展開ですから逆に居心地が悪くなるのが長年のロッテファンとして培ってきた防衛本能で、しかも相手がオリックスですので天敵のバルディリスの一発を恐怖するなというのが無理な相談でしょう。
そしてそういった悪い予感が当たってしまうのが哀しいところで、見事すぎる逆転負けでの痛い一敗です。
巡り合わせと言ってしまえばそれまでですが投手が頑張れば打線が沈黙をし、打線が爆発をすれば投手が炎上をするという噛み合わせの悪さのタームに突入をしてしまったのかもしれず、そうなれば風向きが変わるまで耐えるしかありません。
長いシーズンですからこんなこともあるさと割り切れるほどに余裕があるわけでもありませんが、焦れば焦るほどに蟻地獄ですのでケセラセラでいきましょう。

爪を割っての登録抹消だったのであろう唐川の復帰は思っていたよりも早かったですが、接着剤で固めてマニキュアで保護をするなんて方法もあるようですからまずは一安心です。
そんな唐川は凄みこそありませんでしたがらしい淡々としたピッチングで序盤はいい感じでしたが、ここのところは目立つ守備の乱れに足を引っ張られたことで撃沈となりました。
ミスがあったときにこそ踏ん張るのがエースとは言いながらもさすがに今日は可哀想でしたし、責める気にもなれません。
右のエースを西野に奪われたままなのは唐川にとって不本意でしょうが、いつまでも同じ方向の風が吹いているわけでもないでしょうから次に期待をします。

打線はとにかく糞詰まりで、唐川を援護しきれませんでした。
里崎の2併殺は八番打者ですので仕方がありませんし、それでも3打席目は代打でもよかったのではないかと思いますが、とにかく捕手は打てないものと腹を据えるしかないでしょう。
橋本がチームを去ってから外中心のつまらないリードになってしまった里崎の今日に言いたいことが無いわけでもありませんが、遅れてきた分をしっかりと取り戻してもらいたいです。
それでも昔の名前で売り出し中の大松がマルチヒットだったことは収穫ですし、悪いことばかりでもありません。
今日はバタバタしてか流し見しかできていませんので、眠いこともありますのでサッパリと打ち捨てて明日の古谷に気持ちを移すことにします。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

千葉ロッテ

0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 10

1

 オリックス

0 0 0 0 1 3 0 0 X 4 6

0


◆6月25日(火) オリックス-千葉ロッテ7回戦(ロッテ5勝2敗、18時、京セラドーム、12,212人)
▽勝 金子 13試合5勝5敗
▽敗 唐川 12試合4勝5
▽本塁打 李大浩12号(唐川)

▽バッテリー
千葉ロッテ 唐川、上野―里崎
オリックス 金子―伊藤

 

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藤岡は浦和で出直し

2013-06-25 01:20:51 | 千葉ロッテ

 

やはり藤岡を先発に戻すのは早かったようです。
そもそも一軍に上げるのすら気が進まなかった鎌ヶ谷でのピッチングでしたので、ここまでとは思いませんでしたが今日の打たれっぷりはある程度は想定内です。
走者を背負うと目が泳ぐところなどは相変わらずで、スピードは乗らずにコントロールもばらけてしまい、本人としてもどうすればよいかが分からずに五里霧中といったところでしょう。
斉藤コーチは次回に中継ぎの可能性を示唆したようですが、藤岡の将来を考えれば浦和で小谷コーチに預けて力強さを取り戻すまでは無期限で鍛え上げるという従来の方針に立ち返った方がよいでしょうし、唐川も復帰をしますしグライシンガー、ゴンザレス、阿部といったところで凌げばローテーションに大きな穴が空くこともありません。
納得のいくまで走り込んで、そして投げ込んで自信を取り戻すことこそが藤岡にとっての「今でしょ!」だと考えます。

藤岡が炎上をして一方的な試合になりかけたところで飛び出した荻野貴の一発は、体の回転でスタンドまで運んだ技ありのアーチでした。
ああいったバッティングができるということは膝の状態もかなり上向きなのでしょうし、そうなればあとは盗塁でしょう。
ベンチが消極的なのか荻野貴に限った話ではありませんが発作的なところを除けばほとんど企画すらありませんので、チームとしての今後の課題として解消を願います。
そして根元のそれはともかくとしても井口のゴロを軽率に弾いた小谷野のプレーでもらったチャンスに今江の打球は音にしても角度にしても同点アーチを確信した当たりでしたが、しかしあれがスタンドインをしなかったところで今日の試合は負けが約束をされていたのでしょう。
また左腕に対してのDHに里崎の起用はなるほどと思わされた抜擢でしたが、DHは五番との不文律でもあるのか普段は八番の里崎をクリーンアップに置かざるをえないチーム事情はあまりに苦しく、その里崎がチャンスに凡退となった巡り合わせからしても今日は諦めるしかありません。

珍しくも今日は伊東監督が江村のリードを指弾していましたが、もちろんそれもあるでしょうが代わった川本でも火を消せませんでしたので一義的には藤岡の問題でしょう。
そうなれば明日の唐川に誰を組ませるかが注目をされますが、おそらくは里崎になるものと思われます。
これでまた唐川が一斗缶を担いでしまうと大変なことになりますので、その中身が油ではなく水であることを願います。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

日本ハム

2 1 2 0 0 0 0 0 0 5 8

1

千葉ロッテ

0 0 3 0 0 0 0 0 0 3 6

0


◆6月24日(月) 千葉ロッテ-日本ハム8回戦(4勝4敗、18時15分、QVCマリン、10,504人)
▽勝 武田勝 10試合5勝4敗
▽S 武田久 17試合1勝1敗10S
▽敗 藤岡 14試合4勝5
▽本塁打 中田18号(藤岡)、アブレイユ18号(藤岡)、荻野貴2号(武田勝)

▽バッテリー
千葉ロッテ 藤岡、伊藤、中郷、服部、松永―江村、川本
日本ハム 武田勝、矢貫、宮西、増井、武田久―大野、鶴岡

 

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ブラゼルに負けてたまるか

2013-06-24 02:49:24 | 千葉ロッテ

 

久しぶりに強い日差しに恵まれた今日の試合は前日のデジャブのような展開でしたが、西野が粘り強く投げたことで逆転のロッテらしい勝利となりました。
リーグ戦再開とともに逆転グッズを販売するとの話もありましたが出遅れているようで、いっそのことこのままお蔵入りでもよいように思います。
何はともあれ嫌な流れの中での試合を勝ったことは大きく、何とか明日もものにして勝ち越しといきたいところです。

先発の西野は立ち上がりからカーブ、フォークの制球に苦しんで三回までで65球と五回が精一杯ではないかと思えるようなピッチングでしたが、中盤からストレートを中心とした組み立てでテンポがよくなったことで流れを掴み、終わってみれば7回を6安打1失点での7勝目はチームの勝ち頭です。
この粘り腰こそが西野の持ち味で、欲を言えば球数を減らして頭からきっちりと抑えて欲しいものの、なかなか相手に点を与えないところなどは老獪なベテランを見るかのようです。
二回には江村のサインに首を二度振って選んだフォークで押し出しの四球を与えたところなどは悔いが残ったかもしれませんが、それだけフォークに自信を持っているのでしょう。
そのフォークにしても落としどころを高めにしたことで制御を取り戻しましたし、このあたりの修正能力は見事の一語に尽きます。
新人王のライバルである大谷を3打数無安打に抑えたことも西野にとっては収穫で、実質的なルーキーイヤーに昨年の藤岡を上回ったことで周りの評価もさらにアップをするでしょうし、その藤岡が明日の先発でどういった反攻を見せてくれるのかにも注目をしたいです。
そして若手投手がギラギラと競い合う一石となる西野の、今後の更なる躍進を期待しましょう。

八回からはKUISリレーになるかと思いきや、ベンチ入りメンバーには名を連ねていたものの先日に打球を受けた具合がもう一つなのか松永はお休みでした。
代わりのロサはやや単調ながらも150キロオーバーでねじ伏せるピッチングは圧巻で、スライダーやフォークもまずまずコントロールできていましたので100点に近いピッチングです。
そして益田もストレートには力がありながらも低めのコントロールがばらけ気味なのは相変わらずで、このあたりは江村のキャッチングの問題もあるでしょうから里崎をリリーフ捕手として使うのもよいかなとは思いつつも、今後のことを考えれば慣れることで上達をしてもらうしかありません。
それにしても今日は陽が4三振と扇風機になってくれたことで助けられた感があり、益田劇場にはそろそろ閉宴をお願いしたいところです。

打線はやはり大松でしょう。
お立ち台には立てませんでしたが、低めの落ちるボールを体勢を崩されながらも上手く運んだところなどは大松の真骨頂とも言えます。
どうしても大砲としての期待が高い大松ですが、本来はああいった巧みなバットコントロールこそが持ち味です。
ブラゼルの獲得で思いっきりに立ち位置が被ることでせっかくに復調の兆しが出てきたところで厳しい現実を突きつけられていますが、とにかく今は結果を残すしかありません。
最後に左腕の石井を打てれば明日もスタメンで印象度が上がったところでしたが、そこは次の機会に頑張ってもらいましょう。
そうなれば明日のDHはサブローなのでしょうが、清田が故障あるいはベンチの不興を買っているのでなければ角中をDHにするという選択肢もあるのではないかと、またポジションからすれば大松とブラゼルの並立は難しいですから次の手を早めに模索をしたいところです。

鮮やかな逆転勝ちではありましたが、序盤はちぐはぐな攻撃でかなりジリジリとさせられました。
昨日の反省からか今日は三回、六回、七回ときっちりとバントで走者を進める一方で、四回にはどちらかがサインを見落としたのであろう今江の盗塁死に直後の大松のヒットと巡り合わせが悪く、3安打で0点というロッテな攻撃に栗山監督の笑みが視界に入ってしまって苛立ちは最高潮です。
その不経済な四回もそうでしたが3打席の全てが走者を置いた場面で凡退をした江村はボールを追っかけるスイングで軸がフラフラとしていますので、スイングスピードさえ伴えば金森打法を習得させたいところではありますが、今はとにかく場数を踏んで経験値を積んでもらうしかありません。
里崎も言うほどに打撃がいいわけではありませんからそれが理由でスタメンマスクを譲ることはないでしょうが、とにかく一生懸命さだけは忘れずにお願いします。
また日本ハムらしからぬ二度のバントの失敗で勝たせてもらったようなところもある試合ではありましたが、七回のそれは西野の俊敏な動きと鈴木の肩、そしてさりげなく根元のキャッチングと足捌きによるものですから守り勝ちと言えないこともなく、こういった勢いを殺ぐことのない明日になることを期待します。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

日本ハム

0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 8

0

千葉ロッテ

0 0 0 0 0 2 0 0 X 2 7

1


◆6月23日(日) 千葉ロッテ-日本ハム7回戦(ロッテ4勝3敗、13時、QVCマリン、20,400人)
▽勝 西野 12試合7勝2敗
▽S 益田 36試合1勝3敗21S
▽敗 木佐貫 11試合5勝3

▽バッテリー
千葉ロッテ 西野、ロサ、益田―江村
日本ハム 木佐貫、宮西、矢貫、石井―鶴岡

 

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三本の矢を探して 史跡巡り篇 岩国の巻

2013-06-23 23:00:09 | 日本史

 

史跡巡りの最後は岩国です。
正直なところ当初の計画には入れてはいなかったのですが、拠点とした広島市街からすればむしろ福山よりも近いと気がついたことで発作的にねじ込んでしまいました。
小早川氏を沼田、竹原と巡ったことで、吉川氏ももう少し踏み込んでおこうと思ったのもその理由だったりします。

吉川氏の史跡が集中をしている吉香公園は岩国駅から6キロちょっとの場所にありますので、例によって自転車での散策です。
最終日で帰りの飛行機の出発時刻が気になったことで夜明け直後にホテルを出たためにちょっと早すぎで、朝マックをしても時間を持て余してしまいました。
この錦帯橋は錦川にかかる5連のアーチ橋で、名勝に指定をされています。
吉川広家が岩国に入ってから何度か橋を架けましたが200メートルもの川幅があるために強靱なものを造ることができず、洪水の度に流されてしまったものをアーチ橋にすることで昭和に入ってからの台風の際に崩れるまでの276年間に耐えた錦帯橋は、3代藩主の広嘉の執念によるものと伝えられています。
渡るには入橋料が必要ですが時間が早かったために夜間料金箱に入れる仕組みで、しかし自転車を降りてのアップダウンはきつそうだったので遠回りをして錦川を渡りました。

岩国城などの施設が開くまでには時間がかなりあったので、それらは後回しにして他の場所をまずはうろつきました。
洞泉寺は吉川氏9代の経信が開基の洞仙寺がルーツで岩国に移ったときに洞泉の字をあてたと言われおり、やや離れたところに岩国藩主の吉川氏の墓所があります。
厳密に言えば岩国藩が正式に認められたのは大政奉還後であり、関ヶ原の戦いの際のいざこざから本宗家である毛利氏から大名として認められなかったために江戸幕府からは外様大名扱いとされながらも実質的には陪臣の立場であったことで藩主とは言えないのですが、便宜的にこちらでは藩主として紹介をしていきます。

墓所は門をくぐったところと、その奥の小高いところの2箇所に分かれています。
初代藩主である広家の墓はやはり別格なのか門構えのある敷地にあり、当然のように高いところから見下ろしています。
広家は元春の三男で長兄の元長が豊臣氏の九州征伐に従軍をした際に病死をしたために家督を継ぎ、毛利の両川の片翼として本宗家を支えました。
しかし外交僧であった安国寺恵瓊と仲が悪く、また自らが徳川家康と近かったこともあり関ヶ原の戦いでは西軍の総帥である毛利輝元の身内でありながらも東軍に内通をしたことで結果的に毛利氏は大幅な減封となり、先祖代々の安芸を追われる原因を作った裏切り行為として糾弾をされてしまいます。
家康は毛利氏を取り潰して所領を広家に与えようとしたものを広家の懇願で本宗家の改易を免れたとも言われており、そうなれば広家は忠臣と讃えられるべき存在であるはずなのですが、その内通の動機がやや不純であったこともあってか毛利氏内部では受け入れられずに陪臣の立場から抜け出せないままに幕末を迎えました。
そういった経緯から本宗家との関係は微妙だったらしく、何度か独立運動が表面化をしています。

2代を継いだのは広家の嫡男の広正で、岩国藩の経済的基礎を築くとともに輝元の娘を正室に迎えて本宗家の執政を務めるなど重きをなしました。
その嫡男で3代の広嘉が錦帯橋を架けたとは先に紹介をしたとおりで、しかしこのあたりから本宗家との距離が広がり始めます。
4代の広紀は広嘉の嫡男ですが家格に絡んで本宗家と揉め始めて、その嫡男の5代の広逵のときに大名への昇格運動が本格化をしますが実現には至りませんでした。
代々の藩主の墓は洞泉寺にありますが広逵の嫡男の6代の経永のみは実相寺を崇拝したためにそこに葬られ、しかし廃寺の後に山崩れで墓が行方不明になったために後に再建をされたことで洞泉寺の墓地からほど近い山肌が開けたところに、かなり探すのが大変だったのですが五輪塔ではない墓がありました。
この経永が継ぐ子が無いままに没したために、徳山藩から入った経倫が7代となります。
徳山藩は輝元の次男の就隆が初代でその孫の広豊の子である経倫を迎えることで、家格を上げることへの期待感があったのでしょう。
その後は元春の血が絶えたままに8代の経忠、9代の経賢と嫡男が続きましたが経賢が早世をしたために10代は次弟の経礼が、その経礼にも跡継ぎが無かったために三弟の経章が11代を継ぎ、そしてその嫡男で12代の経幹のときに念願の諸侯に昇格をしての本当の意味での岩国藩の初代藩主となりました。
もっともそのときには既に経幹は病死をしていたとのことで、それを秘匿しての藩主就任だったそうです。
13代、新生岩国藩の2代であり最後の藩主である経健は経幹の嫡男で、甥の元光が跡を継いで子爵となりました。
写真は上段左から広正、広嘉、広紀、広逵、経永、経倫、経忠、経賢、経礼、経章、経幹、経健、元光です。

こちらは元春の正室で、元長や元氏、広家らの母である新庄局の墓です。
毛利氏の重臣で猛将の熊谷信直の娘で、元春の姉で宍戸隆家の正室の五龍局と仲が悪かったと伝えられており、元就の「三子教訓状」でもその仲の悪さをたしなめられています。
その仲を取り持とうとした隆景を無視したことで吉川氏と小早川氏との関係が悪化をした時期もあったようで、なかなかに人間関係は難しいとしか言いようがありません。

こちらは手水鉢で、仏前で身を清めるための水を入れる器です。
みみずくの手水鉢は茶人の上田宗固から広家に桜の返礼として贈られたもので、しかし届いたときには既に広家は亡くなっていました。
その後は浄念寺に置かれていましたが、明治に入ってから広家の墓の側に移されています。
誰が袖の手水鉢は着物の袖に形が似ていることから名付けられたもので、やはり茶人として名高い小堀遠州の手によるものと伝えられています。
小堀遠州の子孫である小堀勝太郎が経幹の姉の夫であったことから、小堀家から贈られて今は経幹の墓の脇にあります。
写真は左がみみずくの手水鉢、右が誰が袖の手水鉢です。

三原には小早川隆景の像があったのですから岩国には吉川元春でなくとも広家の像があるのではと思ったのですが、あったのは広嘉の像でした。
やはり錦帯橋の貢献が、地元にとっては大きいのでしょう。
もっともこの像を作るに際しては2代の広正から11代の経章までの肖像画が残されていないために、広家の肖像画と子孫の写真を合成したものが用いられたそうです。
そういう意味では無理矢理ではありますが、広家の像と言えないこともありません。

なぜか佐々木小次郎の像もありました。
吉川英治の「宮本武蔵」で岩国の出身とされていることから、それにちなんでここに建てられたのかもしれません。
小次郎と言えば武蔵との巌流島の決闘があまりに有名ですが、その当時の資料には単に岩流としか書かれておらず佐々木小次郎の名が出るのはかなり時代が下ってからであり、その決闘の時期も戦いの内容も講談の域からあまり出ていないようです。
その出自をそのまま信ずれば決闘のときの小次郎は70代後半となりますので、夢のためにはあまり真相は掘らない方がよいのかもしれません。

吉川経家弔魂碑は羽柴秀吉の鳥取城攻めに城督として入城をした吉川経家の英魂を弔うために昭和に入ってから建てられたもので、その礎石には鳥取城の石が使われています。
刻まれた文字は当時の吉川氏の当主であった元光の手によるものです。
経家は石見吉川氏の出で、その子孫に五代目の三遊亭圓楽がいます。

吉香公園は吉川氏の居館があった場所を公園としたものですが、旧藩時代に三階建ての南櫓があったところにその櫓に似せて建てられた絵馬堂が錦雲閣です。
吉香神社は吉川氏歴代の神霊を祀っており、明治になってからこの地に移設をされました。
岩国徴古館は第二次世界大戦中に「郷土に博物館を」との目的で、物資が少ない中で旧藩主である吉川氏が私財を投じて建てたものです。
写真は左から錦雲閣、吉香神社、岩国徴古館です。

旧吉川邸厩門は明治に入ってから岩国藩知事となった吉川経健の邸宅に附属する長屋で、今は岩国市の所有となっています。
香川家長屋門は山口県の指定文化財で、岩国藩の家老の香川氏の表門です。
香川氏は讃岐香川氏の系統の方が馴染み深いのは長宗我部元親の次男の親和が養子に入ったからですが、こちらの香川氏は安芸香川氏で客将から吉川氏の家老となりました。
写真は左が旧吉川邸厩門、右が香川家長屋門です。

そしてようやくの岩国城です。
日本100名城の一つで、関ヶ原の戦いの後に吉川広家が8年の歳月をかけて築城をしました。
しかし一国一城令にて僅か7年後に廃城の憂き目となり、現在の天守閣は1962年に鉄筋コンクリートで再建をされたものです。
登城口は整備をされているようですがさすがにこの標高を自転車で登る勇気はなく、大人しくロープウェイに揺られての岩国城です。

時代背景からすれば山城を築いた広家の思惑が分からないのですが、豊臣秀頼が健在だっただけにもう一波乱でもあると考えたのかもしれません。
これらの石垣が当時のものかどうかは分かりませんが、領主の権力の大きさ、強さを感じさせてくれます。
城の築かれている横山から切り出されたものももちろんあったでしょうが、領民の苦労が偲ばれます。

麓からの見栄えを重視して再建をされただけのことはあり、下から見上げる天守閣は木々に隠れることなくその偉容を誇っています。
トップの写真のように、錦帯橋とセットで眺めるのが一番なのでしょう。
夜に訪れることがなかったのでそういった盛り上げがあるかどうかは分かりませんが、錦帯橋とともにライトアップをすれば幻想的な雰囲気になるものと思われます。

岩国城は横山の尾根沿いに長さ180メートル、横に最大で108メートル、石垣の高さは5.4メートルほどあり、天守閣は桃山風の南蛮造りで四層五階で本丸の北隅にそびえていました。
その他にも櫓が五棟、折り回し大門が二門、埋門が一門と、その三万石とも六万石とも言われる領地からすれば立派な規模です。
再建をされた天守閣はその場所も造りも当時のものとは違いますので、観光施設と割り切るのがよいのでしょう。

こちらが本来の天守台跡です。
古式穴太積みと呼ばれる石積みを基本として大きな石と隙間に詰めた小さな石からなり、その隅は反ることなく直線であるため構造力学上の安全性を重視したものとなっています。
この天守台に再建をしなかったのは史跡を保護するというよりは、この位置ですと麓から見えないのが理由ではないかとは個人的な想像でしかありません。

山城ともなるとその生命線は水で、この大釣井はその水を汲むための井戸かと思いきや説明板によれば非常時の武器弾薬等の収納を図るとともに、敵に包囲をされたり落城の危機にさらされた場合の脱出口を備えたものとのことで、しかし覗いてみた感じではただの井戸にしか見えません。
もっともこれだけの標高で水が出るのかどうかは定かではなく、また深さがどのぐらいかは柵が邪魔でよく分かりませんでした。

岩国の最後は吉川史料館で、旧岩国藩主吉川氏に伝わる資料などが展示をされています。
6代藩主の吉川経永の墓についての経緯は、こちらの担当の方から伺いました。
正門として使用をされている昌明館付属屋長屋門は7代藩主の隠居所として建てられたもので、岩国市の指定文化財となっています。


【2013年4月 広島、山口の旅】
三本の矢を探して
三本の矢を探して 旅程篇
三本の矢を探して 旅情篇
三本の矢を探して 史跡巡り篇 広島の巻
三本の矢を探して 史跡巡り篇 安芸高田の巻
三本の矢を探して 史跡巡り篇 福山、三原、竹原の巻
三本の矢を探して 史跡巡り篇 北広島の巻
三本の矢を探して グルメ篇
三本の矢を探して スイーツ篇
三本の矢を探して おみやげ篇

 


誰が受けても同じじゃん

2013-06-23 00:18:15 | 千葉ロッテ

 

昨年まで阪神に在籍をしていたブラゼルの入団が発表となりました。
本音を言えばもう少しマニーの余韻を楽しんでいたかったのですが、トレードなどと同じで本筋は情報が流れてすぐに決まりますからトレッドヘアとは縁がなかったのでしょう。
そもそもシーズンの半分ではありながらも15万ドル+出来高と格安ですからロッテの予算からすればラミちゃんもマニーも遠く手の届かない存在、うたかたの夢だったわけです。
そのブラゼルの今季は独立リーグに所属をして27試合に出場、101打数35安打4本塁打で.347ですからシーズン途中に獲得となる打者の標準的なタイプといった感じです。
伊東監督も映像を見てのチョイスだったようで、日本での実績と飛ぶボールへの回帰からしてベストとは言わずともベターな補強と言ってよいでしょう。
何はともあれ球団が動いてくれたことに感謝をするとともに、すぐにでも来日をしたいと言っているらしいブラゼルのやる気に期待をしたいです。

誰が受けても同じじゃん、そんな江村のつぶやきが聞こえてきそうな、今日の成瀬のピッチングでした。
あれだけのことを言ってピシャリと抑えればさすがはエースと言われたのでしょうが、かなり肩身の狭い黒星です。
6回を7安打4失点と滅多打ちにされたわけではありませんが四球が絡んだり不用意な一球で被弾をしたりと点の取られ方が悪く、テンポも今ひとつで見ていてかなり疲れました。
伊東監督も指摘をしていましたが慎重になりすぎているのか球数も多く、上手く打ち取ろうとしすぎているような気がします。
4月までとは別人のように打たれているのは統一球の入れ替えによるところもあるのでしょうし、被弾王で神経質になるのも分からないでもありません。
しかしそんなことを言っていれば夏成瀬でズタボロになるだけですから、もっと上から目線で大胆にやっていってもらいたいです。
消息不明な高畑メンタルトレーナーの出番はいつなの、今でしょ!、と使い古されたネタを贈りたいと思います。

エースが六回で降板の後始末は上野と伊藤で、しかしこちらももう一つな内容でした。
上野はいつもどおりに気合いたっぷりのピッチングで七回は抑えましたが、八回は制球を乱してのピンチをギリギリに凌いだといった感じです。
不可解だったのは4点ビハインドの場面でのホフパワーへの敬遠で、あれで気持ちが弱ってしまったような気がします。
致命的な5点目を失うことを怖れての判断だったのでしょうが、そんなことでは投手は活きてきません。
140キロ台半ばのストレートを投げていた伊藤も数字ほどには凄みが感じられず、暫くは低空飛行が続きそうです。

今日にスタンドから一番に声援を受けていたのは里崎で、今季の初出場です。
残念ながらシャキーン仲間の成瀬を上手くリードすることはできませんでしたが、やはりその存在感はピカイチです。
コーナーのキャッチングに思わず釣られたかのようなストライクコールもありましたし、投手陣にとっては頼もしい存在でしょう。
ただやはりブランクの影響かややポロポロとするところが目立ちましたし、成瀬ですら打たれたときにそれを見つめる素振りが相変わらずでしたので、いきなりのマルチヒットにタイムリーと打撃での貢献にも期待はしたいながらも若手とは組ませられないかなと、そんな溜息が出たのも正直なところです。
伊東監督のコメントからすれば明日の西野と組むのは江村でしょうから、適材適所で競い合ってくれればと思います。

そんな里崎の頑張りも虚しく打線は8安打5四球ながらも僅か2得点で、勢いのある日本ハムに屈しての敗戦です。
それなりのチャンスがありながらもあと一本が出ず、また痛烈な打球をファインプレーされるなど相性の悪さを感じざるをえません。
攻撃的な攻めが裏目に出てしまった、そんなところでしょう。
もっとも初回の無死一塁はともかくとしても3点差となった三回に無死一二塁でバントをしなかったこと、ここはやや消化不良気味です。
二塁走者が里崎でしたので難しい場面ではありましたが、走者を進めて1点でも取っていれば流れが変わったのではないかとは後の祭りです。
五番の人材難もかなり深刻で、よってブラゼルの獲得なのでしょうが伊東監督の構想では右投手のときのDHのようですから、3三振のサブローには頑張ってもらうしかありません。
そんな右左のバランスからすればやはりマニーだったかなと、ちょっと愚痴りながら明日の西野の好投を待つことにします。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

日本ハム

1 0 2 0 1 0 0 0 0 4 11

0

千葉ロッテ

0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 8

0


◆6月22日(土) 千葉ロッテ-日本ハム6回戦(3勝3敗、14時、QVCマリン、20,806人)
▽勝 鍵谷 23試合2勝1敗
▽S 武田久 16試合1勝1敗9S
▽敗 成瀬 12試合6勝3
▽本塁打 陽10号(成瀬)

▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、上野、伊藤―里崎
日本ハム 吉川、鍵谷、矢貫、増井、武田久―鶴岡

 

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マニー、マネー、マニー

2013-06-22 03:17:10 | 千葉ロッテ

昼前にバケツをひっくり返したような大雨となりながらも試合開始前後には雨が上がる予報だったので今日の中止はちょっと意外で、天候不順による観客動員への懸念と10連戦のローテーションを考えての政治的な決着かとも思ったのですが、結局のところは終日の雨となりましたので当たり前の判断だったのでしょう。
あるいは曽根太一さんからのアドバイスがあったのかもしれません。
そんなこんなで野球のない日が5日目ともなると禁断症状が出ている人もいるのではないかと、明日は天気が持ち直すようですから熱戦に期待をしましょう。

明日の先発は西野のスライドではなく予定どおりの成瀬で、そして里崎とのバッテリーとなるようです。
その気持ちは分からないでもないですが「(明日は)里さんに受けてほしい。僕の持ち味を知っているし、ボールの軌道もわかってくれている。配球を任せてピッチングに専念できる」とのコメントにはガッカリとしつつも、逆に言えばこれで打たれるわけにはいきませんので自らを追い詰めたとでも思うことにします。
また里崎も故障から復帰をしてのようやくの今季初出場ですから、きっちりとベテランの凄みを見せてもらいましょう。
お立ち台で成瀬と里崎がシャキーンとした喜びを発せられるような、そんな活躍を期待します。

そしてネタと思われたマニー・ラミレスの動向は地味に引きずっているようで、いろいろな情報が錯綜しています。
ホームシックで義大ライノズを退団して帰国をしたと報じられる一方で、メジャー復帰だけではなく日本でのプレーも視野に入れているとも伝えられています。
東スポに至っては極秘来日をしてロッテと交渉中とぶち上げてくれましたので、まだまだ楽しませてくれるのでしょう。
もっとも台湾にいるのであればとの前提でその知名度と実績からすれば格安で獲得ができるのではと思っていましたが、こうなればロッテには手が届かないところにいってしまったと考えるのが妥当と言えば妥当で、その資金力不足に飼い慣らされてしまったといった感じです。
同じく東スポが国内FA権を取得した涌井の本命がロッテなどという二の矢を放ってくれたものの、鼻先で笑うことしかできません。
松戸出身の涌井がロッテファンで、その影響を受けて成瀬がロッテファンになったなんて噂も一時期にありましたが、何にせよ今は明日の成瀬の白星が一番の願いです。

 

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ゴールデンスランバー

2013-06-22 00:40:55 | 読書録

ゴールデンスランバー

新潮社

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ジョン・F・ケネディを暗殺したとされているオズワルドは逮捕直後に不可解な死を遂げているため、今でも真犯人は別にいるとの説が根強くあるとは有名な話です。
この作品では首相公選制の日本で初めての野党からの首相が就任パレードを行った仙台でラジコンのヘリが運んだ爆弾で暗殺をされてしまい、その濡れ衣を着せられて犯人とされた元宅配便ドライバーの主人公の二日間の逃亡劇が描かれています。
作中でも「お前はオズワルドにされるぞ」と国家権力や得体の知れない大きな力に翻弄される怖さが随所に出ており、しかしその真相を暴くのがテーマではありません。
必死に逃げる主人公を取り巻く人間の弱さ、そして温かさこそが作者の描きたかったものではないかと、ミステリーではなくどこかホームドラマのような感じを受けました。

読み終わってみればそれなりの充実感があったのですが、しかしそこに至るまでのハードルがかなり高かったことは否めません。
500ページを超える大半が主人公の逃げる姿を描いており、その絶望的な状況が延々と続くのに疲れて何度か読むのを止めようかと思ったぐらいです。
主人公やその友人、知人らの今、昔がフラッシュバックをするように繰り返される、あるいは冗長とも思えるような展開を耐えてこその結末であり、そして無意味とも思えたエピソードが終盤にかけて壮大な伏線だったことに気がつかされてようやくに面白みが分かったといった感じです。
首相暗殺犯の逃走に手を貸す人がなぜにこんなにもいるのかというご都合主義がやや鼻に付いたところもありましたが、また別の作品も読んでみようかと思うに足る大作でした。


2013年6月21日 読破  ★★★★☆(4点)

 

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伊東二世を探して

2013-06-21 01:42:33 | 千葉ロッテ

1巡目候補として松井(桐光学園)と森(大阪桐蔭)の名が挙がったと報じられた昨日のスカウト会議は、今日になってみれば梅野(福岡大)が加わりました。
いずれも上背が足りないことで個人的な嗜好には合わないのですが、伊東二世を探す方向性となっていることは間違いないようです。
もっとも昨年に田村を獲って今季に江村を集中的に育てている現状を考えればどこまで本気なのかは微妙なところで、ブラフの可能性もあるでしょう。
何にせよ一軍に復帰をした里崎とそれを迎え撃つ江村の今後に大きく左右をされるであろうドラフト戦略ですので、なかなかに目が離せません。

ロッテ ドラ1候補に捕手 高校と大学のNo・1リストアップ (6/20 スポーツニッポン)

ロッテは19日、スカウト会議を開き今秋のドラフト1位候補として、大阪桐蔭・森友哉捕手(3年)と福岡大・梅野隆太郎捕手(4年)をリストアップした。
この日は上位指名候補を桐光学園・松井裕樹投手(3年)を含む25人に絞り込んだ。
その中でも評価が高いのが、高校生と大学生の各世代のNo.1捕手だ。
捕手出身の伊東監督は、フロントに「ドラフトで捕手を獲ってほしい」とリクエスト。
昨年のドラフトでも光星学院(青森)の田村を3位で指名しており、「ポスト里崎」の育成は球団内でも確認されている。
森は阪神・藤浪の女房役として昨年の甲子園で春夏連覇を経験し、高校生離れした打撃センスが魅力のドラフト目玉候補の一人。
一方の梅野も強肩が売りで、今月の全日本大学野球選手権にも出場した即戦力捕手だ。
林信平球団本部長は「監督から捕手が欲しいという話は聞いている。意向は最大限尊重したい。捕手を1位指名する可能性は十分にある」と説明。
伊東監督が出席予定の8月末のスカウト会議でさらに議論を煮詰めていく。

◆森 友哉(もり・ともや) 1995年(平7)8月8日、大阪府堺市生まれの17歳。庭代台小1年から「庭代台ビクトリー」で野球を始め、投手。東百舌鳥中時代には堺ビッグボーイズの正捕手として3年春の全国大会で準優勝。大阪桐蔭では1年秋から正捕手。50メートル6秒3、遠投100メートル。1メートル70、80キロ。右投げ左打ち。

◆梅野 隆太郎(うめの・りゅうたろう) 1991年(平3)6月17日、福岡県那珂川町生まれの22歳。小学2年で野球を始め、4年から捕手。那珂川北中時代は「那珂川シャークス」に所属。福岡工大城東(福岡)では1年夏からベンチ入り。福岡大2年から大学日本代表入り。1メートル73、77キロ。右投げ右打ち。

森は甲子園でのプレーを見ましたが、やはり打撃を評価されての上位候補なのでしょう。
たださすがに170センチともなるとプロではどうなのかなと、長打を期待されているのであればなおさらに不安があります。
もちろん小柄でも結果を残している選手もいますが、似たようなタイプと言えなくもない田村がいますので自分としての優先度はかなり低いです。
一方の梅野は見たことがないので何とも言えませんが、せめて175センチでもあればと残念でなりません。
身長があってもダメな選手はダメですが、最後の押し出しでものを言うのはやはり体格ですから獲得に際しての一つのポイントになります。
3巡目ぐらいで獲れるのであれば獲りたいですが、上位での指名ともなるとどうにも気が進みません。

ロッテ・伊東監督、ドラ1候補の森捕手に注目 (6/20 サンケイスポーツ)

ロッテは19日、スカウト会議を行い、千葉出身の桐光学園高・松井裕樹投手、大阪桐蔭高・森友哉捕手ら1位候補を25人に絞り込んだ。
伊東監督は「捕手を見てほしいと話している」と“伊東2世”育成に意欲。
森については同校で3年先輩の江村に聞いたそうで「『僕とは格が違います』と言っていた。体が小さくて(身長1メートル70)も体力があればいい」と注目している。

それでも伊東監督は注目をされている森が気になるようで、しかしこれも伊東流の掌握術なのかもしれません。
高校の後輩ながらも被ってはいませんので森のことを江村に聞くのはおかしな話ですから、あるいは江村を発奮させるためのテクニックなのでしょう。
その一方で里崎が一軍に戻ってきても「西野とかほとんど組んだことがないだろうから、即スタメンとはいかないが、相性を見て使っていきたい」と明日は江村のスタメンマスクを示唆していますので、世代交代を念頭に置きながらもベテランの力も上手く引き出して融和をさせていくといったことを考えているのだと思われます。
江村としても身近で里崎のプレーを見れば勉強になるでしょうし、里崎も正捕手としての意地があるでしょうから、お互いに刺激をし合いながら力を発揮してくれればと願います。

 

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負けるな!唐川&松永

2013-06-20 00:53:58 | 千葉ロッテ

伊東監督が西野を「右のエース」と評して新人王を獲るようコメントをしたようで、人気先行で大谷に票が集まりそうな流れを牽制したのでしょう。
このあたりのマスコミの使い方は、前評判とは違ってなかなかに上手い伊東監督です。
もっとも人気先行とは言いながらも現時点では投は今ひとつながらも打では高卒ルーキーとは思えない数字を残している大谷は正真正銘のルーキーですから、新人王の資格としてはルーキーながらも育成枠出身で5年目の西野に対すれば印象度でのアドバンテージがあります。
そうなれば西野には圧倒的な差をつけることが求められますので、もう一人のライバルである則本に負けないためにも是非とも明後日には白星を手にしてもらいましょう。

伊東監督 西野に新人王厳命 大谷に待った「人気投票でなくて実力で」 (6/19 スポーツニッポン)

新人王は人気投票ではない。
リーグ再開戦となる21日の日本ハム戦(QVCマリン)で先発するロッテ・西野に、伊東監督が新人王獲得を厳命した。
育成選手からはい上がった「雑草右腕」と対照的な野球人生を歩んできた日本ハムの二刀流ルーキー・大谷がライバルとなるが、話題性では負けても実力では負けてないと力を込める。
「新人王は人気投票でなくて実力で勝ち取るもの。大谷君も候補だろうけど、このままいったらうちの“右のエース”の西野が獲るべき」
昨年11月に支配下登録された「育成の星」は今季10試合に先発し、6勝2敗で防御率2.36とパ・リーグ新人王の最有力候補だ。
この日、広島戦(マツダ)で「5番・投手」で出場し、勝利打点を挙げた大谷には、人気や知名度ではかなわないが、それならば実力で立ち向かえばいい。
苦労してきたことを知っているからこそ、一生で一度のタイトルを手にさせたい。
それが伊東監督の親心でもある。
リーグ戦再開の「開幕投手」を務める西野は「開幕前はこんな結果が出ると思ってなかったけど、ここまできたらやっぱり狙いたい。一度しかないチャンスなので」と力を込める。
21日には今季初の大谷との直接対決も実現する。
どちらが新人王にふさわしいか、はっきりさせる絶好の機会だ。

それにしても「右のエース」「新人王」とは刺激的な単語を並べてくれました。
これを聞いた唐川が飄々な仮面の下に負けじ魂を隠していたと思えるような奮起を願いたく、チームYUのセンターを明け渡すつもりもないでしょう。
またホールドポイントでタイトル争いをしている松永も益田に続く新人王を狙っているでしょうし、年上としての意地があるはずです。
伊東監督がどこまで意識をして発したかは分かりませんが、成長のためには競い合いが必要であることは言うまでもありません。
西野を軸にして投手陣が活況になってくれればしめたものですから、そのためにも一日でも早い7勝目を期待します。

その西野の活躍がロッテのドラフト戦略にも影響を及ぼしているようです。
この2年は育成枠選手の指名をせずに一時期には10人を超えて球界でも有数だったのが嘘のように今や黒沢のみとなった現状から制度の利用を止めるのではないかと思っていましたが、しかし今オフには育成枠での選手獲得の可能性を林球団運営本部長が示唆したと報じられています。
中途半端にも思える中堅どころが多いことからして育成枠選手を獲っても実戦で鍛える場が限られるのであれば諸手を挙げての賛成とはいきませんが、しかし投打の歪な選手構成を是正するとともに言葉を選ばなければ頭数を揃えるだけのための選手を見切ることを同時に行うのであれば是非とも舵を切り直してもらいたいです。
その有用性はともかくとしても地方リーグへの選手派遣をロッテが持ち出したときには反対をした広島が今は地の利を活かしてその地方リーグを手堅く活用していますし、その他でもフューチャーズやアマチュアチームとの対戦も含めてやりようはいくらでもあるでしょう。
ソフトバンクのように三軍を作れとまでは言いませんが、若い力やハングリー精神は常に優勝争いができるチームとなるためには必要です。
西野二世、岡田二世と呼ばれる選手が誕生をするような、そんなロッテを夢想できるドラフトとなることを期待します。

 

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